エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

20年前からずっと意気投合!…GACKT、相川七瀬と一致した意見は 「ミュージシャンって、クソでカス(笑)」【超ロング対談】

エンタメ・アイドル
記事投稿日:2025.06.07 06:00 最終更新日:2025.06.07 07:33
出典元: 週刊FLASH 2025年6月17日号
著者: 『FLASH』編集部
20年前からずっと意気投合!…GACKT、相川七瀬と一致した意見は 「ミュージシャンって、クソでカス(笑)」【超ロング対談】

出会ったころから「兄妹」のような距離感だったGACKTと相川七瀬(写真・福田ヨシツグ)

 

 PUFFYの吉村由美を皮切りに、相川七瀬(50)を加えた超絶ユニットBOMBER GIRLS(寺田恵子、杏子、中村あゆみ)、そして横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智と続いた歌姫・相川の「BIG BANG対談」。

 

 第4回は、互いに「気持ち的にはほぼ兄妹」と言う盟友、GACKT(51)。出会ったころから同じ距離感という2人が語る、 “こだわり” と “ボーカリスト論” とは――。

 

相川七瀬(以下、相川) 初めて会ったときのことを覚えてる?

 

 

GACKT(以下、G) HYDEが紹介してくれたんじゃなかったっけ? ボクが29で、七瀬は――。

 

相川 私は27かな。

 

G 会った瞬間 、 “あっ、相川七瀬だ!” と(笑)。

 

相川 私も同じこと思った。 “あ! GACKTだ!!” って(笑)。

 

――お2人の距離感は、ずっと一緒ですか?

 

G 変わらないですね。出会ったときから今に至るまで、ずっと同じ距離感でいるというのはなかなかないんだけど、七瀬とはずっと同じ感じです。

 

相川 友達とか仲間というより、家族……兄妹という感覚に近い感じがする。

 

――そういう関係が、長く続く秘訣はなんでしょう?

 

G これは、ボクだけが感じていることかもしれないけど、この業界「今度、ご飯食べに行きましょう」と言っても、社交辞令で終わることが多い。でも、七瀬はそうじゃなくて「今度、ご飯食べに行こう」と言うと、即座に「いつにする!?」と言うから。

 

相川 確かに。で、その流れで「何、食べようか」という話になって。誘ったり誘われたり、けっこう一緒に遊んだ。

 

G 俳優の竹内力さんとご飯を食べることになったときも、七瀬に「行く?」と聞いたら「行くー!」と。七瀬は友達になったら壁を作らないし、フットワークが軽いんですよ。

 

■スノボにハマって「山を買いたい!」

 

相川 GACKTはね、とにかくストイック。いろんな人を見てきたけど、GACKTを超える人を見たことがない。何をやってもいつも本気だし、体を鍛えるとなったら、家にトレーニングルームを造っちゃう人だから。

 

G アハハハッ。

 

相川 興味を持ったら、それしか見えなくなる人はいるけど、GACKTの場合、それの極みで。しかも、その興味の対象がぶっ飛んでる(笑)。

 

G そんなことない。

 

相川 そうだよ! スノボにハマって「山を買いたい!」と言って実際に買ってみたり、釣りにハマって、家のプールで釣りの練習をし始めたり……私にしてみたら、有言実行するレベルの基準がバグってて、 “嘘でしょ!?” という感じです(笑)。

 

G 七瀬は七瀬で色の勉強を始めたり、突然大学に通いだしたりね。 “何それ?” という、ボクには興味のないことをやっているから、見ていて楽しいってところもあるよ。

 

相川 まったく違うからおもしろいよね! お互いの行動が(笑)。

 

G 七瀬はね、奔放で感情豊かなんですよ。大人になった部分もあるんだろうけど、それでも、本質的な部分はミュージシャンなんだよ。

 

相川 ミュージシャンはわがままだって言いたいのね(笑)。

 

G 直截(ちょくせつ)に言ってしまうと、ミュージシャンというのはクソでカスなんですよ。いわゆる社会にうまく適合できない人たちの枠組みの中で、自分勝手にいろんなことをやってきた人たちのことなんだよ。

 

相川 それは、まぁ、……そうかもしれないね(苦笑)。

 

G 自分勝手にやるということは当然、摩擦が起きる。その苦しさや葛藤を通り越してステージで表現するから、音楽にエッジがあったり、その人にしか表現できないものが生まれてくる。

 

相川 否定は……できないね。

 

G だろう!? だから、ロックというのはその人の生き方が反映されるもので、つまらない人間のロックは、やっぱりつまらない。

 

相川 そこは賛成(笑)。

 

G ライブに来るファンというのは、その人が歩んできた人生から発せられるエネルギーを感じたいし、受け取りたいんだよ。そういう意味で、七瀬は骨の髄までミュージシャンだなって思う。

 

相川 ひと言で言うと、クソでカス?(苦笑)

 

G そう。たまたま成功して、表面的に社会に適合しようとしたり、ごく真っ当な社会人の皮を被っているヤツもいるけど、音楽を始めたときは、みんな社会に適応できないクソでカスだから(笑)。

 

相川 じゃあ、GACKTもクソでカスってこと!?

 

G 当然(笑)。ずっと同じ距離感でいられる秘訣が何かって聞かれてもうまく答えられないけど、2人ともクソでカスっていうのが前提にあって、そのうえでお互い思ったことをストレートに言い合えるというのもそのひとつだし…七瀬はどこにでも来ちゃうというのもそのひとつかな。

 

相川 普通、ほかのミュージシャンのスタジオ作業を観ることってほとんどないんだけど、GACKTのスタジオ作業はよく観に行ってるね。

 

G 普通は、リハーサルなんて観ないんだけど、七瀬はリハーサルもよく観てるから。

 

相川 うん、観てる。

 

G 観んなよ。普通、観ないだろうが(笑)。

 

相川 GACKTが「来るか?」って言うからでしょう(笑)。リハーサルのスケジュールを律儀に送ってくるから、 “じゃあ行ったほうがいいのかな?” ってなるでしょう(笑)。

 

G でもさ、そういうときって、普通はライブを観るだろう? でも、七瀬はリハーサルを観たら満足しちゃって、「じゃあ、帰るね」と、本番を観ないで本当に帰っちゃうから。わがままというか奔放というか、ホント変わってる。

 

相川 あはは。あったね、そういうこと。

 

G あったね、じゃねぇよ。リハーサルを観た後、楽屋まで来て「あなたはこだわりすぎだから」とか言って。「まわりのスタッフは大変なんだからね」と、説教を始めたこともあったろう? “ほっといてくれ” と言いたいよ。

 

相川 それ、覚えてる。延々リハーサルをやっていたから、楽屋で「なんでそんなに長くリハーサルをするの?」って聞いたら、「ボクは必死なんだよ」と言いだして(笑)。

 

G だ・か・ら。いい!? わかってる? 笑いごとじゃないんだって(苦笑)。

 

――お互い、認め合っているというのはわかりましたが(笑)、音楽についてはどう思っていらっしゃるんですか?

 

相川 個人的には、GACKTのバラードがすごく好きです。3月に、Kくんと演ったバラードのライブを観せてもらったんですけど、とにかくもう切なくて。若いころから、感情を伝えることが上手なボーカリストだなあと思っていたけど、大人になったGACKTを大人になった私が観て、グッと心に沁(し)みるものがありました。

 

G 七瀬も、たまには褒めることがあるんだ?

 

相川 たまにはというのはよけいだけど(笑)、マジで思ったから。バラードのGACKTって、長いスパンでやっていける世界観だと思う。私は、そんなGACKTをずっと観ていたい。

 

G それを言うなら、ボクも七瀬のバラードを聴いてみたいね。どれくらい歌えるのか、そこはすごく興味がある。

 

相川 GACKTが知っている相川七瀬は、ロックをやっている相川七瀬だからね。

 

G 20代のころは勢いもあるし、棘(とげ)もあるし、譲れないところも、今よりはるかにいっぱいあって……。それが、ロックの世界に反映されるところでもあるんだけど。そこの部分が、消えることはないんだけど――。

 

相川 人生のキツい思いも、痛い思いも、苦しい思いもいっぱい経験して、少しは大人になっているけどね(苦笑)。

 

G そういう七瀬だからこそ、バラードで届けられるものがあるし、今の等身大の七瀬が過去を振り返ったときに、 “あのときこうすればよかった” とか “ああすればよかった” というのを歌ったらどうなるのか、すごく興味がある。

 

相川 GACKTの音楽って、すごくキチキチしているんですよ。

 

G オマエ、それ褒めてないだろう?

 

相川 褒めてる! なんだったら、リスペクトしてる。

 

G やっぱり、こいつバカにしてるよ(笑)。

 

■相川とGACKTがコラボする可能性は?

 

相川 違うって。ちょっと聞いて。GACKTは人にも厳しいけど、その何倍も自分に厳しくて。自分で自分を攻撃し始めるんですよ。

 

G 追い込んでるだけ。

 

相川 GACKTのそういう葛藤がライブを観ていてわかるから、常に高いところを目指しているのがわかるから、そういう部分をとてもリスペクトしています。

 

G ふ〜ん。七瀬はそんな感じで観ているんだ。なるほど。

 

相川 どうやって人に思いを届けるかというところを、諦めないで戦っていく。小さな世界に閉じこもらないでチャレンジすることを、GACKTからいつも教えてもらっている感じがするんだよね。

 

――音楽に対する思いはデビューからずっと一緒ですか?

 

G 一緒では……ないな。持っている信念は、根っこの部分は変わらなくても、そのときそのときの出来事によって変わっていくものだし。ずっと変わらないというのは、見方を変えると成長していないことにもなるので、受けた影響によって変わってきていると思う。七瀬もそう思わない?

 

相川 思う。GACKTに聞きたいことがあるんだけど……。

 

G なんだよ?

 

相川 昨年7月に、バースデーライブ『GACKT ー大魔王生誕祭2024ー』をやったじゃん。あれを観ていて、次にロックのGACKTを表現する大きなツアーをやったら、それを最後にするんじゃないかと、ふとそう思っちゃったんだよね。

 

G それはない。一度、体を壊してもう無理かなと諦めかけたときに、もしもう一度ステージに立てるようになったら、 “死ぬまで歌い続けよう” と決めたから。資格がある限り歌い続けるよ。

 

相川 資格?

 

G ステージに上がるときって、自分が出せるものはすべて出して帰ろうと思っているからトレーニングもしているし。それができずに、ぬるいスタイルになるようなら、それは資格がないということで。自分のために歌うボーカリストにはなりたくないし、そんな自分は許せない。

 

相川 GACKTは、いつもそう思ってステージに立ってるよね。

 

G 今は、声が出る限りやり続けようという気持ちと、自分に資格を問うバランスの間で常に戦っている感じかな。

 

相川 よかった。GACKTからその言葉が聞けただけで、今日はよく眠れそう(笑)。

 

G これが最後になってもいいという覚悟はいつも持っているけど、これで最後にしようとは思っていないから。じゃなかったら、全部出し切ろうなんて思えない。

 

――お2人が今後コラボをするとか、ユニットを組むという可能性はありますか?

 

G それはない。絶対にない。

 

相川 待って。それは私の台詞でしょう?

 

G こんなわがままなヤツと組むなんてことは、天地が逆さまになってもないから(笑)。

 

相川 今の言葉、そっくりそのままお返しします(笑)。

 

――可能性は1%もない?

 

G いやいや(苦笑)。だって、考えてもみてよ。リハーサルで「GACKTは細かすぎる」とか言われるわけでしょう!? それはアウトでしょう。絶対に言うから、七瀬は。

 

相川 GACKTこそ「お前、今の音、半音ズレてるぞ」とか言いそう(笑)。

 

G 七瀬がボクのペースに合わせるのは無理だし、ボクも七瀬のペースには合わせたくないから、絶対に(笑)。

 

相川 なんたって、不適合者2人だからね(笑)。

 

G そうそう。お互い、それぞれの道を行ったほうがハッピーだから。

 

相川 うん。そういうことだね(笑)。

 

あいかわななせ

1975年2月16日生まれ 大阪府出身 1995年シングル『夢見る少女じゃいられない』でデビュー。その後もヒット曲を数多く世に送り出し、現在までのCDのトータル売り上げは1200万枚を超える。2020年に國學院大學神道文化学部を受験し合格。卒業後、同大の大学院に進む。昨年11月、ミニアルバム『SPARKLE』をリリース

 

がくと

1973年7月4日生まれ 沖縄県出身 バンド活動を経て、1999年にソロデビュー。ミュージシャンの枠を飛び越え、 “表現者” として活躍。2007年のNHK大河ドラマ『風林火山』で上杉謙信役を演じ、2019年に公開された映画『翔んで埼玉』、2023年に公開された続編『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』で、二階堂ふみとW主演を務めるなど、幅広く活躍

 

写真・福田ヨシツグ
スタイリスト・ロッキー(Rockey、GACKT)
ヘアメイク・タナベコウタ(GACKT)
ヘアメイク・久保フユミ(相川)
衣装・(株)アンティローザ(相川)
取材&文・工藤晋

続きを見る
12

今、あなたにおすすめの記事

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る