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『家、ついて行ってイイですか?』ロケを追跡してみたら 

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.07.18 16:00 最終更新日:2018.07.18 16:00

『家、ついて行ってイイですか?』ロケを追跡してみたら 

 

 ある初夏の週末23時、茨城県の土浦駅。ハンディカメラを片手に、玉川晃(37)が周囲に目を配っていた。玉川は『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系・水曜21時〜)のディレクターだ。

 

 番組が毎週濃密なエピソードを届けられるのは、70人ものディレクター(以下、D)たちの取材の成果だ。

 

 

「毎日12〜13班が駅や繁華街でロケをおこなっています。土浦は遠く、ほかのスタッフはまず来ないし、キャラが濃い人が多いんです」(玉川D)

 

 本誌は、番組D70人全員にアンケートを実施し、69人から回答を得た。「“このDには勝てない”のは誰か」との設問に、最多の12名から名前が挙がったのが、玉川Dなのだ。

 

 

 23時過ぎ、玉川Dが駅から離れた。ネオン街のところどころに酔客はいるが、玉川Dは声をかけようとしない。

 

「酔っ払っていて楽しそうにしている人を探しています」  

 

 23時40分、路上で騒いでいる若者たちに、「テレビ東京と申しますが……」と最初の声がけ。番組名を聞くや否や「知ってる! 私の家についてきて!」と自宅に確認の電話を入れる女性。まさかの一発OK!?

 

「親がダメだって」
 女性は残念そうに首を横に振った。

 

「ついて行く前でまだよかった。以前お邪魔したご年配は、トイレから出てくると僕を見つめて『誰ですか?』って。ご主人について行くと奥さんにマジギレされたり、酔いが覚めた翌日、『放送しないで』と言われたり……。“Dあるある”です」  

 

 0時10分、駅付近の階段でたむろしているヤンキー風の集団が。年齢を尋ねると「じゅ……20歳!」。それを聞いた玉川Dは礼を言い、その場を離れた。  

 

 その後も、カメラを向ければ盛り上がるが、家へ行くのはかなりハードルが高い。玉川Dでも、成功率は「10人に1人程度」。口数は徐々に減り、ネオン街を行ったり来たり。本誌記者の歩数計は8キロを超えた。  

 

 客引きの姿もネオンも消え、諦めかけたそのとき、女性の嬌声が響いた。一軒のパブからセクシーなお姉さんたちが出てくる。その後ろを客たちがふらつきながら降りてきた。玉川Dが、静かに近づく。

 

「家、ついて行ってイイですか?」

 

 歓声が上がった。客の一人、浜田裕一さん(49)が快諾したのだ。この夜、13回めのアプローチが見事に決まった。

 

 タクシーは和風の豪邸へ。取材中、ADと本誌記者は玄関で待機する。奥から玉川Dと浜田さんの会話がかすかに聞こえてきた。

 

「娘さんが活躍して、嬉しいでしょうね」

「海外遠征にも同行したよ」  

 

 パブから楽しそうに出てきた浜田さんは、いつの間にか子煩悩な父親になっている。  

 

 4時、取材終了。外はもう明るい。この後、玉川Dには映像の編集作業が待っている。ここまできても、オンエア率は2、3割だ。Dたちの競争は続く。

 

(週刊FLASH 2018年6月26日号)

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