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『御上先生』松坂桃李と敵対する岡田将生、ホントは味方?…「最初から仲間だった説」がほぼ確定した2つの根拠

松坂桃李(左)と岡田将生
「日曜劇場」という看板ブランドの名に恥じぬ、深いストーリーで話題を集めている松坂桃李主演の学園ドラマ『御上先生』(TBS系)。2月23日(日)に放送された第6話は、主人公の過去や目的が明らかになる重要回だった。
御上孝(松坂)は文科省のエリート官僚なのだが、身に覚えのない天下り斡旋の濡れ衣を着せられ、実質的な左遷人事として私立の有名進学校・隣徳学院に赴任。私立高校への初の官僚派遣として、高3クラスの担任教師として教壇に立つことになった。
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そんな御上、同期で親友だった文科官僚・槙野恭介(岡田将生)とは、第1話からずっと険悪ムードで、2人の間には常にピリピリしたムードが流れている。
第1話で御上は、後輩官僚に「左遷だよ。テイのいい島流しだ。信じていた友に裏切られてね」と愚痴っており、別のシーンでは槙野に対して、直接「栄転祝いだよ。俺を売って掴んだポストだろ、祝わないと」と皮肉っていた。
つまり、虚偽のリークをして罪を負わせたのは槙野だと決めつけており、これが親友関係に亀裂の入った原因かのように描かれている。
■超重要人物だった “保健室の先生” 臼田あさ美
しかし、結論から言うと槙野は裏切っておらず、最初から御上の仲間だったことが “ほぼ確定” したと筆者は考えている。
その「最初から仲間だった説」の論拠は2つ。
1つめの論拠は、第6話のキーパーソンとなった養護教諭・一色真由美(臼田あさ美)の言動だ。
一色は御上が赴任した私立高校の “保健室の先生” なのだが、第5話まで、御上と一色は赴任してきたときが初対面かのように振る舞っていた。けれど、2人は20年以上前となる中高時代からの知り合いだったことが第6話で判明。
しかも、文科官僚の御上が高校教師になったのは、旧知の間柄だった御上を一色が久しぶりに訪ね、「隣徳学院の闇を暴いてほしい」と頼んだからだと明かされたのである。
ここで御上の発言の矛盾に気づくだろう。本当は一色に依頼され自ら望んで高校に赴任したことになるので、「島流し」などと卑下していやいや教師になったかのような発言は、ウソだったことになる。
となると、御上がたびたび吐いていた槙野への恨み節も、本心ではなかった可能性が俄然高くなる。御上と槙野が密かに結託して、天下り斡旋の罪を御上がかぶるようにし、高校に左遷させられるように仕向けていたという仮説が濃厚になってくる。
■松坂桃李と岡田将生、2人きりで会話してない?
2つめの論拠は、御上と槙野が、実はまだ一度も “2人きり” でじっくり会話をしているシーンが描かれていないことだ。
たとえば、前述した第1話の、御上が槙野を煽るように嫌味を言い放ったシーンでは、その場に官僚の後輩が同席していた。第4話では逆に、槙野が御上に電話をかけ、御上のクラスの学園祭の展示内容について不満を募らせてイライラ。敵対心を剥き出しにして御上に忠告していたが、槙野のすぐ横には文科省の上司(及川光博)がおり、通話を聞いていたのだ。
表面的には、回を追うごとに御上と槙野の溝は深まっており、対立構図が明確になってきているが、状況的に2人の会話は常に誰かに聞かれている。それは裏を返せば、意図的に “聞かせている” とも考えられる。
第6話では、文科省・隣徳・政治家という3者の裏のつながりを暴き、そのイビツな構造を正すのが御上の目的だと明かされた。
他者の目も耳もない状況では、まだ会話を交わしていない御上と槙野は、最初から同じ目的を成し遂げるために協力している同志なのではないか。
御上は、隣徳内部から改革に動き、槙野は文科省内部から改革に動いており、それぞれの場で活動しやすいよう、周囲には反目しあう対立関係だという芝居を打っている――そう考えると、腑に落ちることが多すぎるのだ。
この2つの論拠から、槙野は味方だというのはほぼ確定と考えている。
今夜放送の第7話では、文科省の後輩になんらかの悲劇が起こり、槙野がそれを目の当たりにするという展開になるようだ。いずれにしても、槙野が御上の協力者だったと明かされ、頼もしい “味方ムーブ” をしてくれる展開を期待したい。