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純烈・酒井一圭、前川清のお告げから始動「成功は計算通り」

エンタメ・アイドル 投稿日:2018.12.31 06:00FLASH編集部

純烈・酒井一圭、前川清のお告げから始動「成功は計算通り」

 

 紅白初出場が発表されて以来、彗星のごとくテレビや雑誌、ネットニュースを席巻している男性5人組がいる。スーパー銭湯や健康ランドを主戦場とし、歌と踊りで魅せるコーラスグループの「純烈」だ。

 

 平均年齢は40.4歳、楽曲はオリジナルのムード歌謡を中心に、年間100カ所近くで公演を行う彼らは、中高年マダムを中心にカリスマ的な人気を誇っている。その現象自体はメディアを賑わせているが、それぞれのメンバーは一体どんな人物なのだろう。

 

 

 純烈を立ち上げ、リーダーとしてメンバーを牽引し、プロデューサーとしてプロジェクト全体をまとめる酒井一圭(43)に、腰を据えて話を訊いた。

 

――紅白出場おめでとうございます。

 

「ありがとうございます。あの、全然紅白と関係ないんですけど……じつは15年以上前、FLASHさんに出していただいているんです。ぼくが出演していた『ガオレンジャー』絡みのグラビア……ではなく、競馬予想の企画で(笑)。再会できました!

 

 さて紅白ですが、本当にファンの皆様とスタッフのお陰です。純烈は、熱狂的に応援してくださるマダムと『温泉』なくしては存在しえませんから」

 

――またお会いできて嬉しいです! 純烈は酒井さんから始まったんですよね?

 

「はい、そうです。きっかけは……前川清さんです。あ、これ作り話じゃありませんからね!

 

 ぼくがプロデュースと主演を務めた自主制作映画『クラッシャーカズヨシ〜怒る〜』の撮影中に足を骨折しまして、手術して40日も入院していたんです。医師の所見では『歩けなくなるかもしれない』と言われるほどの大事故でした。いまも痕が残っています。

 

『どうすべかな』と思っていた入院中、前川さんが毎晩のように夢に出てくるんですよ。で、『あ、これはムード歌謡をやれというお告げだな』と、直感したんです。退院時には嫁に、『俺はムード歌謡をやって天下取るから、しばらくは苦労かける』と宣言しました。

 

 じつはこの話、あまりにいろんなところでしすぎていて、ぼく自身、本当か作り話かわからなくなった時期があるんです。それで嫁に確かめたら、『たしかに言ってた、目がマジだったからどうしようもないなって覚悟した』って。よかった、嘘じゃなくて(笑)」

 

――おお、では本当に天啓だったんですね。なぜ「ムード歌謡」だったんですか?

 

「未来の芸能界を考えてみたとき、たとえばいまなら、ジャニーズさんはじめイケメン歌手・俳優を応援していらっしゃる人が世の中のメインストリームで、たくさんいらっしゃいますよね。でも、そのファンのみなさんも年を取る。

 

 それで、マダムの世代が応援する『身近な存在』に需要が出ると思ったんです。世間ではみんながスマホアプリに娯楽を求めるなか、歳を重ねたら癒しや憩いやつながりを求めるのではないか。そしたら、ムード歌謡を聞くような身近のリアルな場は必要になる。

 

 そうシミュレーションしたとき、将来的にも『いける!』と思いました。だからムード歌謡も純烈も、決して思い付きでなく、ぼくが綿密に計算したうえで始めたプロジェクトでした。

 

 ただ、結成当初は自分たちの歌がありませんから、先輩方の歌をカバーすることになる。そのときムード歌謡界の先輩方に、『俳優がダメだからってムード歌謡にくるのか』と反発されたら、解散するつもりでした。でも先輩方はみなさん温かく迎えてくださった。

 

 そして、ムード歌謡ならではの、手売りや営業公演スタイルにチャレンジすることになったわけです。時間はかかるけど、草の根的な活動をやること自体にも価値があると感じていました。

 

 活動を始めてからも、必ず売れると思っていました。子役のときも、ガオレンジャーでブラック役をゲットしたときも、自分の中で『イケる』と思ったことは外さないという自信があるんです。まあ、10年以上かかるとは思っていましたが。

 

 ファンもスタッフもメンバーも、疑いながらよくぞ信じてついてきてくれた、と感謝しています。でもぶっちゃけ一番は、ぼくの嫁がよく離婚しなかったなと(笑)」

 

 

――いままでで一番の苦労はなんですか?

 

「メンバーには納得してもらってから活動していきたかったので、説得するのが大変でした。『夢と経済』のどちらも語ることが大切で、つまりは『やりがいと収入』が両立するというわけなんですが、もちろん最初は、とくにお金がそうはいかないので、みんなを騙した形になりました(笑)。

 

 当初の純烈は、給料制のメンバー2人、歩合だけのメンバーが2人でした。前者が、白川(裕二郎)と小田井(涼平)で、後者が友井(雄亮)と後上(翔太)です。仲間である一方、社長と社員という関係でもありました。

 

 収入が厳しい時期、給料制の2人には、ぼくの給料を渡していました。ですから僕の給料はゼロです。歩合制のメンバーはバイトをかけもちしながらやってもらって、公演でいただく『おひねり』を分割して渡すだけ。非常に大変だったと思います。

 

 メンバー全員に納得してもらうのに、最終的に5年かかりました。お金がないとグループの空気が殺伐としていきますから、ガス抜きのために時々メンバーを別のことで怒らせたり、わざとトラブルを起こしたりして、目の前の問題から目をそらしていました……。

 

 なんとかグループを続けていくために、あらゆる障害をぼくがコントロールした。私生活では、競馬で大きな借金を作ってしまうようなだらしない人間ですが、純烈に関してはすべてが計算の上です(笑)」

 

――敏腕経営者のようなリスクマネジメントに脱帽です。いよいよ紅白ですが、意気込みは?

 

「自分の骨折がきっかけで始めたグループで、人をどんどん巻き込んできました。今年は『もう後戻りできないな』というところまで来ていましたので、やっと紅白出場が決まりホッとしています。

 

 嫁、メンバー、ファン、スタッフ、マスコミのみなさんにも感謝しかありません。そしてぼくの両親。給料をメンバーに渡していた時期、経済的に支えてくれなかったら続けていけませんでした。

 

 いまは紅白に出られる喜びよりも、自分たちの夢を叶えていただいたことに対して、ステージから恩返しがしたいという気持ちが強いですね。ぼくはこのとおり有言実行の男ですから、楽しみにしていてください」

 


さかいかずよし
43歳 1975年6月20日 大阪府出身。1985年『逆転あばれはっちゃく』の主演でデビュー。子役として活躍後、2001年『百獣戦隊ガオレンジャー』にガオブラックとして出演。「純烈」の発起人であり、プロデューサー兼リーダー、作詞を担当する

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