●写真・文/インタビューマン山下
1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも、2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー
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【ヒット夜明け前】キングオブコント「ハナコ」優勝ネタの内緒話
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.10.06 06:00 最終更新日:2018.10.08 14:27
コント日本一を決める「キングオブコント2018」で優勝したハナコ。彼らは1本目のネタを終えた段階では3位だったが、2本目のネタがヒットし、見事な逆転優勝を飾った。
この2本目のコントは、学生カップルが浜辺で追いかけっこを始めるが、なかなか女の子が捕まらないというコント。このネタについて、ダウンタウンの松本人志さんは「新しい時代を感じ、我々の感覚とは違ってきている」と番組で話していた。
実は、この新感覚なネタがヒットするまでに、意外な秘話があった。そもそも、このネタは、去年10月の単独ライブのために作ったネタである。
普通、ネタ作りはコンビで作ったり、そこに作家が入って一緒に作る。もしくはコンビの一人が全部作るのが大半だ。
しかし、今回の2本目のネタは、メンバーの秋山寛貴さんと岡部大さんの2人に加え、同期の別のコンビ「キサラギ」の富樫啓郎さんと3人で、たまたまお茶をしていたときに出たアイデアだという。
実際はどうだったかというと、お互いが「こんなのどうかな?」と「ネタの種」(設定)を出し合い、お互いがその設定を膨らませていくのだそう。
驚いたのは、今回優勝するきっかけとなった2本目のネタの種は、もともとはキサラギの富樫さんが出したものだと岡部さんは語る。
「富樫が『カップルが追いかけっこして……俺が彼氏役で、彼女が追いかけても彼氏が全然捕まらないというネタはどう?』って言ったんです。僕はそれを聞いたとき、この設定はトリオの僕らがやった方が絶対面白いなと思ったんです。
そのとき、とっさに、この設定は膨らませちゃだめだと思って急に黙り込んだんですよ(笑)。もう、頭の中では、女子が逃げた方が面白いとか、追いかけっこしてたら3人目にわけわからない奴が出てきたりとか、今の形ぐらいまでバーってできたんです。
それで、これは絶対自分たちでやりたいと思ったんで、そのときは『ん~』ってごまかして、富樫も『その先がわかんないんだよね』って感じで終わったんです。
その夜、LINEで富樫に『今日いってたネタなんだけど、俺たちの今度の単独ライブの最後のネタでやらせてくれないか?』って送ったら、『そんなの今までお前が言ったことないから……じゃあ、あげるよ』って、こころよく言ってくれました」
岡部さんは、このネタはキングオブコント以外でもやったと話す。
「今年の2月に行われた事務所内で争われる『ワタナベお笑いNo.1決定戦2018』でもこのネタをやって優勝し、300万円もらいました」
つまり、このネタでキングオブコントの賞金と合わせて1300万円獲得したことになるのだ。
原作の著作権争いでも起きないかと心配だが、事務所ライブでの優勝を見た富樫さんからは、「今度、キャバクラでもおごってよ」と言われたそう。
「富樫のブログでは『あのネタは、俺の手から離れた瞬間に、もうあいつらのネタだ』って書いていたんで、きっと訴えてこないでしょう(笑)」(岡部さん)
お笑いのネタというのは、原案も原作も著作権もない世界。しかし、お笑い界は義理と人情で成り立っているところもある。1300万獲得したハナコの3人が、キサラギの富樫さんに何をしてあげるのかは気になるところだ。
それにしても、ハナコの「ヒット夜明け前」に、まさか4人目がいたとは驚きだ。