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X JAPAN『紅』は「ボツ曲」をHIDEがアレンジして蘇らせた
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.02.12 11:00 最終更新日:2018.02.12 11:00
2月5日放送のラジオ『ToshlのオールナイトニッポンPremium』(ニッポン放送)で、X JAPANの名曲『紅』に秘められたエピソードが明かされた。
「『紅』は一度ボツになったものをHIDEさんが復活させた」という都市伝説に、Toshlは「本当です」と認めて語りだした。
「『紅』はHIDEが入る前からあった曲だけど、ライブではやらなくなっていた。HIDEが入って『「紅」いいじゃん』ってアレンジして、作り変えてXの代名詞になった。あの頃、HIDEやTAIJIがアレンジですごく強力にサポートしてくれた」
『紅』は1989年にロックバンドとしては異例の日本有線大賞で最優秀新人大賞を受賞。後に、高校野球を応援するブラスバンド部の定番曲となり、ゲーム『太鼓の達人』でも難曲として知られるなど、意外な形で世に浸透している。
ほかにも、X JAPANの名曲にはさまざまなエピソードがある。
1991年発売のアルバム『Jealousy』収録の『Voiceless Screaming』は、Toshl作詞、TAIJI作曲のアコースティックなバラード。ベーシストだが、ギターの名手でもあるTAIJIは自伝本『伝説のバンド「X」の生と死』で「その頃、Toshlは一時的に声が出なくなっていた。声の出ないボーカルなど、必要あるわけがない。その時に感じた辛さや苦しみが、哀しみとなって歌に表れたのだ。俺たちは泣きながらレコーディングをした。自然に涙が溢れてきた」と同曲に込めた2人の熱意を明かしている。
1993年発売の『Tears』は1992年に『第43回NHK紅白歌合戦』のテーマソングとしてYOSHIKIが書き下ろした『Tears〜大地を濡らして〜』が基となっている。同バージョンは和田アキ子、五木ひろし、細川たかし、チェッカーズ、光GENJI、GAOら多くの出演者で合唱された。その曲をHIDEがX JAPANとしてレコーディングすることを進言。そこでYOSHIKIが10歳のときに、33歳で自殺した父親を思って歌詞を書き換えて、リリースされた。
また、再結成後初の楽曲『I.V. 』は歌詞に「Can't you see me standing right here?」とあり、それは『紅』の「俺が見えないのか すぐ傍にいるのに」を英訳したものとされている。
メンバーたちの苦悩や葛藤をそのまま歌詞に刻んだリアリティがあるからこそ、X JAPANの名曲は色褪せず、人々の心を揺さぶり続けているようだ。