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『月曜から夜ふかし』街頭インタビュー再開「再発防止策」打ち出すも視聴者の不信…思い出される過去の“BPO審議入り”差別表現事件

『月曜から夜ふかし』のMCを務めるマツコ・デラックス
日本テレビは過去の問題から何を学んできたのだろうか。5月12日、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)が街頭インタビューの再開を発表したが、視聴者の反応は冷ややかだ。
「番組の公式HPでは『不適切な編集をそのまま放送し、ご協力いただいた方に多大なご迷惑をおかけし、視聴者の皆様の信頼も裏切ってしまいました』と謝罪しています。問題が起きたのは3月24日の放送回。中国出身の女性のインタビュー映像が『中国ではカラスを食べる』といった趣旨の発言として放送されたのですが、これは、まったく異なる文脈の発言を意図的に編集した“ねつ造”でした。
関連記事:【BPO審議入り】やらせ問題の『月曜から夜ふかし』の番組内容に起きた異変…「いよいよ終わる?」視聴者から不穏な声も
不適切な編集をおこなった『夜ふかし』に対して、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は4月11日、審議入りを発表。番組側は街頭インタビューを一時中止し、再発防止策の導入を表明していました」(芸能ジャーナリスト)
そして今回、日テレは「体制が整った」として、インタビュー再開を決定した。気になる再発防止策は、「複数の番組スタッフおよび番組外の日本テレビ社員による編集内容のチェック」や、「制作モラル向上のための研修実施」とされている。
だがこの対応策に、X上では疑問の声が上がっている。
《夜ふかしって、アイヌ差別と同じことしたのに検証番組を作らないのはどうなの?》
《スッキリのアイヌ人侮辱発言の反省が全く生かされていない。再発防止策も同じで信用できない》
視聴者が不信感を抱く理由は、4年前に起きたアイヌ民族への差別表現事件を連想させるからだ。
「2021年3月、当時、放送されていた日テレ系の情報番組『スッキリ』において、アイヌ民族のドキュメンタリーを紹介するなかで、お笑い芸人の発言が、民族を侮蔑する表現だとして批判を浴びました。このときも、番組はBPOの審議を受け、動画の最終チェック体制が極めて甘かったこと、アイヌ民族や差別問題に関する基本的知識がスタッフ間で決定的に不足していたことから、放送倫理違反があったと判断されました。
当時、日テレは全社員対象の人権研修を実施するとしていました。しかし今回の『夜ふかし』の件をみると、人権意識が制作現場に浸透していたとは思えません。騒動を受け、出演するマツコ・デラックスが激怒しているという報道もありました、日テレの福田博之社長は『マツコさんも心配しているということは聞いております』と明かしています」(前出・芸能ジャーナリスト)
相手を尊重する気持ちがあれば、意図的な編集などできないのではないか。