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純烈・後上翔太、東京理科大やめて加入「リストラ気分を味わった」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.29 11:00 最終更新日:2018.12.29 11:00
紅白初出場が発表されて以来、彗星のごとくテレビや雑誌、ネットニュースを席巻している男性5人組がいる。スーパー銭湯や健康ランドを主戦場とし、歌と踊りで魅せるコーラスグループの「純烈」だ。
平均年齢は40.4歳、楽曲はオリジナルのムード歌謡を中心に、年間100カ所近くで公演を行う彼らは、中高年マダムを中心にカリスマ的な人気を誇っている。その現象自体はメディアを賑わせているが、それぞれのメンバーは一体どんな人物なのだろう。
爽やかな笑顔でファンから可愛がられている、最年少メンバーの後上翔太(32)に腰を据えて話を訊いた。
――紅白出場おめでとうございます。
「ありがとうございます! 今年はぼく個人としても、純烈のなかで、『紅白出場を目指して出来ることはすべてやってきた』という自負はありました。
ただじつは、紅白の発表時期が近くなるにつれ、若干情緒不安定になっていました(笑)。ここまで人生の余白を応援に注いでくださるのは、純烈ファンの皆様だけだと思うんです。
それを考えると、『ダメだったので、また1年応援お願いします』とは言えないというプレッシャーがありました。
ですから、『今年ついに紅白出場が決まった』と聞いたとき、ぼくは真っ白で何も考えられませんでした。知らせを受けて喜ぶメンバーやスタッフの姿を見て、徐々に喜びに代わったといった感じです。
――重圧があったんですね。では逆に、涙を飲んだ昨年の発表のときは、どうでしたか?
「ネット上に動画も残っていると思うのですが、昨年落選が確定したあと、公演の現場が大阪の『箕面温泉スパーガーデン』という温泉施設だったんです。
さあ公演スタート、というとき、幕が開いても曲のイントロが鳴らなかったんです。トラブルかなと思って焦っていたところ、お客様の掛け声が聞こえました。
客席を見ると500人ほどいらっしゃったファンの方々が『今年は残念でした』『来年は出場しよう』などと書かれた自作のパネルを皆さん用意してくださっていたのです。その光景は本当に嬉しかったですね。
僕らのステージは、お客さんそれぞれが、応援してくださったり、ときに食事をとっていたりと、別々の動きをしているような自由な空間で歌唱させていただいています。でもあの日だけは、本当に会場の皆さんが『一つ』になって励ましてくださり、感動しました」
――ところで後上さんは最年少ですが、どんなキャラなんですか?
「ファンの方からは末っ子の弟という印象だと思います。ふつうにやっていても、『すごく頑張ってる』という評価をしていただけることが多くて。もちろんサボってはいないのですが(笑)、得している存在ですね」
――うらやましいです(笑)。私生活ではどうですか?
「超マイペースの合理主義者です。地道に活動を続けていく純烈での自分とはベクトルが変わって、意味がなさそうなことや無駄に思うこと、目に見える効果のないことは、一切やりたくないと思ってしまいます。
たとえばそうですね……『自分の部屋の中は、人に見せないなら汚くてもよい』『下着は人に見せないので、どんなデザインでも構わない』と思ったりします」
――なるほど、独自の基準があるんですね! では、純烈のなかでのご自身をどう評価していますか?
「十分に出来ているかわかりませんが、今はやっと、ほかのメンバーと変わらない活動をやらせていただけている、と思っています。たぶん……。
といいますのも、自分は他のメンバーと違い芸能活動の経験がなかったんです。メンバーに誘われたとき、僕は東京理科大学の学生で、就職活動をしていました。
芸能事務所にいて就活の相談にのってくれていた先輩が、酒井(一圭、リーダー)と友人で。あるとき先輩から、『お前この「純烈」ってどう思う? やってみないか?』と言ってくれたんです。
そのときは、てっきり公演スタッフの仕事を紹介してもらう話だと思って『いいっすね、やります!』と2つ返事で受けました。それで行ってみたら、メンバーになるって(笑)。
いざメンバーとしての活動が始まっても、最初はステージの『上手(かみて)』がどちらかもわからなかったり、MVの撮影でもどのカメラに視線を向けるかもわからなかったり……。
突然『はけろ!』っていわれても、どこに行けばいいのやらですよ。東京理科大では教えてくれないことばかりでしたね(笑)」
――ゼロから初めたぶん、ご苦労も多かったと。
「結局、大学を中退して純烈に加入したのですが、訓練期間を経てメジャーデビューしたタイミングでは、まだ食べていける状況ではありませんでした。ということで経済的な事情から、実家に戻ったのです。
デビュー直後は仕事もほとんどなく、週休6日という状態が結構ありまして。そのときが一番苦しかったですね。一緒に住んでいる父母から『お前大丈夫か?』と不安たっぷりの空気が伝わってきて。
ですから、朝に仕事に行くふりをして、駅前のマックや図書館で時間を潰す日々も過ごしました。あれは、リストラされたことを言い出せないお父さんのような気分で毎日つらかった……」
――われわれ中年世代には、他人事とは思えません。最後に、紅白後にしたい「恩返し」を教えてください!
「よくお会いするスタッフの方には直接感謝を伝えられましたし、お祝いの言葉をいただけもしました。ですから、最近ステージに立てていない施設にお邪魔して、『凱旋公演ライブ』をやらせていただけたら嬉しいです!」
ごがみしょうた
32歳 1986年10月23日生まれ 東京都出身。2007年、就職活動中から一転、東京理科大を中退し「純烈」に参加。最年少メンバーでコーラスを担当。純烈以外では、劇団「Flying Trip」などの演劇出演も