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「祖父の人格毀損する描き方」NHK“戦争ドラマ”に遺族が異議申し立て『おむすび』『あんぱん』でも指摘された「時代考証」不足

記者会見を開く飯村豊氏。フランス大使などを歴任した(写真・共同通信)
8月16〜17日にNHKが放送したドラマ『シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜』の内容をめぐり、遺族が放送倫理・番組向上機構(BPO)へ申し立てをおこなう意向であることが明らかになった。
「抗議しているのは、元外交官の飯村豊氏です。飯村さんの祖父は陸軍中将の飯村穣であり、戦時中に『総力戦研究所』の所長を務めていました。飯村中将は明るい性格で、研究所内で自由にものを言える空気を作り出した人物と伝えられていますが、ドラマ内では、結論に対して圧力をかける“悪役”として描かれていました。豊氏は記者会見で『祖父の人格を毀損するような描き方をされた』と訴えています」(スポーツ紙記者)
これを受け、XではNHKの体質を批判する声が相次いでいる。
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《そもそも今のNHKは歴史をきちんと考証したドラマ作ってないからな…》
《時代考証とか戦争考証とかいっぱいスタッフおるのにひどいな…史実を伝えるドラマで…》
こうした声が寄せられる理由を、ドラマ制作に携わる制作会社プロデューサーが解説する。
「時代考証は、史実を扱うドラマでは必須の要素です。小道具ひとつとっても、実際にその時代に使われていたのかが検証されます。時代考証がしっかりとしていなければ、熱心な視聴者から指摘が入るのはもちろん、ドラマそのものの価値が落ちてしまいます。戦争というセンシティブなテーマであれば、なおさらです」
NHKは今回の番組以外にも、時代考証をめぐって批判を受けている。2024年に放送された橋本環奈主演の連続テレビ小説『おむすび』では、平成時代のギャルカルチャーを取り上げたものの、そのファッションなどに関してツッコミが相次いだ。現在、放送中の今田美桜主演の『あんぱん』に関しても同様だ。
「『あんぱん』ではこれまでに『その時代に存在しない鉄道車両が使われている』『ライカのカメラの使用法が間違っている』といった指摘が出ています。時代考証がおざなりになる背景には、予算不足はもちろんのこと、番組制作に対するスタッフの熱意が不足しているのでは、という意見も出ています」(同前)
2025年は、戦後80年の節目にあたる。ドラマであっても、歴史は正しく解釈されるべきだろう。