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イワイガワ井川の質問に三國連太郎15分沈黙してアドバイス

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.12.31 11:00 最終更新日:2018.12.31 11:00

イワイガワ井川の質問に三國連太郎15分沈黙してアドバイス

 

 お笑いコンビ・イワイガワ。チョビ髭に背広姿がトレードマークの岩井ジョニ男はタモリの、ネタ作りを担当する井川修司は、三國連太郎、佐藤浩市、浅田美代子の付き人だった。

 

 そんな井川修司に、大御所芸能人からかけられた「忘れられないひと言」を教えてもらった。

 

 

「『技術やテクニックは、後から身につく。思いを込めることこそ、何より大切だと思うよ』。こう教えてくれたのは佐藤浩市さんでした。

 

 役者修行時代、最初はドラマや映画でも、台詞がひと言あるくらい。台本を読み込んで、あれこれ芝居を工夫していたんですが、なかなか芽が出なかった。

 

 それで、付き人をやったことがある佐藤浩市さんに酒席で相談したときに言われました。役者の道は諦めたけれど、この言葉を肝に銘じて、お笑いにも取り組んでいます。

 

■浅田美代子

 

 浅田美代子さんから聞いたのが『イガピーは何とかなりそうな気がする。頑張りなさいよ』でした。

 

 浅田さんの付き人は7〜8年やっていたと思います。イガピーと呼んでいただいているんですよ。忘れられないエピソードはいろいろありますが、この言葉が、いちばん嬉しかったですね。

 

 浅田さんの付き人をしていたのは、役者をしながら、お笑いも目指していたとき。

 

 浅田さんが、『私はお笑いのことは何もわからないけれど、スタッフさんたちの話を聞いていても、イガピーは才能がありそう。私も何とかなりそうな気がする』と言ってくださったんです。何となく、だったんですけれどね(笑)。

 

 ただ、バラエティでの浅田さんは、ある意味、天才的な感覚を持っていると思っているんです。そういう人が認めてくれたので、励みになりました。

 

■三國連太郎

 

 佐藤浩市さんのお父上である三國連太郎さんからは、『何ごとにもあきらめず、粘り続けることだよ』という言葉をいただきました。

 

 三國さんは、身辺のお手伝いをしていたことはありましたが、付き人としてはドラマの1クールの期間だけでした。ただ、住み込みでしたので、身近で接することができました。

 

 最後の日、ご自宅に戻るときのことです。クルマを運転しながら、せっかくだからと、自分がこれから芸能界でやっていくために、ひと言お願いしたんです。

 

 三國さんは15分くらい、黙り込んでしまった。難しい質問をしてしまったのかな、と思っていたら、口を開かれて、こう話してくださいました。

 

『芸能界では、諦めないかぎり、辞めないかぎり、可能性はある。とにかく、粘り強く続けていくことだと思うよ』と。

 

 もうひとつ、忘れられないのが『私は一度だって、芝居で手を抜いたことはありません。本気でやらせてください』というひと言です。

 

 ドラマで、三國さんが穴に落ちるシーンがあったんです。スタッフは三國さんに怪我をさせるわけにはいかないとピリピリ。穴の底にクッションを用意するなどして、リハーサルに臨んでいました。

 

 監督も『軽くでお願いします』と言ってたんですが、三國さんはリハーサルから本気で穴に落ちた。現場は騒然となりました。

 

 監督は再び、『テストですから、軽くでけっこうです』と言ったとき、三國さんの顔が怖くなって……。大物俳優ですから『俺の好きなようにやらせろ!』と言ってもいいのに、敬語でお願いしていたのが、すごいかっこよかったですね。

 

 


■緒形拳

 

『自分ができないことをできる人は、みんな先生なんだよ』と教えていただいたのは、緒形拳さんです。


 
 緒方さんとは、付き人としてではなく、ドラマの現場で知り合いました。僕は関西弁がネイティブ。それで、中居正広さん主演のドラマシリーズ『ナニワ金融道』にちょい役で出演していたとき、方言指導も頼まれたんです。

 

 緒方さんにも、関西弁のセリフの言い回しや、イントネーションをお教えする機会に恵まれたんです。

 

 緒方さんは完璧主義者。少しでもイントネーションを間違えたくなかったので、すごく熱心に関西弁を学ぼうとしていました。

 

 それで、僕のことを先生と呼ぶんです。『先生、これで大丈夫ですか?』とか。若造でしたから、大先輩に先生と呼ばれるのが心苦しかった。

 

 それで、2人きりになったときに『自分は20代の若造ですし、言葉の専門家でもありません。緒方さんから先生と呼ばれることは嬉しいんですが……』と言ったんです。

 

 そうしたら破顔一笑、『自分ができないことをできる人は、みんな先生だよ。だから、そう呼ばせてください。自分は地方の方言やイントネーションをすごく大切なことだと考えています。芝居のなかでも重要なことだと思いますしね。監督がOKを出しても、先生がダメだと思ったら、きちんと言ってください』と。

 

 とても、そんなことはできませんでしたけどね(笑)。泣きたいくらい、嬉しい一言でした。

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