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「『バズる』って言葉は嫌いです」大和田伸也「ぬい活」投稿で話題に! 大御所俳優が明かした「ぬいぐるみの魅力」「SNSのいい使い方」

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記事投稿日:2025.03.16 06:00 最終更新日:2025.03.16 06:00
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「『バズる』って言葉は嫌いです」大和田伸也「ぬい活」投稿で話題に! 大御所俳優が明かした「ぬいぐるみの魅力」「SNSのいい使い方」

抱えているのは、ゲーム内での相棒だという2匹のポケモン。向かって左側のゼニガメを「ちこ」、右側のクワッスを「ペロ」と名づけた(写真・伊藤 修)

 

「何を聞かれるのかな?」

 

 取材開始と同時に、グイッと目を見開いて、破顔一笑。かつて、大ヒットドラマ『水戸黄門』(TBS系)で“2代目・格さん”を演じ、近年ではさまざまな映画やドラマで“ラスボス”として君臨する貫禄を見せる、俳優の大和田伸也だ。

 

 しかし、そのまわりを囲むのは、色とりどりのぬいぐるみたちだ。現在、大和田は、俳優業の一方、ある意外な趣味で注目を浴びている。

 

 

「ぬい活」――ぬいぐるみの「ぬい」と活動の「活」を組み合わせた造語だ。ぬいぐるみを通じて楽しむ、さまざまな趣味の総称であり、ぬいぐるみと写真を撮る、一緒に旅に出る、カスタマイズするなどの楽しみ方が、多くのSNSで見かけられる。

 

 現在、大和田のXなどでは、さまざまなぬい活の様子を垣間見ることができる。77歳にしてSNSを使いこなし、自身のかわいらしい生活をのぞかせる大御所俳優に、「ぬい活の極意」と「SNSとのつき合い方」を聞いた。

 

「愛犬に似たぬいぐるみを車に一緒に乗せたり、動物園や水族館に行くと必ず買ってきたり……ぬいぐるみを集めるのは、前からの習慣だったんです。

 

 もうずっと昔から、ぬいぐるみが好きなんですよ。この子たちには、温かみがあって、声もかけやすい。日常生活の中で自然に集めていたので、『ぬい活』をやっていた自覚はあまりないんですよね」

 

 その言葉どおり、取材現場に“連れて”来てくれたのは、ポケモンたちや、ライオンキングのムファサ(主人公・シンバの父)、ラグビー日本代表ジャージ姿の鉄腕アトム、テングザルに柴犬……ジャンルもサイズもバラバラなぬいぐるみたちだ。

 

 大和田のなかで、明確に「集めよう」という意識が芽生えたのは、1994年にアニメ映画『ライオン・キング』のムファサ役を演じ、公開当時のグッズを大量に収集したことがきっかけだという。現在では、ぬいぐるみの数はどれくらいに上るのか。そう聞くと、大和田は自宅の写真を見せてくれた。

 

「自宅にね、“アソビバ”っていうスペースを作って。ぬいぐるみやフィギュアが置いてあるんです。数えたことないんだけど……この写真の4、5倍くらいはあるのかな」

 

 大和田にとって、このぬいぐるみたちに優劣はない。大和田は“すべての子”は平等にかわいいと語る。だが、その活動を公にすることはなかった。

 

「ぬいぐるみ集め、という趣味に抵抗があったんでしょう。恥ずかしかったのかも。おもしろがられるとも思っていなかったですしね」

 

 だが、大和田の意識を変えたきっかけがあった。15年ほど前のことだという。

 

「マチュピチュに行ったんです。現地の高山で、青年が絶景をバックに、持参した人形の撮影をしていたんですよ。『これはおもしろいなあ』と思ってね。

 

 外国の方でした。『きっと、いろんなところを旅して、人形と写真を撮ってるんだな、楽しそうだな……』と思いましたね。自分もぬいぐるみなら家にたくさんあるし、僕は映画監督や演出もやるので、人形やぬいぐるみで撮影するのはおもしろそうだと、そのときに思ったんです」

 

 思えばこれが「ぬい活」の原点だったのかもしれない。その印象を持ち続けたまま、時は過ぎた。そして2年ほど前、自身のYouTubeチャンネル『大和田伸也の隠れ家』でゲーム実況をしたとき、転機は訪れた。

 

「ポケモンのゲーム(『スカーレット・バイオレット』)をプレイしながら配信していて、キャラに声を当てたりしていたんです。ゲームで相棒になった2匹のポケモンのぬいぐるみも買って、名前をつけた。それで僕は、亡くなった愛犬の名前、『ペロ』と『ちこ』と名づけたんです。

 

 そうなると、愛着が湧いちゃってね(笑)。出かけるときは連れて行ってあげたりしているうちに、マチュピチュのことを思い出して、写真を一緒に撮り始めたんです。それを気まぐれにXにアップしたら、みなさんが共感してくださった」

 

 大和田は2016年からXを活用していたが、ぬいぐるみ写真への反応は驚くべきものだったという。2025年2月に投稿した「ぬい活」動画には、18万ものいいねがついている。

 

「いろんな方が喜んでくださってね。入院していらっしゃる方が『ぬいぐるみの画像を見て癒やされた』って書いてくださって。『ああ、これは、私たちの年齢の人がぬいぐるみを持っていても、恥ずかしくないんだな、おもしろいな』って、意識が変わったんですよ。

 

 それで、ときどき写真を載せて楽しんでいます。天気がいい日は“みんな元気で育つんだよ”なんて書いてみたりして」

 

 大和田にとって、ぬいぐるみとはどういう存在なのだろうか。

 

「家族であり、友達であり、子どもでもあり……そんなつもりで接してるから、話しかけているのを他人に見られても、いまは恥ずかしくないですよ。それを通じて、いろんなぬいぐるみを紹介したいし、みなさんにご披露したい。ぬいぐるみと話していると、人生、楽しいよ。恥ずかしくもありませんよ」

 

 こうした活動は、仕事場でもいい影響をもたらしているという。

 

「ドラマとかでも、最近は怖い人の役が多いんですよ。僕が演じるのは、だいたい“ラスボス”が多いから(笑)。でも、実際の僕は“ぬいぐるみと仲のいい人”なんです。

 

『僕はこのポケモンが好きです』とか、若い人と話すきっかけにもなっています。現場でもポケモンのグッズをいただいたりするので、どんどん増えちゃうんですよね(笑)」

 

 愛おしそうにぬいぐるみたちを見つめる大和田。その視線はあくまでも優しい。だが、ここまでSNSで反響が寄せられると、つい「もっとバズりたい」という欲目が出てしまうものではないか……。そう聞くと、大和田はずばりこう答える。

 

「『バズる』って言葉は、僕は嫌いなんですよね。なんか数字を追ってるような、売り込んでるような感じがして。僕は、ぬいぐるみが好きであることを、自然に共感してくれる方が増えることがうれしいんです。

 

 ぬいぐるみをかわいがる気持ちって、いいことだと思うんですよ。優しい気持ちっていうのかな。昔は、年寄りが人形持ってるなんて、変に見られたでしょ。いまも、ちょっとはそう思われてるんじゃないかな、と感じることもある。ところが、世の中は変わってきていますからね。ぬいぐるみをかわいがっていても、共感してくれる。SNSを通して、自分の趣味をさらけ出すハードルが、かなり下がりましたね。いい使い方をしていると、我ながら思いますよ。

 

 いくつになっても、楽しめるものはあるんですよ」

 

 大和田は、「僕がぬいぐるみをかわいがっている姿を見て、元気になってもらいたい」と話す。ぬい活は、これからも続いていくのだ。

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