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日向坂46卒業から1年、女優・齊藤京子の現在地「メンバーがいない寂しさと、自分の時間で動けるありがたさ」

韓国ドラマのリメイク作『あやしいパートナー』にダブル主演する齊藤京子(写真・木村哲夫、2025年)
2024年、日向坂46を卒業した齊藤京子。グループアイドルの活動に区切りをつけ、ひとりの役者として歩み始めた齊藤の現在地は――。
「今後は、お芝居を中心にがんばっていきたいと思っています。ここ数カ月で、いろいろな役を演じさせていただいて、とてもありがたいですし、楽しいです。まだ余裕はないのですが、ちょっとずついまの生活に慣れてきた、という実感はあります」
グループ卒業後、生活や仕事への向き合い方は大きく変化した。
「ほとんどお芝居は未経験でしたし、アイドルと役者では仕事内容がまったく違うので、最初は正直、戸惑いました。2023年に『泥濘(ぬかるみ)の食卓』(テレビ朝日系)に主演をさせていただき、徐々に、役者としての生活サイクルなども築いていきました。アイドル活動と両立しなくてはならなかったので、当時はとにかく必死でしたね」
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アイドル時代と俳優では、時間の使い方もまったく違うという。
「起きてから寝るまでの、1日の生活サイクルがあまりに違い、驚きました。朝が早いのはアイドル時代と同じなのですが、寝る時間は3時間くらい早くなり、より規則正しい生活を送っています。オフの日もひたすら台本を読んでいますし、日々が充実しています」
食生活にも大きな変化があった。
「アイドル時代以上に、体調を整えることを意識しています。ドラマや映画だと映像の”つながり”があるので、肌のコンディションも毎日、維持できるようにと気をつかっています。
睡眠時間だけでなく、食事も以前より内容を考えて、とるようになりました。なるべく温かく、身体に優しいものをとり、冷たいものを控える。大好きなラーメンも……以前ほどは食べなくなっています(笑)」
撮影現場でのあり方も、アイドル時代とは大きく変わった。
「やっぱり、メンバーがいつも一緒にいたアイドル時代とは、意識が変化しました。撮影や、今日のような取材の場でもひとりですし、基本的に自分の代わりはいない状況です。個人で働くという責任感を、以前よりもさらに強く感じています。
たとえば、取材や撮影の合間でも、以前は周囲にいつもメンバーがいました。同じ立場の人がたくさんいて『一緒にがんばろう!』と励ましあっていましたが、いまはそういう人がいない。それはやっぱり、グループを卒業して『寂しいな』と思う部分ですね」
寂しさを感じつつも、ひとりで活動する喜びもある。
「先ほどの責任感もそうですが、団体行動がなくなり、自分の時間で動けるというのは、正直、新鮮でありがたいです」
役者として、生活サイクルや意識が変わりつつも「アイドル時代と変わらぬ自分の姿を見せたい」という思いもある。
「バラエティ番組の『キョコロヒー』(テレビ朝日系)のような、アイドル時代から4年間、現在も続いているような番組では『ずっと変わってないんだよ』っていう素顔を見せて、これまでのファンのみなさんにも安心していただけたら……。役者になって、いろいろな役を演じても、私自身が変わったわけではないので」
役者として齊藤は、どのような姿を見せていきたいのだろうか。
「これからは、お芝居を通していろいろな自分を見ていただきたいなと思っています。『泥濘の食卓』の主人公のような控えめな女性から、今回の『あやしいパートナー』で演じる明るい女性の役まで、振れ幅を広く演じられたら。理想は、ドラマや映画で私が演じた役を観た方が、『あれって齊藤京子だったんだ』と、あとから驚いていただけたらうれしいです」
4月29日から始まる、韓国の人気ドラマのリメイク作『あやしいパートナー』(MBS・TBSほか)にダブル主演する齊藤。同作では、殺人事件の容疑者に間違われてしまう司法研修生・宮下さくらを演じる。
「予想とはどんどん違う方向に、物語が展開されるドラマです。こういった天真爛漫なキャラクターを演じるのが初めてなので、本当に楽しみです。日本版リメイクならではの自分たちの色も加え、韓流ドラマを観ない方々にも楽しんでいただける作品にできたら!」
齊藤京子
さいとうきょうこ 1997年9月5日生まれ 東京都出身 2016年、けやき坂46のメンバーとしてデビュー。2024年、日向坂46を卒業。卒業後は、俳優として活動。おもな出演作に『泥濘の食卓』(2023年、テレビ朝日系)、『あやしいパートナー』(4月29日深夜0:59スタート、MBS・TBSほか)、映画『#真相をお話します』(4月25日公開)などがある
写真・木村哲夫
ヘアメイク・栢木真弓
スタイリスト・藤井エヴィ