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お笑い賞レースこうやって盛り上げる「前説の極意」(2)

エンタメ・アイドル 投稿日:2018.05.18 16:00FLASH編集部

お笑い賞レースこうやって盛り上げる「前説の極意」(2)

左からくまだ、松本、西川

 

ーー2017年、ダウンタウン・松本人志が『ワイドナショー』で話題にしたように、お笑い賞レースの盛り上がりは、前説の影響が大きい。『M-1グランプリ』『THE W』の前説をした、くまだまさしとレギュラーがスベり知らずの極意を語る。

 

【極意】前説経験から芸に磨きをかけるべし

 

ーーレギュラーは駆け出しの時代に、前説経験を生かして、現在のキャラクターを作り上げてきたという。

 

レギュラー松本康太(以下松本)「若手時代にNGK(なんばグランド花月)や関西の番組で前説の仕事をやらせてもらっていました。ギャラは3000円くらいだったかな。そのころは、1回舞台に立って500円くらいなんで、前説の仕事が入ったら嬉しかったですね」

 

レギュラー西川晃啓(以下西川)「それに、お弁当ももらえるんです。2、3個持ち帰って冷凍していました」

 

松本「前説で憧れていたのはビッキーズ(2007年解散)。いまは新喜劇のすち子でお馴染みのすっちーさんですね。声に張りがあってテンションが高くて、ほかの芸人よりも圧倒的に明るい。だから、僕らはボケにキレがなくても、せめて元気よく笑顔でやろうと。そういう前説のエッセンスがレギュラーのキャラになったのかもしれません」

 

西川「オモロいかは置いといて、『見ていて楽しいね』と師匠方に言われます(笑)」 

 

松本「くまださんは、前説からネタが出来たことはあります?」 

 

くまだまさし(以下くまだ)「昔、テレビの収録で前説をやらせてもらったときに、当初15分の前説だったはずが、1時間引き延ばしてほしいと言われたことがあったんですよ」 

 

松本「ネタが尽きますよね」

 

くまだ「やることがなくなったときに、鼻で膨らませた風船をお客様にプレゼントしたら、笑いと悲鳴が起こった。そこから、お約束の “いらないものをプレゼントするネタ” が生まれました。いまでは、海外でも大ウケの鉄板。ピンチを乗り越えるとチャンスがあるもんです」

 

西川「ピンチといえば、若手のころに前説で番組名を間違えて、幕の裏からオール巨人師匠に小突かれて怒られたり、劇場の中説があるのを知らんと、僕だけ先に帰って松本くん一人を舞台に立たせたり……」 

 

松本「そのときは、『西川くん、どこ行ったんやろ』とか言いながら、時間を繫いでいましたね。かなり鍛えられましたよ」

 

【極意】放送されなくても職人芸を見せるべし

 

ーーキャリアを積んだ彼らが、それでも前説に情熱を注ぐ理由を最後に聞いた。

 

松本「仕事がないからやっているわけではなくて、メディア出演や営業と並んで、前説という立派な仕事として受けています」 

 

くまだ「僕は吉本興業105年の歴史でいちばん営業をしてきた芸人。僕よりも盛り上げられる男はいないと思うんですよ。テレビに映らなくても賞レースの前説を受けるのは、大会の緊張感を一緒に味わえて、芸人としての喜びが感じられるからです」

 

にしかわあきひろ 
38歳 1979年8月11日生まれ 京都府出身 気絶ネタをする。鉄板ネタは「あるある探検隊」。最新情報は公式ツイッター(@regu_nisikawa)にて

 

まつもとこうた 
38歳 1979年5月16日生まれ 京都府出身 1998年にコンビ結成。最新情報は公式インスタグラム(@aruarutankentai.matsumoto)にて

 

くまだまさし 
44歳 1973年7月26日生まれ 東京都出身 芸歴21年。スベったことは、5回しかないと豪語するピン芸人。最新情報は公式ツイッター(@kumadamasashi)にて

 

(FLASH DIAMOND 2018年4月15日増刊号)

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