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【ヒット夜明け前】とにかく明るい安村「まゆゆのおかげで芸が完成」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.17 20:00 最終更新日:2019.05.17 20:00

【ヒット夜明け前】とにかく明るい安村「まゆゆのおかげで芸が完成」

 

 とにかく明るい安村さん(37)と言えば、パンツ一丁で全裸に見えるポーズをとった後、パンツを見せ「安心してください。穿いてますよ」と、キメ台詞をいうネタが2015年に大ヒットした。

 

 このフレーズは「2015ユーキャン新語・流行語大賞」のトップ10に選ばれ、この年は、とにかく明るい安村さんの年と言っても過言ではなかった。

 

 

 この2015年を代表するネタはどのように誕生したのか。今回は「安心してください。穿いてますよ」の「ヒット夜明け前」に迫る。

 

 とにかく明るい安村さん(以下、安村さん)は2000年に、幼稚園からの幼馴染とお笑いコンビ・アームストロングを結成。

 

 アームストロングは『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)や『エンタの神様』(日本テレビ系)といった人気番組に出演し、2010年にはNHK新人演芸大賞演芸部門大賞に輝き、芸人からの評価も高い実力派コンビだった。

 

 しかし実力に反し、徐々に仕事が減少。安村さんは、芸人を辞める覚悟で、2014年4月に13年間活動したコンビの解散を決意した。

 

「奥さんに芸人をやめるって言ったんですけど、そのときの僕の口ぶりとか表情に、まだ芸人をやりたそうな雰囲気がガンガン出てたんですかね。奥さんに『一人でやった方がいいんじゃない?』って言われたんですよ。それで2年間やってダメだったらやめるという約束で、ピン芸人をやることになりました」

 

 そう決意した2カ月後の2014年6月、単独ライブを開催。

 

「そのときにやったネタがまったくウケなくて、ひと笑いもなかったんです。ピン芸ってこんなに難しいんだと思い、びっくりしました」

 

 しかし安村さんは、ひるむことなくネタを作り続けた。そして、AKB48・渡辺麻友ファースト写真集『まゆゆ』を目にしたことにより、あの大ヒットネタを思いつく。

 

 だが、驚いたことに、2015年を代表するネタをひらめいた瞬間を、いつ、どこで、どんな状況だったか、記憶が定かではないというのだ。

 

「本屋でか、携帯電話でか、テレビで見たのか、頭の中で思いついたのか、わかんないんですよ。でも僕の記憶では、本屋で、本を積んでいるところで見たような記憶があるんですけど、そんなわけないですもんね」

 

 そう、写真集『まゆゆ』が発売されたのは、ネタを思いつく3年前の2011年の発売なのだ。3年前に発売された写真集が本屋に平積みされているとは考えづらい。

 

 しかし、まゆゆが一糸まとわぬ姿に見える状態で、三角座りしている表紙を、どこかで安村さんが目にしたことは間違いない。

 

「撮影のときには絶対下着をつけているよな。でも裸に見えるな。下着を隠してるのか……面白いな。これを俺が、曲をつけて、キメのポーズで、裸に見えるようになったら面白いんじゃないか、って一気にそこまで行きました」

 

 裸に見えるという発想だけで、ほぼネタの完成形まで思いついたとは驚きだ。

 

 そして2回目の単独ライブで、満を持して、そのネタを披露したが、まったくウケなかったという。ちなみに、この段階ではまだ「安心してください。穿いてますよ」は言っていない。

 

 ウケなかった場合、すぐにボツにして、新しいネタを考えるのが普通だ。しかし安村さんは違った。

 

「『今日はすべったけど、このネタは絶対にすごいし、面白いから全然気にしない。他のネタはすべってもしょうがないけど、このネタはマジでやばいから』って思ったんです。

 

 こんなことを考えていたのは、世の中で僕だけですけど、自信満々だったんですよ。ひらめきがすごかったんで。

 

 家で考えていたら、いろんなポーズが頭からあふれてきたんです。グラスから水があふれる感じで、脳内からグワーッって出てきたんですよ。まさに発明品を思いついた感じだったんです」

 

 照れながらも興奮気味に話す安村さんの自信は、決して間違いではなかった。その後、ネット番組であのネタをやった際、ジャングルポケットから「おい! 穿いてないんじゃないか?」というツッコみが入った。

 

 それに対しパンツを見せて、「いやいや、穿いてますよ」と答えると現場は大爆笑。これが、自信から確信に変わった瞬間である。

 

 そこから、いろんなイベントや番組で披露し、最終形が完成したのは、年末の『ガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)笑ってはいけないシリーズのネタ見せだった。

 

 安村さんがキメ台詞をいろいろ変えていたのを、スタッフの助言により、「安心してください。穿いてますよ」ひとつに絞った。解散から1年にも満たない、わずか8カ月で、あの大ヒットネタが完成したのだ。

 

 とにかく明るい安村さんの「ヒット夜明け前」には、記憶を飛ばすほどのひらめきと、脳からあふれ出る発想、そして、どんなにすべっても自分の思いを信じ抜く、強い意志が存在したのだった。

 

取材・文/インタビューマン山下

 

 1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー・お笑い記者

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