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チョコの包装だけで6000個「捨てない男」が映画撮影にも貢献

エンタメ・アイドル 投稿日:2018.11.26 06:00FLASH編集部

チョコの包装だけで6000個「捨てない男」が映画撮影にも貢献

 

 サラリーマンの世界に見切りをつけ、趣味の世界を極める。そんな「夢のような生活」を実践している、元警察官で庶民文化研究家町田忍さんを訪ねた。

 

 即席ラーメン、納豆、蚊取り線香などのパッケージ。さらに飲料缶、銭湯グッズなどなど……。町田さんが集めたモノのジャンルは150を超える。小学4年生のころから集め始めたチョコレートのパッケージだけで、なんと6000個以上。

 

 

「子供のころ、チョコレートは特別なときにしか買ってもらえない高級品で、パッケージを捨てるのも、もったいなかった。そうやっていろんなものを集め始めたのが、原点ですね」

 

 高度経済成長期に次々と登場した新商品が、すべて町田さんの興味の対象となった。自宅には「庶民文化研究所」の表札がある。

 

「僕が集めているものに、値段はつけられません。日常で使われる消耗品ばかりで、欲しい人がいないから(笑)。これらの消耗品はほとんど記録されることもなく、いつのまにか姿を消してしまいます。

 

 しかし我々の生活は、そんな取るに足らないものの中で営まれています。こうしたものを集めて記録することは、日本の庶民文化を知るヒントになるんじゃないかと思います」

 

 町田さんが大学を卒業して入ったのは、警視庁だった。警察官として殉職した父親の関係で入庁。東京・飯田橋の交番に勤務し、警視総監賞や署長賞も受賞している。

 

 警察を1年半で辞め、ファミレスのコックを8年、銭湯の掃除の仕事を10年勤めた。そして30代後半に、「銭湯研究家」としてメディアに取り上げられる。それがきっかけで庶民文化研究家の仕事が軌道に乗り、著書も50冊を超えた。

 

 最近は、映画やテレビの時代考証の仕事もある。

 

「吉永小百合さん主演の『北の桜守』では、僕が提供した商品で、コンビニエンスストアの第一号店を再現しました」

 

 コレクションの数々は、驚くほどきちんと整理されている。大学時代、上野の東京国立博物館に通って学芸員の単位を修得し、分類法や記録法を学んだ成果だ。

 

「集めたものは基本的に捨てません。『痛快「捨てない!」技術』という本も出しました。どうしても取っておけないものは、写真に撮って記録しています。

 

 ものを集めるのが好きなことを継続できる秘訣は、『気張らない』ことですね」

 

 肩の力を抜けば、そこに別の人生があるかもしれない。

 

(週刊FLASH 2018年11月20日号)

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