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【眉なし激変】水野美紀『べらぼう』の演技に称賛の声「アクション女優志向」「事務所独立」「劇団立ち上げ」紆余曲折を経た“女優人生”
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3月2日、NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の第9話『玉菊燈籠(たまぎくどうろう)恋の地獄』が放送された。
横浜流星演じる「蔦重(つたじゅう)」こと、主人公・蔦屋重三郎(横浜流星)の幼馴染で、小芝風花演じる花魁の瀬川が籍を置く女郎屋「松葉屋」の女将・いねを演じる水野美紀が、話題を集めている。
「この日の放送では、主人公の蔦重が 瀬川の身請け話を耳にして、初めて瀬川を思う気持ちに気づくも、『松葉屋』の主人(正名僕蔵)といねの2人は、蔦重と瀬川の関係に気づき、瀬川が客の相手をする場面を蔦重に見せるなどして2人の邪魔をする……という展開でした。ただ、いねが単に自らの儲けのために、瀬川の恋心を邪魔しているわけではなかったことが、最後に明かされました」(スポーツ紙記者)
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水野が演じるのは女将とあって、当時の既婚者の風習だった、眉を剃った様子を再現したメイクで劇中に登場している。そのため、放送開始の当初は、水野や同じく吉原の女将役で出演している安達祐実、飯島直子といった女優の出演に「気づかなかった」という感想も出ていたほどだ。
だが、今回の放送後には、X上で、水野の卓越した演技力に称賛の声が集まった。
《水野美紀さん! 大河べらぼうの秋葉屋の女将、いねさんの演技良かったです。眉毛無いと誰だか分からないけど、苦界に棲むいねさんの凄みが感じられました》
《「水野美紀」回であるとも云えよう。50になって女っぷりに磨きがかかったなぁ。ドスの効いた喋り方もいいやね》
《べらぼうの小芝風花ちゃんはもうそれは美しくて最高なんだけど、今回は水野美紀さんの女将さんが素晴らしくて痺れた回だった》
視聴者から絶賛される女優としての演技力は、これまでいろいろな役柄を演じてきた経験が生きているようだ。また、紆余曲折した女優人生も重なっているのでは、と芸能記者は話す。
「もともと水野さんは、中学1年生だった1987年に『第2回東鳩オールレーズンプリンセスコンテスト』に出場し、準優勝になったことをきっかけに芸能界デビューしました。中学卒業には、芸能活動を本格化させるために福岡から上京しました。
また、少女時代に少林寺拳法を習っていた経験を買われて、上京後は倉田アクションクラブに通い、アクション女優を目指したこともありました。そんなことから、1992年に出演した『ストリートファイターII』のCMでは、人気キャラクターの『春麗(ちゅんりー)』に扮して、アクションを披露したこともあります」(芸能記者)
1994年、デビュー当初の芸能事務所が閉鎖となり、大手芸能事務所「バーニングプロダクション」に移籍。
「1997年に放送されたドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)で演じた柏木雪乃役で、世間的にもブレイクを果たします。順調に女優としてのキャリアを重ねていましたが“方向性の違い”を理由に、2005年に事務所を独立し、個人事務所を設立しました。
ただ、独立後は2年近く地上波の連続ドラマに出演することがなく、2010年の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』の劇場版にも、“産休”という設定で登場することはありませんでした。
そんななか、水野さんは2007年、演劇ユニット『プロペラ犬』を主宰として立ち上げ、舞台や映画の仕事をメインに活動していきます。2012年には、映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』にも復帰しています」(同前)
そういった環境の変化が、水野の演技の“幅”を広げたと、芸能ジャーナリストが指摘する。
「舞台などでの経験も大きかったのか、デビュー当初のアイドル女優路線から一変し、悪女役も演じるようになりました。2017年に放送されたドラマ『奪い愛、冬』(テレビ朝日系)での、嫉妬に燃える妻役の演技が大当たりに。不気味でありながら魅力のある演技と話題となり、“怪演女優”としての称号も手に入れ、演技力も再評価されました。それ以降は、女優としてドラマや映画、舞台と幅広い分野で活躍するのはもちろんのこと、バラエティ番組のMCとしても活動しています」
いね役を演じるにあたり、眉毛を脱色し、極限まで剃って撮影に臨んでいるという水野。吉原の女郎に“夢”を説いた劇中の姿は、まさしく彼女自身の経験から出た言葉だったのかもーー。