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池松壮亮主演、NHK“戦争ドラマ”BPO申し立て危機…撮影中は出演者が鼓膜損傷、「映画化構想」に垂れ込める暗雲

ドラマ『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』で主演を務めた池松壮亮
8月26日、NHKが戦後80年に関連して制作したドラマに関して、登場人物のモデルとなった軍人の遺族が放送倫理・番組向上機構(BPO)に申し立てをおこなう意向を明かした。この“戦争ドラマ”をめぐっては、トラブルが続いているようだ。
問題となったのは、8月16日と17日に放送されたドラマ『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』。猪瀬直樹氏のロングセラー『昭和16年夏の敗戦』(世界文化社)を原案に、池松壮亮演じる、総力戦研究所の研究員を主人公に描いた物語だったが……。
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「元外交官の飯村豊氏が26日、記者会見を開き、ドラマの内容に抗議しました。豊氏の祖父は、陸軍中将の飯村穣で、戦時中に『総力戦研究所』の所長を務めており、史実では、研究所で自由にものを言える空気を作った、明るい性格の人物とされています。しかし、ドラマで國村隼さんが演じた所長は、責任逃れな性格で、部下を圧迫するような人間として描かれていました。豊氏は記者会見を開き、事実に反する卑劣な人物に描かれたとして、BPOに申し立てをする意向を明らかにしました」(スポーツ紙記者)
ドラマの公式ウェブサイトには、《総力戦研究所の所長及び関係者はフィクションとして描かれています》と記載されている。しかし、Xでは
《ドラマだからと言い訳しているみたいだが、実在した機関を舞台にわざわざ事実と反するシナリオにした理由を説明すべき》
《これは酷い 歴史認識って大事だしNHKは印象操作するな》
《これ、観たが、なぜ史実通りに描かなかったのかがわからない》
《面白いおかしくしたいのなら実在する人やドキュメントに最初からするなよ》
など、人物の描き方をめぐって厳しい声があがっている。放送後、思わぬ波紋を呼ぶことになったが、ドラマの撮影中にもトラブルを起こしていた。
「4月にNHKは、『シミュレーション』の撮影現場で事故が起きていたことを発表しました。それによれば、戦場シーンで準備していた、音と煙を出すための火薬を使った装置が誤って作動し、アクション専門の出演者5人が耳鳴りなどの症状を訴えて病院で診察を受け、うち1人が左耳の鼓膜の一部を損傷するけがをしたとのことです。このときも、撮影現場での安全性が疑われ、SNSで物議を醸しました。今回、内容にも厳しい目が向けられ、“二重苦”になってしまったといえます」(芸能記者)
ドラマには、主演の池松を筆頭に、仲野太賀や岩田剛典、二階堂ふみ、松田龍平、奥田瑛二ら豪華な俳優陣がそろっていた。しかし、BPO申し立ての可能性が浮上し、“今後”に暗雲が垂れ込めている。
「豊氏は会見で、制作スタッフから映画化の構想があることを聞いていたと明かしました。放送後のSNSでは、池松さんらの演技を評価する声も多かったため、映画化すれば、反響も大きかったと思われます。しかし、肝心の脚本が遺族から抗議を受けたことで、映画化の話も暗礁に乗り上げかねません」(同前)
制作陣の“シミュレーション”が足りなかったのか。