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池乃めだかと間寛平が考える「吉本新喜劇のこれから」エンタメ・アイドル 投稿日:2019.05.10 16:00

池乃めだかと間寛平が考える「吉本新喜劇のこれから」

 

 池乃めだか・75歳と間寛平・69歳。黄金期も不遇の時代も、カラダひとつと芸で生き抜いた。ふたりが考える、吉本新喜劇のこれから。

 

 

――この対談ではなつかしの思い出話や、いまだから言えるエピソードなどを語っていただきます。

めだか 僕は、この世界に入って53年、新喜劇に入団して43年。

 

寛平 僕は芸歴49年。めぐ兄ぃ(めだか)が新喜劇に入ったのは、僕より6年ほどあとなんですけど、芸人としては大先輩ですよ。

 

めだか 漫才師として吉本に入ったときに「モーレツ!!しごき教室」(※1)という番組がはじまって。どういうわけか、海原かける・めぐる(めだか)、寛平ちゃん、木村進ちゃんとか6人が最初のレギュラーになってね。しょっちゅう会うから仲良うなって、よう飲みに行ってたんです。

 

寛平 ホンマやったら、めぐる兄さんなんですけど「めぐ兄ぃ」言うてなついていったから、すごいかわいがってくれたんですよ。で、いろんな話をしてくれるわけ。

 

めだか 宇宙の話なんかね。

 

寛平 ホンマ宇宙の話、好きやったもんな。なんかワケのわからんこと言うて。全部、信用しとったわ。 

 

めだか ウソは言うてへんで(笑)。

 

めだか 僕が新喜劇に入ったときは、寛平ちゃんは看板やったからね。

 

寛平 座長やったんですけど、アメマバッチ(※2)で借金だらけになりかけのときに、めぐ兄ぃが新喜劇に入ってきてくれたんです。そのころは、うめだ、なんば、京都と花月が3館あって、1回目の新喜劇が終わったら台本の手直しとかやるわけよ。ここはウケなかった、ここは書き直さなアカンとか。それは座長が全部する。

 

 でも僕はそれどころやないから、終わったらすぐ出て行く。ほんで、僕が帰って来たころには、めぐ兄ぃが全部手直しし終わってるんですよ。

 

めだか なんで出て行ってたん? 

 

寛平 借金取りが来てたら逃げなアカンし、その間に自分の営業に行ったりするし(笑)。ホンマは座長が全部やらなアカンのに、めぐ兄ぃに甘えて「頼む」言うて行くんやね。

 

めだか 言うたら、僕は番頭さんみたいなもんですわ。

 

寛平 会社も、僕が頼りないから、めぐ兄ぃを付けてくれたと思うんですよ。だから、めぐ兄ぃにはホンマに恩があるんです。

 

めだか 寛平ちゃんとは漫才コンビみたいなこともやったよな。

 

寛平 新喜劇に出てたら、ここはこうしたらええんちゃうかとアドバイスもしてくれる。で、僕がやる、めぐ兄ぃがツッコんでくれてウケる。それを会社が見てて。

 

 漫才ブームでザ・ぼんちや、やすし・きよしさんが東京行くんやけど、大阪での劇場の出番に間に合えへんことも多くて。「伸ばせ」いうて、僕らが出て前説でつなぐんですわ。

 

 そしたらどんどん息が合うてきて、漫才できるやん、やってみようかってなってきたわけ。僕が「こんなん世間で流行ってるねん」って案だけ言うたら、めぐ兄ぃが漫才の台本を全部書いて持ってきてくれるんです。

 

めだか 漫才番組にも出たよな。

 

寛平 「誰がモンキーやねん!」とかカン違いのネタも、めぐ兄ぃが考えてくれたんですよ。

 

――奇跡の出会いですね。

寛平 めぐ兄ぃが天才やと思ったんが、うめだ花月でふたりでやったパイロットのネタ。一生忘れませんわ。抜群なコントを書いたんですよ。客が泣いたんやから。

 

めだか どういうとこで泣くの?

 

寛平 忘れたん? 操縦席の中のセットにふたりが座って、めぐ兄ぃが「いよいよ飛行に入るよ」となって、エンジンの離陸音も入って「水平飛行に入ります」と。

 

 すると「ハザマ君、これが最後の飛行なんだ」って言うんです。「なんでですか?」と聞いたら「病院に検査に行ったら癌だったんだよ」。

 

「癌やったんですか? ハハハッ」って笑ったら、「なんだキミ!」って僕に怒りだす。「そんなことありませんよ、って言うのが当たり前じゃないか」「あぁわかりました、わかりました。そんなことありませんよって言うとけばいいんでしょ」。

 

 そしたら、めぐ兄ぃが「いい薬が見つかればいいんだが……」「へっ、そんなことありませんよ」「そこは違うだろう!」っていうすれ違いが、ずっと続いてくんです。30分ぐらいのコントの中で、言い合いになったり、カン違いしたり、「マネすな」とかも入ってて。

 

 最後に「元気になってくださいね」言うて、空港に着陸する効果音と一緒に幕がパーッと下りていく。と、客が泣いてるわけですよ。これは天才やと思いましたね。

 

めだか よう覚えてるなぁ(笑)。

 

寛平 「アヘ族」もめぐ兄ぃが考えてくれて。いっぺんアメリカに行ったときに、「おまえはなんか考えてきたんか?」って聞かれて、詰まってしもてアヘ族をやったら大爆笑してましたわ。ほかにも「かいぃ~の」も、めぐ兄ぃが舞台でツッコんでくれたからできたんですよ。

 

めだか 寛平ちゃんはセリフを覚えるとかは長けてるわけやないねんけど、舞台のセットを見た瞬間に、それを利用しておもしろいことをするんよ。あるいは、そこらへんに置いてある小道具。

 

 舞台の上に八百屋さんがあったり、おもちゃみたいなバナナが置いてあったり、神社の境内で石灯籠があったりしたら、台本にないのに即座に使うて。そういうことは天才やと思たね。

 

※1 モーレツ!!しごき教室
 1973年から11年間レギュラー放送された、毎日放送のバラエティ番組

 

※2 アメマバッチ
 バッチを大量に生産し、消費者金融に数千万の借金を背負うことに

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