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「どこで息継ぎしてるの?」坂本冬美が幾田りらと“歌”を語り合う!過去には「紅白で歌詞を飛ばしたミス」も…幾田が実践する“瞑想”とは?

坂本冬美、幾田りら
連載タイトルが「モゴモゴモゴ」から「モゴモゴ交友録」、そして「モゴモゴ紅白」へと変わっても、特別対談「モゴモゴSPECIAL」は普遍。目黒蓮からLiSA、高見沢俊彦、HYDE…と、毎回意外すぎる相手と繰り広げる爆裂トーク第8弾はーー。
シンガー・ソングライターとして、多数のドラマや映画、CM楽曲などを手がける幾田りら(24)だ!
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坂本 初めてお会いしたのは、YOASOBIのikuraさんとして出演されていた2023年の『NHK紅白歌合戦』でしたけど、そのときはご挨拶させていただいただけで。幾田さんと初めてお話しさせていただいたのはーー。
幾田 声優に初挑戦させていただいたアニメーション映画『竜とそばかすの姫』のスタジオです。大先輩に対して大変恐縮な感想なのですが、喉の使い方がものすごくお上手で。やっぱり、声を使ってお仕事をされている方は違うんだと思ったことを覚えてます。
坂本 いやいやいや。本当にちょっとしか出ていないんですけど、もう緊張しちゃって。お恥ずかしい限りです。
幾田 そんなことないです。坂本さんも声優は初めてとお聞きしましたけど、とてもそうは思えないほど素敵で、そのまま自然体で役を演じていらっしゃるようでした。
坂本 またまたまた。そんな嬉しいことを(苦笑)。
幾田 本当です。喉の使い方がとても勉強になりました。
坂本 で、そのとき幾田さんに会うなり、いきなり聞いたのがーー。
幾田 どこでブレス(息継ぎ)しているの? ですよね(笑)。
坂本 そうなの。YOASOBIの歌は、どの歌を聴いてもどこでブレスしているのか本当にわからなくて。それがものすごく衝撃で。あらためて聞きますけど、本当にブレスしています?
幾田 はい。1曲ごとに、ボイストレーナーの先生と攻略法を考えて。ここでミニブレスを入れようとか、研究を重ねながら、聴いてくださる方に届くように歌っています。
坂本 ミニブレスというのは、鼻でスッとする感じの?
幾田 そうです。ちょこっとずつミニブレスを入れて、大きくブレスできる箇所でガーッと吸って、という感じです。
坂本 全然わからない。歌の途中で、息をするのを忘れたりとか、息が詰まって、うっとなったりすることはないの?
幾田 あります。ライブではけっこうあります(笑)。
坂本 そういうときは、どうするの?
幾田 瞬間“あ〜っ”となって、その次に“ごめんなさ〜い”と思いながら、何事もなかったように続けます(笑)。
坂本 その気持ち、よくわかります。わたしの場合は、歌詞の間違いですけどね。たまに、メロディまで飛んじゃうこともありますから。
幾田 えっ!? メロディが、ですか。
坂本 そう。あれ? なんか違うぞと思いながら、うまくごまかしますけど(苦笑)。
幾田 坂本さんでもそういうことがあるんですね。ちょっとホッとしました(笑)。
坂本 ありますよ。『紅白』でも2回歌詞を間違えています。あれだけ練習しているのに何をやっているんだろうと、自分で自分に腹が立ちますから。幾田さん、そういう経験は?
幾田 全然あります。飛ぶときは一気に2、3行飛んじゃうので、入れるところから入る感じで。最初はすごく動揺したんですけど、最近は、これはもう向き合うしかないことだからと思うようになりました。ライブは生モノなので、そういうこともある。それも含めてのライブなんだと、そう思うようにしています。
坂本 じゃあそういうことも含めて、幾田さんも楽しんでいるのね。よかった。おばちゃんとしてはひと安心です(笑)。
幾田 大先輩にそう言っていただけると、わたしも安心です(笑)。
坂本 とはいえ、つい最近までYOASOBIとしてアジアツアーをやっていて、6月はイギリスで、7月からは全国40公演の国内ホールツアーがあるんですよね。喉のケアはどうしているの?
幾田 わたしは声が出るまでに時間がかかるタイプなので、リハーサル前に1時間、声出しとストレッチをして、本番前も同じく1時間かけて、声出しとストレッチをしてからステージに立っています。
坂本 あら意外。わたしと違って、朝起きたらいきなりスーッと、あの声が出るのかと思っていました。
幾田 坂本さんも声が出るまで時間がかかるほうですか?
坂本 わたしの場合は、イメージどおりの声が出せるようになるまで、1時間じゃなくて2時間かかります(苦笑)。
幾田 わたしよりすごいです。
坂本 朝起きたらスーッと声が出る人が羨ましいなぁと思うけど、ないものはしょうがないので(苦笑)。気持ちと体をうまくコントロールしながら、地道にですね。
幾田 わたしの場合はもうひとつ、緊張とどう向き合うかという大きなテーマがあって。
坂本 そこもわたしと一緒だ。
幾田 そうなんですか?
坂本 いまだに、生放送は苦手中の苦手です。
幾田 わたしは、緊張すると自分がコントロールできなくなって、うまく声帯が動かなくなったり、声が裏返ってしまったりするので、それが大きな悩みでした。
坂本 世界中で大きなステージをいくつもこなしている今でも?
幾田 あるときから、本番前に瞑想をするようになって。5分とか10分なんですけど、思いをめぐらせたり、ボーッとしたりしながら、緊張をステージに立てることの喜びへとマインドチェンジさせるようにしています。
坂本 今こうしてみんなの前で歌えているわたしは、なんて幸せなんだろうと思うようにしている?
幾田 はい。よぉし、今日はみんなを驚かせるようなライブにするぞ! と気持ちをシフトチェンジできるようになってからは、緊張ともうまく向き合えるようになった気がします。
さかもとふゆみ
1967年3月30日生まれ 和歌山県出身 『祝い酒』『夜桜お七』『また君に恋してる』『ブッダのように私は死んだ』など幅広いジャンルの代表曲を持つ。最新シングル『浪花魂』が好評発売中
いくたりら
2000年9月25日生まれ 東京都出身 シンガー・ソングライター。幼少期から音楽活動をはじめ、2019年に音楽ユニットYOASOBIのボーカルikuraとしての活動もスタート。多数のドラマや映画、CM楽曲を手がけるなか、細田守監督の『竜とそばかすの姫』で声優を務めるなど、活動の幅を広げている
写真・福田ヨシツグ
スタイリスト・小泉美智子(坂本)
ヘアメイク・岡崎じゅん(坂本)
衣装協力・トップス&ジレ/ykF(エフ)(坂本)
スタイリスト・船橋翔大(DRAGON FRUIT・幾田)
ヘアメイク・YOUCA(VIXI・幾田)
取材&文・工藤 晋