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アニソンの帝王・水木一郎「ゼーット」を語尾につけた理由

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.11.22 16:00 最終更新日:2018.11.22 16:48

 

アニソンの帝王・水木一郎「ゼーット」を語尾につけた理由

1976年、向ヶ丘遊園でのイベント

 しかし、「アニソン歌手・水木一郎」の名が世に知れ渡るには時間がかかった。

 

「歌謡曲でデビューしたときは、歌番組にも出たし、大きなステージにも立たせてもらった。

 

 ところが、アニソン歌手になった当初は、みかん箱の上で拡声器を持って歌わされたりすることもしばしば。どんなにレコードが売れても、僕より売り上げの少ない歌謡曲歌手のほうがちやほやされる。同じ歌手としては悔しかった。

 

 それでも誇りを持って歌い続けることができたのは、観に来てくれた子供たちの目がいつも輝いていたからです」

 

 いつしか持ち歌は1000曲を超え、1999年には前人未到の「24時間1000曲ライブ」の偉業を達成。いまや水木の知名度は国境を超え、海外のイベントに呼ばれることも多い。

 

「世界中どこもすごいけど、初めて行った香港で、日本語で大合唱になる光景を目のあたりにしたときは衝撃を受けました。

 

 たまたま入った飲食店で、お茶を注ぎに来た男性店員が、僕を見て『仮面ライダー!』って広東語で叫んだのにも驚いたね」

 

アニソンの帝王」となった水木は、いまや「ゼーット!」の決めゼリフとつねになびいている赤いマフラーで、タレントとしても引っ張りだこだ。

 

「バライティに出始めたころは、『超人バロム・1』の『ブロロロロー』や『ズババババーン』を多用していました。求められるままに、ブロロロローって返したりして。

 

 でも、これだとまともに会話にならない(笑)。そのうち語尾が『ゼーット!』になるようになって、これは使えるぞ、と気がつきましたね」

 

 ちなみに、水木は「ゼーット!」を “飛ばす” と表現する。水木は叫ぶ前に、宙にZの字を描き、指を突き出すと同時に、画面の向こうの視聴者へと飛ばしているという。

 

「みんなが幸せになるようにというメッセージをこめているんです。『Z』を描きながら、声も空気を伝わっていくように飛ばしています」

 

 2018年で歌手業50周年、70歳の水木に今後の野望を聞いた。

 

「大好きなトニー・ベネットというアメリカの歌手が、2018年92歳で全曲新録のアルバムを出したんです。彼に追いつけ追い越せで、最高齢現役歌手を目指したいですね。

 

 あと、宇宙でライブが夢なんです。宇宙船で『キャプテンハーロック』なんて最高でしょ。アニソンには言葉の壁を越えてハートで通じる何かがある。きっと、宇宙人にも届くと思うんですよ」


みずきいちろう
1948年1月7日生まれ 東京都出身 1968年に『君にささげる僕の歌』でレコードデビュー。『マジンガーZ』をはじめ、アニソンの持ち歌は1200曲を超える

 

※デビュー曲や歌謡曲時代の未発表曲を収録したアルバム『JUST MY LIFE』が発売中
※2019年1月5日、6日に『水木一郎 バースデー ライブ2019』が開催決定。詳細は公式サイトにて

 

(週刊FLASH 2018年11月13日号

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