エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

バカリズムに踊らされた!『ホットスポット』最終話「回収された伏線」と「伏線でなかったこと」総まとめ【ネタバレあり】

エンタメ・アイドル
記事投稿日:2025.03.17 13:54 最終更新日:2025.03.17 13:54
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
バカリズムに踊らされた!『ホットスポット』最終話「回収された伏線」と「伏線でなかったこと」総まとめ【ネタバレあり】

 

 

 バカリズム脚本で話題を集めていた地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー『ホットスポット』(日本テレビ系)。3月16日(日)に最終話(第10話)を迎え、大団円となった。

 

 山梨県の田舎町にあるビジネスホテルで働く主人公・清美(市川実日子)は、ひょんなことがきっかけで、同僚の高橋(角田晃広)から自分は宇宙人だとカミングアウトされる。秘密にしておいてほしいと頼まれていたが、つい地元の幼馴染みである葉月(鈴木杏)と美波(平岩紙)にしゃべってしまい、「高橋=宇宙人」という秘密を4人で共有していくことに――というストーリー。

 

 コメディー作品でありながらさまざまな謎が散りばめられ、考察ファンを熱くさせており、最終話でも多くの伏線が回収された。

 

 一方、伏線かと思われていたキャラやシーンが特に触れられずにそのまま終了しており、なんの伏線でもなかったと明らかになったことも多かった。

 

 そこで今回はネタバレありで、「最終話で伏線回収されたこと」と「なんの伏線でもなかったこと」、それぞれ5つ紹介していきたい。

 

 

■【伏線回収されたこと(1)】謎の男はタイムリーパーだった

 

 第9話で突然現れた「Fのキーホルダーを付けた謎の男」は、山本耕史が演じていたのだが、彼はタイムリーパーだった。彼は町を救うために清美と高橋に協力をあおぐが、頼みに来るのがだいぶ遅く、すでに問題はすべて解決していたというオチ。

 

 謎の男はタイムリーパーだったという伏線回収だが、山本耕史の無駄遣いとも言える演出。実はこれ、バカリズムが脚本担当した『ブラッシュアップライフ』(2023年/日本テレビ系)の最終話で、タイムリーパー役の浅野忠信が雑に扱われたのとほぼ同じ手法だったため、作品を超えた大きな伏線回収とも言えた。

 

■【伏線回収されたこと(2)】突如現れた女はやっぱり幼馴染み

 

 第9話で、地元の同級生仲間のなかに突如紛れ込んでいた新キャラについても、きちんと伏線回収された。

 

 山田真歩が演じた謎のキャラは、予想どおり清美たちの中学時代の同級生。だが、なぜ彼女が急に登場したのかや、彼女が高橋を宇宙人だと知るくだりがきちんと描かれ、コミカルなエピソードとなっていた。

 

■【伏線回収されたこと(3)】「本物の幽霊」ががっつり登場

 

 第4話で清美たちのホテルの角部屋に幽霊が出るという騒動があった。そのときは不正宿泊していた女が隠れていただけという落としどころになっていたが、実はそのシーンをよ~く見ると、画面には薄っすらと窓の外にいる女が映っており、本物の幽霊がいるのではと視聴者の間で話題になっていた。

 

 そして迎えた最終話。宇宙人・高橋がくだんの角部屋に泊まることになり、今回はうらじぬの演じる本物の幽霊が大胆に登場。

 

 第4話では相当じっくり観察しないと見つからないレベルの出演で、劇中のキャラたちも「幽霊はいない」と納得していただけに、気づいていた視聴者はさぞかし沸いたことだろう。

 

■【伏線回収されたこと(4)】「遺産相続レース」の勝者が決定

 

 清美たちの同僚で、主にフロント業務を担当していた小野寺(白石隼也)というキャラがいる。物語初期からいたにもかかわらず、出演シーンが異様に少なかったため、なにか秘密があるのではと目されていた。

 

 小野寺自身には特に秘密はなかったのだが、なんと紆余曲折を経て彼がホテルの新オーナーに就任する展開に。清美が密かに狙っていた「遺産相続レース」の勝者が小野寺になったという伏線が回収されたのだった。

 

■【伏線回収されたこと(5)】なんと主人公の娘と元夫も宇宙人

 

 最終話の終盤で、清美の中2の娘(住田萌乃)と離婚した元夫(大倉孝二)も、実は宇宙人の血を引いていることが、さらっと明かされた。

 

 娘は初回からよく登場していたのだが、これまで特に掘り下げられていなかっただけに、何か秘密があるのではと勘繰っていた視聴者も多かったと思う。最後の最後で “主人公の娘も宇宙人(の血を引いている)” というオチがついたわけだ。

 

■【伏線ではなかったこと(1)】巨大UFOはただのイメージだった

 

 ここからは、意味深長だったが伏線でもなんでもなかったことを紹介していこう。

 

 まず、公式サイトやポスターなどに使用されているキービジュアルには、富士山の上に巨大なUFOが描かれていた。往年のSF映画でよく見るタイプのオーソドックスな円盤型のUFOだ。しかし、この巨大UFO、劇中にはいっさい現れず。

 

 最終話で出現するのではないかと期待していた視聴者もいたのではないか。ただ、けっきょく巨大UFOが登場するような本格SF展開にはならず、このキービジュアルはあくまで物語をミスリードするためのイメージだったわけだ。

 

■【伏線ではなかったこと(2)】野呂佳代はただの厚顔無恥な泥棒女

 

 いまや名バイプレイヤーとしてさまざまなドラマに引っ張りだこになっている野呂佳代。野呂が演じる中本はホテルの清掃スタッフだったが、第1話でテレビを盗んだことがバレてクビになっていた。

 

 その後しばらくは出演せず、第6話で再登場。泥棒でクビになったのに『キャッツ・アイ』の主題歌をカラオケで熱唱するなど、アクの強さを見せつけていた。

 

 売れっ子の野呂が演じたナイスキャラだっただけに、最終話でも登場して宇宙人、未来人、超能力者といったなんらかの秘密が明かされるかと期待したが、いっさい登場せず。ただ単に図々しい厚顔無恥な窃盗犯だったことになる。

 

■【伏線ではなかったこと(3)】木南晴夏は理解力がハンパない大物

 

 第6話で、木南晴夏演じる清美たちの幼馴染み・綾乃が放ったある一言が、考察ファンの間でかなり注目されていた。

 

 高橋が宇宙人であると知らされた綾乃だったが、あまり驚くことなく「そういう人もいるんじゃない?」とすぐに受け入れていた。さらに、高橋へお礼としてどら焼きを贈っていたため、宇宙人の口に合うか心配する素振りを見せたが、すぐに「どら焼きはね、どの星でも美味しいから」とポツリ。

 

 この発言から、綾乃自身も宇宙人説や、もしくは周囲に他の宇宙人がいる説などが囁かれていた。だが最終話でもなにも触れられなかったため、綾乃はたんに多様性への理解力がハンパない大物だったということなのだろう。

 

■【伏線ではなかったこと(4)】坂井真紀とMEGUMIは普通の脇役

 

 坂井真紀が演じるフロントスタッフ・えりは初期から登場していたし、MEGUMI演じるスナックママ・紀子も中盤からよく登場していたが、彼女たちの単独エピソードが掘り下げられることはなかった。

 

 伏線っぽいシーンがあったというわけではないのだが、名女優の坂井や売れっ子のMEGUMIを、ゲストキャラではなく準レギュラー的にキャスティングしていたので、なにかあるのではないかと勘繰ってしまっていた。けれど、スポットが当てられるエピソードが用意されているわけではなく、純粋な脇役としての出演だったようだ。

 

■【伏線ではなかったこと(5)】3人はただ『E.T.』を知らなかっただけ

 

 第1話で清美、葉月、美波の3人が、高橋が語っていた映画『E.T.』(1982年公開)の話をまったく知らないというシーンがあり、なにかの伏線なのではないかと考察ファンは盛り上がっていた。その後、3人は『E.T.』という映画があることは知るようだが、アラフォーのキャラたちが、観たことはなかったとしても世界的大ヒット映画の作品名すら知らないのは不自然すぎた。

 

 そのため、3人も別の星からやってきた説や舞台が未来の地球説など、世界観の根幹を揺るがすような設定が隠されているのではないかとさまざまな予想がされていた。しかし、3人はシンプルに『E.T.』を知らなかった人たち、ということだったようである。

 

 ――視聴者が勝手に深読みしすぎただけという要素もあるが、意味ありげに挿入されたシーンや秘密ありげなキャラを作ることで、本当に後々回収する伏線を気づきにくくさせる効果があったのかもしれない。

 

 いずれにしても『ホットスポット』というドラマが、最後まで驚かせ続けてくれた秀逸なコメディーだったのは間違いない。

続きを見る
12

今、あなたにおすすめの記事

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る