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板垣李光人『秘密~THE TOP SECRET~』ぶっ飛びすぎな “トンデモ黒幕” に賛否、それでもぎりぎり受け入れられた理由【ネタバレあり】

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記事投稿日:2025.04.09 13:45 最終更新日:2025.04.09 15:17
出典元: SmartFLASH
著者: 堺屋大地
板垣李光人『秘密~THE TOP SECRET~』ぶっ飛びすぎな “トンデモ黒幕” に賛否、それでもぎりぎり受け入れられた理由【ネタバレあり】

 

 

 かなりトンデモSFなドラマだったが、クライマックスに最大級のトンデモ真相が待っていた!

 

 板垣李光人とHey! Say! JUMP・中島裕翔がダブル主演を務め、4月7日(月)に最終話(第11話)が放送されたヒューマンサスペンス『秘密~THE TOP SECRET~』(フジテレビ系)。

 

 科学警察研究所の法医第九研究室、通称「第九」という架空の組織のメンバーの活躍を描く警察ドラマ。

 

「第九」では亡くなってしまった被害者や犯罪者の遺体から脳を摘出し、特殊なMRIスキャナーにかけることで、生前の記憶を映像として観ることができる「MRI捜査」が導入されている。その映像はかなり鮮明に映し出されるし、何年も前の記憶も映像化できるので、死者の人生を追体験できるような科学技術が実用化されているというSF設定だ。

 

 このように基本設定から、なかなかにぶっ飛んだものだったが、最終話の黒幕的人物が語った真相は、さらにとんでもないものだったのである。

 

 

■【ネタバレあり】黒幕はやっぱりアイツだった!

 

 板垣が演じたのはMRI捜査官たちのリーダーで「第九」の室長・薪剛。

 

 中島は一人二役で、薪の学生時代からの親友で「第九」副室長だった鈴木克洋と、鈴木に瓜二つの「第九」新米捜査官・青木一行を演じた。

 

 そしてネタバレになるが、最終話で明らかになった黒幕的存在は、薪が尊敬して親交の深かった脳科学者・貝沼清孝(國村隼)だった。

 

 とはいえ、貝沼は第1話ラストで自らカミソリで首を掻っ切って死亡済み。

 

 実は、貝沼は薪に異常な愛情を抱いており、その倒錯した感情から28人もの少年を凄惨な方法で殺害していたサイコキラーでもあった。

 

 第2話では、そんな貝沼の脳の映像を見た鈴木たち捜査官に惨劇が起こっていた。薪が駆けつけたときには、自分の頭を拳銃で撃ち抜いて死亡する者、発狂して叫び続けている者など、地獄絵図。その場では生き残った鈴木も、のちに精神錯乱を起こして襲いかかってきたため、やむなく薪が射殺している。

 

 では、最終話で貝沼がどうやって再登場したかというと、なんと発狂して叫び続けていた捜査官・瀧本幹生(眞島秀和)の脳に乗り移っていたのだ。

 

 貝沼は生前、その捜査官たちに催眠術をかけていたことが発覚。瀧本は第9話から「第九」に復帰していたのだが、最終話のクライマックスで薪と2人きりで対峙した際、こう語ったのである。

 

「催眠をかけられ、貝沼の脳を見た俺は、感化されて、浸食され、すべてを失い、一度死んだんだ。そしていま、俺の頭の中には貝沼が生きている。お前も知ってるだろう? MRIを観ると、その人の念が移るだろ」

 

 こう語った瀧本(眞島)の姿は、次の瞬間から薪には貝沼(國村)そのものに見えるように……。

 

 まるで貝沼の人格が瀧本に宿って、そのまま乗っ取ったような演出。もはや催眠術という枠を超えて、超能力とも言えるオカルトの域である。

 

 そして貝沼は、「君(薪)をさらって、永遠に私のものにするためだよ」と真の目的を語り、「鈴木君を君の手で殺すように仕向けたのは、私だよ」と貝沼がすべて仕組んでいたことだと明かしたのだ。

 

■“トンデモ” を積み上げられて耐性ができていた

 

 この死んだ人間に取り憑かれるようなホラー展開。さすがにぶっ飛びすぎていて、シラケてしまった視聴者もいたかもしれない。

 

 だが、筆者の個人的な感想としては、ぎりぎりのラインで “フィクションとしてのリアリティ” を保っていたように感じた。

 

 というのも、第1話からいい意味で “トンデモ” に慣れさせられたため、人を自在に操る超能力レベルの催眠術や、死人が憑依して甦るような展開でも、「このドラマの世界観ならありえる」と思えたのだ。

 

 また、新興宗教内で起こった教祖暗殺事件が絡んでいたことや、瀧本はその宗教に母親がハマって苦悩していた宗教二世だったことが明らかに。そういった現実の社会問題も投影させたストーリーになっていたことも、ぎりぎりでリアリティを感じさせる担保となっていた。

 

 いずれにしても、物語序盤からラスボス的な雰囲気が匂わされていたものの、すでに死亡している貝沼を最終話でどう絡ませてくるのか見ものだったが、こんなウルトラCで再登場させるとは驚いた。

 

 最終話でさらにもう一段階上がったトンデモ度合いに、呆れはてて興ざめしてしまったり、コントのようだと嘲笑してしまったり、そんなふうにネガティブに受け取った視聴者たちの感性を否定するつもりはない。実際、賛否両論が巻き起こるやりすぎなストーリーだったことは間違いないからだ。

 

 けれど、筆者と同じく、最終話までに “トンデモ” を積み上げて許容する耐性ができ、ぎりで受け入れられて楽しめたという視聴者も多くいたことだろう。

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