『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)をはじめ、芸能人が体を張って挑むロケ番組は、いまも人気が高い。だが、20年ほど前と比べると、現在のテレビ業界は無茶な企画が通りにくくなったという。
現在もテレビ番組の制作に携わる、ある男性ディレクターが語る。
「昔の『電波少年』や、それに影響を受けて作られた番組は、異常だったというか……(苦笑)」
それでも、目を疑うような過酷な現場は、まだ存在する。
「僕らテレビ業界の人間でも地上波では勝てない、おもしろいと思っているのがアマゾンプライム。『今田×東野のカリギュラ』なんかは、スタントマンばりの危険な現場を、芸人が体当たりでやっている。いま地上波で、あの企画は無理だと思いますよ」(前出の男性ディレクター、以下同)
当然、過酷なのは裏方も同じ。伝説として語り継がれる「地獄ロケ」があるという。
「いまでも印象に残っているのは、2000年ごろのとある番組です。香取慎吾さんと稲垣吾郎さんが、チームに分かれて、京都と伊勢志摩の1泊2日で飯島直子さんを接待する企画があったんです。まず僕らは4日ほど前から泊まり込んで、不眠不休でロケハンしました。
そして、収録ではロケバスを30台くらい出していた。撮影の最後も、250万円で購入したマグロ1匹を、ヘリコプターで吊り下げて持ってきて、その場で解体して飯島さんに食べてもらうというオチだったんです。このロケがあまりにも制作費がかかって大赤字。制作会社がひとつ潰れてしまった(苦笑)」
誰にも真似できない無茶こそが、視聴者の笑いを生んでいる。
(週刊FLASH DIAMOND 2018年11月10日増刊号)