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中島哲也監督 新作映画が公開直前で延期…“ヌード告発”への尾を引く後手対応 西島秀俊、満島ひかりほか豪華出演時には同情の声も

中島哲也監督(写真・共同通信)
《公開延期のご案内》
約2カ月後に公開予定だった作品は、果たしてどんな内容だったのか――。
4月28日、映画『時には懺悔を』の公式サイトで公開延期が発表された。同映画は、中島哲也監督が2018年に公開された『来る』から7年ぶりにメガホンを握った作品だ。
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中島監督といえば、2011年公開『告白』で「最優秀監督賞」「最優秀脚本賞」などを獲得し、日本映画界に名を刻む功績をあげた巨匠である。構想から15年を費やし、ついに公開直前となった作品に暗雲が立ち込めたのは2025年1月のことであった。
「1月に上映決定が発表されると、中島監督に関して過去に報道された“ヌード告発”がSNS上で話題にあがったのです。折しも、中居正広さんによる性加害トラブルが問題視されていた時期だったこともあり、『中島監督は問題ないのか』といった声があがりました」(映画ライター)
では、改めて注目があつまった“ヌード告発”とはなんなのか。
「2022年5月の『週刊文春』の報道です。ある女優が中島監督の2014年の映画『渇き。』に出演したことをきっかけに、自殺未遂に追い込まれたことを告発する内容です。
記事によると、A子さんは脚本を読んだ段階で性暴力を振るわれるシーンがあるのを了承していましたが、バストトップを露出する描写はNGという前提で撮影に臨みました。ところが、当日になって不本意な形で性暴力シーンの撮影に入ったのです。
A子さんは、制作側から『編集でカットする』と説明を受けたものの、実際にはバストトップが露わになっており、関係者が集まった上映会で公開されてしまいました。
その後、協議を重ねましたが、薄いボカシがかかったのみでA子さんが納得できるような修正ではありませんでした。不誠実な対応にショックで心身不調になった彼女は、自殺未遂を繰り返し、芸能界からも姿を消してしまいました。しかし、中島監督は報道に対して何の声明もないまま、今回の新作発表に踏み切ったというわけです」(映画ライター)
発表後の2025年1月21日に開設された中島監督のnoteには、意に添わぬヌードが撮影された経緯と『渇き。』に出演したA子さんへの謝罪。さらに今作ではインティマシーコーディネーターを導入したことを明かしている。
「過去の報道について声明を出したということで、ある程度の禊は済んだという判断だったのでしょう。3月からマスコミ試写会がおこなわれ、4月には『第49回香港国際映画祭』でも上映されるなど、配給会社も宣伝に力を入れていたので、公開まで順調に進んでいました。
同映画は、重度の障害を持って産まれた小さな命と親子の絆が描かれるなかで、家族から目を背けてきた男性や、産んだ子を愛せなかった母親、その一方で、子どもにすべてを捧げた母親など、多様な価値観で生きる大人が子供と出会うことで考えが変わっていくヒューマンストーリー。実際に障害のある子どもをキャスティングしています。
こうした重厚な内容もさることながら、西島秀俊さん、役所広司さん、満島ひかりさん、黒木華さんなど日本を代表する演技派俳優が揃っていることでも注目されていました。ところが一転、今回公開延期となってしまいました」(同前)
X上には、公開延期に納得の声があがる一方で、演者に同情する声も聞こえている。
《罪もないキャストさんが可哀想》
《一年延期したとて過去は変わらないからな。来年以降公開出来る保証なんてない》
《きっと、私たちに届く日を心待ちにしてくれている出演者の皆さまが悲しんでいると思うと胸が痛いですが…》
同作では、インティマシーコーディネーターを導入したという監督だが、「後手に回った」と語るのは芸能事務所関係者だ。
「日本ではあまり馴染みのない言葉でしたが、2020年のNetflix作品『彼女』で初導入された職種です。俳優陣のヌードがある撮影や、未成年の身体的接触のシーンで、演者側の心の負担と演出側の意図を第三者として調整することで、撮影後のトラブル防止になります。『渇き。』でもこの制度があれば被害が起きなかったかもしれません。
中島監督は新作発表前に、謝罪をした上でインティマシーコーディネーターを導入するなど、トラブル防止策を公表すべきでした。公開は2026年とされていますが、このままお蔵入りなんてことも考えられるでしょう」
演者に罪はないのだけれど……。