「心霊写真を作るうえで重要なのは、“自然な合成” と “エピソード” です。素材は、ネット上の適当な写真を拾って、誰だかわからないように加工して使うこともありますが、弊社の場合は、心霊の役となるおばあさんを連れてきて、貸しスタジオで撮影することが多いですね」
なんと、心霊の役は完全な素人。町中で「心霊モデルしませんか?」と声をかけるという。定番のスカウトスポットは、巣鴨や地域の公民館。拘束時間はだいたい1時間で、ギャラは1万2000円だ。
「やはり、心霊に向いているのは年配の女性ですね。老人の独特のシワや輪郭は、フォトショップ(画像加工ソフト)では作れません。自然な素材を生かしたほうが、いいものができるんです(笑)。
友人を紹介してもらうことも多いですが、『自分は心霊を演じた』と外部に漏らされないよう、NDA(秘密保持契約)もちゃんと結んでいます」
こうして撮影した素材が、数千枚はストックされているという。写真は、会社のPCでさらに加工する。
「まず、女性を切り抜いて、合成させたい写真に配置します。あとは、全体的なバランスを調整しながら、色味を変えていきます」
エピソード作りにもノウハウがある。
「心霊エピソードには、実際に、その場所で事故や犯罪があったパターンと、ゼロから創作するパターンがあります。撮影部隊がアドリブで話しているセリフに合わせて、ナレーション原稿を作ることもあります。ホラー映画の設定をパクって、アレンジして使用することも多いですが、やはり現実のエピソードには敵いませんよ」