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『あんぱん』ついに“ヒーロー”登場、クライマックスに向け“失速”取り戻すタイトル回収に視聴者大興奮

『あんぱん』で主演を務める今田美桜
今田美桜がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』第105話が8月22日に放送され、ついに初期の「アンパンマン」が登場。SNS上で「展開が雑になった」など、不満が噴出していたドラマに、久しぶりに喜びの声があがった。
国民的アニメ『それいけ!アンパンマン』の原作者・やなせたかし氏と、妻の暢(のぶ)さんをモデルに、幼なじみの2人が夫婦として困難を乗り越えていく姿を描く本作。最終回まで残り5週と、クライマックスに差しかかっている。
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「放送では、のぶ(今田美桜)と別居生活が続く嵩(北村匠海)が、久しぶりに漫画を描こうと紙を取り出すシーンが描かれました。
鉛筆を動かす嵩が描いたのは、お腹を減らした人たちにあんぱんを配ってまわる小太りのおじさん。少年時代、風来坊のパン職人・屋村草吉(阿部サダヲ)から、あんぱんをもらった記憶を思い出したことがきっかけでした」(芸能ジャーナリスト、以下同)
アンパンマンの登場を長く待ち望んでいたXユーザーは当然、わいた。
《あんぱんも残り5週か ようやくアンパンマンが出てきた》
《やっとアンパンマン生まれた!!!》
《待ってました!! やっとキターー》
など、大興奮の声が。アンパンマン誕生のきっかけが、子供時代に“あんぱん”をもらった原体験であることが判明した点も評価され、
《来た!タイトル回収!》
《タイトル回収 キターー》
といった投稿も見られた。視聴者がここまで喜んだ理由について、テレビ誌ライターはこう語る。
「最近の朝ドラは、橋本環奈主演の『おむすび』や黒島結菜主演の『ちむどんどん』など、ストーリーの破綻や“ご都合主義”が目立ち、酷評続きでした。そんななか始まった『あんぱん』は出だしから珍しく“神回”連発で、ネットの評価も上々だったのです。
しかし、のぶと嵩に感情移入していた視聴者が多いなか、中盤から雲行きが怪しくなっていき、不満が見られるようになっていきました」
たとえば、のぶよりも妹たちの蘭子(河合優実)やメイコ(原菜乃華)の描写に時間を割く場面が目立つようになるばかりか、8月7日の94話では物語が一気に5年も進むなど、いわゆる“ワープ展開”が出てくるようになった。
「年月を経ても登場人物のビジュアルがほとんど変わらないことにも違和感を指摘する声があがり、徐々に視聴者の物語への没入感も少なくなっていった印象がありました」(同前)
この後半からの“失速感”の背景にあるものを、芸能記者はこう語る。
「ドラマは『アンパンマン』の生みの親、やなせたかしさんと妻の暢さんをモデルとしていますが、実際の2人は高知新聞社の同僚として出会っています。
これを今回、大胆に“幼なじみ”設定に変更したのは成功でしたが、それだけに史実との整合性を取るのが難しくなった点があります。とくに、のぶの少女時代はほとんど分かっていないため、フィクション部分が膨らんでいます」
脚本家の中園ミホは8月22日、各メディアの取材に答える形で、最終回について「100通りぐらいの終わり方を考えていた」と明かしているが、肝心なクライマックスにかけて、やっと登場したヒーロー「アンパンマン」に、読者も溜飲を下げたということだろう。
同じく22日、クランクアップを迎えたことが分かった『あんばん』。ラストまで残り5週。視聴者が感動するようなゴールテープを切れるか。