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みのもんたさん「水道メーター経営者」として社員に命じた“4つの禁句”、生前語っていた「円安政策への危機感」

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記事投稿日:2025.03.03 19:30 最終更新日:2025.03.03 19:33
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
みのもんたさん「水道メーター経営者」として社員に命じた“4つの禁句”、生前語っていた「円安政策への危機感」

2024年、取材に応じたみのもんたさん(写真・金谷千治)

 

 3月1日、司会者で実業家のみのもんた(本名・御法川法男、みのりかわのりお)さんが亡くなった。80歳だった。

 

 みのさんが会長を務めていた水道メーター製造・販売会社「株式会社ニッコク」は1日に《弊社代表取締役会長御法川法男逝去のお知らせ(訃報) 長年にわたって弊社経営に携わってまいりました、代表取締役会長御法川法男が、令和7年3月1日未明に永眠いたしました》などと公式サイトで追悼声明を発表した。

 

 立教大学経済学部卒業後、1967年に文化放送に入社し、アナウンサーとして活動を始めた、みのさんだが、35歳で退社。父・正男氏(2005年に逝去)が経営していた日国工業株式会社(ニッコクの旧名)に入社し、営業マンとして全国を飛び回った。

 

 

 同社は1999年に、みのさんの個人事務所と合併し、現社名に変更。水道メーター事業とタレント業の2本立てとなり、社長(2020年11月まで)に就任し、父親の事業を引き継いだ。

 

 社長業と並行してみのさんは『午後は○○おもいッきりテレビ』(日本テレビ系)、『みのもんたの朝ズバッ!』(TBS系)、『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)などのテレビ番組で司会者として活躍。

 

 2006年11月には「1週間で最も長時間、テレビの生番組に出演する司会者(記録21時間42分)」という記録が「ギネス・ワールド・レコーズ」に認定されている。

 

 本誌「FLASH」は、2013年4月22日、当時162名の社員を率いる“中小企業社長”としてニッコク本社内でインタビューをおこなっていた。

 

 みのさんは、ほとんど毎日『朝ズバッ!』の生放送終了後に出社し、作業ジャンパーを羽織っていると明かしていた。当時の売り上げの内訳は、水道メーター事業が6割、タレント業が4割だったという。

 

 みのさんには経営者として日ごろから心がけていることがあるとして、こう語っていた。

 

「暑い、寒い、疲れた、忙しい、この4つは絶対口から出さないことにしています。この言葉は否定の言葉ですからね。僕がよく社員に言うのは『暑いと思っても暑いと言うな。いい汗かけると思え』『寒いと思っても寒いなんて思うな。身が引き締まると思え』『疲れたと思うな。いいトレーニングをしていると思え』『忙しいと思うな。仕事を追いかけて幸せだと思え』ってね。僕はアナウンサーや司会の仕事がなくて、困ったときがたくさんありましたから」

 

 また、みのさんはこのインタビューで、日本経済を円安方向へと舵を切る“アベノミクス”への危機感を語っていた。当時の背景を政治担当記者がこう解説する。

 

「2012年12月26日に第2次安倍(晋三)内閣が発足し、経済政策『アベノミクス』を進めた結果、2013年の1年間では国内の経済指標が軒並み好転しました。日経平均株価は政権発足当初は1万円前後でしたが、2013年4月4日に日銀の黒田東彦総裁が『異次元緩和』を決定すると株価は上昇し、一時下落したものの年末には16000円を超え、6年ぶりの高値に上昇しました。

 

 また、完全失業率も2013年1月の4.3%から12月には3.7%と下がり、有効求人倍率も2013年1月の0.85倍から12月には1.03倍に上がりました。そして、為替レートですが、2011年10月31日に戦後最高値の1ドル75円32銭でしたが、2013年1月の80円台後半からゆるやかに円安が進み、12月30日には5年2か月ぶりに105円台の円安となりました。」

 

 ただ、みのさんは、本誌に中小企業経営者としての辛さを吐露していたのだ。

 

「景気をよくしよう、長い間のデフレから脱却しよう、それはわかりますよ。デフレよりもインフレのほうがなんか気持ちをよくして、浮ついた感じになる。それ自体を責める気はありませんが、僕がいちばん引っかかっているのは、円安。円安に持っていこうとしていること。

 

 円安になれば、景気がよくなるみたいなことを言う。でも、円安になるとはたして景気が良くなるの? 輸出を中心とした大企業はいいかもしれません。これを円安に持っていかれたら、たくさんの日本の円を出さなきゃ、エネルギーも買えない、輸入穀物も買えないわけでしょ。

 

 円高だから、ガソリンやエネルギー、原材料を安く仕入れられたのに、円高によるコストアップは中小や零細企業にとっていいわけないですよ。皆さん、アベノミクスで浮かれすぎじゃありませんか?」

 

 さらに、みのさんは円安が自身の会社に与える実情を明かした。

 

「たとえば、うちの会社の水道メーターの一部は銅でできています。銅を輸入しなきゃいけない。円安だと原材料の銅が跳ね上がり、利益が削られる。中小企業、零細企業の商品にはつらいですよ。はっきり言って、うちみたいな零細企業はもろに影響を受けていますよ。

 

 それで給料上げられますか? 原価はどんどん上がっちゃうんですから利益率は下がる。東京電力とかほかの電力会社みたいに利益を乗せた上での原価なら別でしょうが、我々はそうはいかないですよ。円安基調では、利益を削ってカバーするしかない。今の円安傾向はつらいですよ。地獄です」

 

 現在の3月3日時点で、1ドルは150円台。みのさんに今の円安についての意見をぜひ、聞きたかった。

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