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元スポーツキャスター朝岡聡、現在は「コンサートソムリエ」として活躍…原点は『ニュースステーション』の “現場主義”

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記事投稿日:2025.08.05 06:00 最終更新日:2025.08.05 07:32
出典元: 週刊FLASH 2025年8月12日号
著者: 『FLASH』編集部
元スポーツキャスター朝岡聡、現在は「コンサートソムリエ」として活躍…原点は『ニュースステーション』の “現場主義”

朝岡聡。オペラの司会を務めるハクジュホール(東京都渋谷区)にて

 

 参院選ではフェイクニュースが飛び交い、SNSが世論を揺さぶった。そんな今、テレビでニュース報道を支えた人気キャスターが「現場」から語る。「バズる」よりも大切なのは、カメラの向こうに「伝える」矜持なのだ!

 

「時代を作った報道番組でしたよね。『夜10時にニュースを観る』という習慣を定着させた意味でも、大きな役割を果たしたと思います」

 

 朝岡聡(65)は、テレビ朝日入社4年めに始まった『ニュースステーション』(1985~1987年ほか出演)の初代スポーツキャスターだった。

 

 

「当時はプロ野球中継が全盛でしたが、22時前には終わってしまいます。ファンは結果を知りたがっていました。そこで、番組冒頭で速報を流し、どこよりも早く結果を伝えたんです。

 

 優勝が決まったあとのビールかけにはただ行ってもつまらないと、タキシードや紋付袴でずぶ濡れになるなんてことを始めたのは私です(笑)。視聴者を楽しませたいという思いからでした」

 

 メイン司会の久米宏のスタジオまわしは「ある意味、天才的だった」と語る。

 

「たとえるなら、老舗の板長が料理をする手元を、間近で見ているような感覚。仕事の場であり、学びの場でもありました。予算があり、四季折々の中継や長期ロケもできました。今では考えられない贅沢な作りです」

 

 現在はクラシックやオペラの公演の司会を多く務める。スポーツ畑からの転身に見えるが、中高はブラスバンド部で、小学生のころからリコーダーを続けてきた。

 

「35歳でフリーになって、40歳でレギュラーがゼロになったとき、自分の好きなものを見つめ直したんです。そのとき “現場に行かなきゃダメだ” と思わせてくれたのが『ニュースステーション』での経験でした。

 

 毎月ヨーロッパに足を運んでオペラを鑑賞し、名所旧跡を巡りました。そうして得た知識や感動が、クラシック音楽の中身や背景を伝える『コンサートソムリエ』という今の仕事につながっています。 “中学生にもわかるニュース” という、あの番組の理念が今も生きているんですよ」

 

 芸術の世界に身を置く今、年齢を重ねることにポジティブな意味を見出している。

 

「観たり聴いたりの “在庫” がどんどん増えていって、それが全部、自分のしゃべりや仕事に生きています。自分にしかできない仕事が増えていくのは楽しいですよ。一人くらい、こういうアナウンサーがいてもいいでしょう(笑)」

 

朝岡 聡
1982年、テレビ朝日入社。1995年退社。8月2日、「なちゅら音楽祭」(長野県飯山市)でオペラ『蝶々夫人』の台本、ナレーションを担当。著書に『イタリア 麗しの庭園と館をめぐる旅』(産業編集センター)ほか

 

写真・木村哲夫

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