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バカリズム脚本『ホットスポット』ファンはぜひとも見てほしいドラマがあった!共通テーマは “大人になってできた友達”

バカリズム脚本作品としてヒット中の、地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー『ホットスポット』(日本テレビ系)。
山梨県の田舎町にあるビジネスホテルで働く主人公・清美(市川実日子)は、ひょんなことがきっかけで、同僚の高橋(角田晃広)から自分は宇宙人だとカミングアウトされる。
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秘密にしておいてほしいと頼まれていたが、つい地元の幼馴染みである葉月(鈴木杏)と美波(平岩紙)にしゃべってしまい、「高橋=宇宙人」という秘密を4人で共有していくことに――というストーリー。3月2日(日)に第8話が放送され、最終章に突入している。
『ホットスポット』は、同じくバカリズム脚本で数多くの出演者が共通している2023年1月期ドラマ『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)と比較されがち。
それもそのはず、夏帆、木南晴夏、志田未来、田中直樹、野呂佳代、野間口徹といったキャストが共通しており、ついに第8話では『ブラッシュアップライフ』主演の安藤サクラまで登場。『ブラッシュアップライフ』が再注目されるのも当然だろう。
しかし、実はある意味『ブラッシュアップライフ』以上に共通点の多いドラマがあるのだ。
■6人しか登場しない『侵入者たちの晩餐』
2024年1月3日に放送されたバカリズム脚本のスペシャルドラマ『侵入者たちの晩餐』(日本テレビ系)。
ふだんは家事代行サービスで働き、平凡ながら孤独な日々を送っていた主人公・亜希子(菊地凛子)。とある年の瀬、顔見知り程度の同僚でしかなかった恵(平岩紙)からの提案で、香奈恵(吉田羊)も含めた3人で、タンス預金を盗み出すために社長の豪邸に侵入するというクライム・コメディー。
この作品、主要キャラは菊地凛子、平岩紙、吉田羊のほか、白石麻衣、角田晃広、池松壮亮を加えた6人しか登場しない。
『ホットスポット』をご覧の方ならお気づきだろうが、『侵入者たちの晩餐』の6人中4人(菊地凛子、平岩紙、角田晃広、池松壮亮)が『ホットスポット』に出演しているのだ。
『ブラッシュアップライフ』のほうが共通する出演者の人数は多いが、6人中4人という割合で考えれば『侵入者たちの晩餐』のほうが上回っている。
■共通テーマは “大人になってできた友達”
さらに『ホットスポット』と『侵入者たちの晩餐』には、『ブラッシュアップライフ』にはない共通点がある。それは “大人になってできた友達” というテーマだ。
まず『ブラッシュアップライフ』の説明をざっくりしておくと、“地元の幼馴染みとの友情” がテーマの作品である。
『ホットスポット』も市川実日子、鈴木杏、平岩紙の3人は地元の友達なので、一見すると同じように思えるが、第8話で真のテーマのようなものが明かされた。それが、“大人になってできた友達” だったのである。
宇宙人・高橋にも地元の男友達はいたのだが、宇宙人であるということをカミングアウトできずにおり、ずっと秘密を抱えて、常にどこかで孤独を感じる人生を送っていた。
けれど、ひょんなことから清美、葉月、美波の3人と秘密を共有し、定期的に喫茶店やファミレスでおしゃべりする間柄となる。気を遣わず、気を遣われず、くだらないバカ話をしてはツッコミ、ツッコまれ……という関係性。
高橋が自身の人生を振り返り、「孤独っちゃ孤独だけど、でもそれは仕方ないかなぁって思って」と語ると、清美が「え、いまも孤独ですか?」と問いかける。そこに美波と葉月が「うちらがいるじゃないですか」「うん、めっちゃお茶してるし」と畳みかけると、高橋は「そっか」とつぶやく。
モノローグで高橋は「たしかに、彼女たちにカミングアウトしてから、孤独を感じることがなくなっていた」と語り、大人になってからできた友達のありがたさを噛みしめるのだ。
■クライマックスでも4人の掛け合いに期待
『侵入者たちの晩餐』も、バツイチの1人暮らしで孤独を感じていた主人公・亜希子に、不法侵入という犯罪を通じて恵&香奈恵という友達ができる物語。ネタバレになるので詳細は控えるが、ラストの3人の掛け合いはなかなか胸がじんと熱くなるものがある。
“地元の幼馴染みとの友情” も尊いが、“大人になってできた友達” もとても尊い。そう思わせてくれるのが『ホットスポット』と『侵入者たちの晩餐』なのだ。特に、地元の人間関係がほとんど切れているという人ほど、大人になってからできる友達がいかに貴重かがわかるだろう。
今夜放送の『ホットスポット』第9話は、危機が迫る宇宙人・高橋を助けるために、清美、葉月、美波があれこれ作戦会議を始める模様。終盤戦に突入している本作だが、クライマックスでも4人の掛け合いで笑わせてくれ、ほっこりさせてくれるに違いない。