テレビドラマがリアルタイムで見られなくなっている現在、成功度を従来の「視聴率」だけで測ることは難しくなってきた。
「昨今のドラマ視聴率は、二桁超えが成功の目安。以前は『月9で1話あたり3000万円』といわれていた制作費も、減少傾向にある。いまはゴールデンタイムで、1話あたり1000万円程度。出演者も、『低燃費で長持ちする』俳優が重宝がられています」(某局プロデューサー)
一方、リアルタイムの視聴率より、録画による再生視聴である「タイムシフト視聴率」を重視する傾向にあるという。この数値が高いと、DVD化や映画化など二次利用の可能性も高まる。
こうした背景を踏まえ、大手広告代理店は、視聴率至上主義から脱却。俳優のギャラを含めた、各ドラマの「総制作費」と「視聴率」をもとに計算された「採算分岐点」から、成功か失敗かを判断している。本誌はその極秘データを入手した。
2019年1月クールで、成功ドラマの1位に輝いたのは、菅田将暉主演の学園サスペンス『3年A組』。
「採算分岐点を軽く超えて、二桁台をキープ。学園ものゆえ出演者こそ多いが、生徒役たちは新人俳優なので、ギャラが安い。まさにコスパのいいドラマ」(テレビ局編成担当)
2位は、「リアルタイム視聴率で1位」と、いまや日本を代表するドラマとなった、水谷豊主演の『相棒 season17』。安定した人気を誇るぶん、制作費は桁違いで、水谷のギャラは全民放通じて最高額の350万円だ。
「1話あたりの制作費は、5000万円から7000万円。俳優のギャラは、制作費全体の1/3に抑えるのがセオリーとされるなか、『相棒』は出演者全員のギャラに、ほかのドラマのギャラの約4倍使っている。このくらいの視聴率を取らないと採算割れともいえる(苦笑)」(テレビ局プロデューサー)
3位は、記憶喪失の捜査員に扮する沢村一樹主演の『刑事ゼロ』。
「テレ朝の木曜20時は、業界内では『冒険枠』。沢村の主演も期待はけっして高くなかったが、数字はまんべんなく好調」(テレビ局関係者)
ギャラが自身初の200万円に到達し、大物女優の仲間入りを果たした北川景子主演の『家売るオンナの逆襲』は5位。
「彼女は相当気合いが入っていて、役に入ったときの豹変ぶりはすごい。『下町ロケット』では80万円だった、イモトアヤコのギャラもアップした」(テレビ局編成担当)
次のページに「成功ドラマTOP10」のデータを掲載する。