阿川佐和子が語った大学時代の家出「父に怒られ裸足のままで」

　作家の阿川佐和子が、2月16日放送の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』（TBS系）に出演した。番組では、作家だった父・阿川弘之のエピソードを語っていた。

　阿川の、気難しい父の説教ネタはすっかり御馴染みのネタであるが、番組では、唯一父に反抗したエピソードを紹介していた。

　きっかけは当時大学生だった阿川が、ある晩、翌日の試験を理由に晩酌相手を断ったこと。父親は一瞬、不機嫌そうな顔を見せたが、おとなしく野球中継を見ていたという。

　しかし、ここでタイミング悪く友人が電話してきてしまう。阿川はこう振り返る。

「自分（父）の食事の世話もせずに、2階に行きました。で、ナイターを見ていて電話に出たら、娘の友達からでしたと。もうこれ（怒る）条件が揃いました」

　父は1階から電話口にも聞こえる大声で「おーい、佐和子！　吉田っていうバカから電話だー！」と絶叫。これに対して「そんな言い方しなくても」と文句を言った阿川。電話を終えると「後ろに赤鬼が待っている」状態だったという。

「『なんだいまの言い草は？』と小突かれて。靴を履く暇もなく『出て行けー！』って言われて。鍵を閉められて。（明日）試験なのに、こんなことしてる場合じゃない」

「自分には非がない」と感じた阿川は、裸足のまま人生で初となる家出を決行。

　電車を乗り継ぎ友人宅に向かったが、すぐに父から「佐和子、いますぐ帰ってこい！　帰ってこないなら野垂れ死ね！　一刻も早くそのお宅を出ろ！」との電話がかかってきたという。

　恐る恐る阿川が帰宅すると、意外にも父は怒鳴らない。代わりに翌日から始まったのが「無視作戦」で、話しかけても一切応じず、透明人間のような扱いだったという。結局、3日たって根負けした阿川が父に謝罪し、ようやく事態は収まった。

　著書で「お父ちゃんがいかに滅茶苦茶な人であったか。周囲がどれだけひどい目に遭わされてたか」と記している阿川。偉大な作家の家族はいつも大変なのだ。