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「NHK大河『いだてん』は後半戦からがオススメ」とコラムニスト
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.06.09 11:00 最終更新日:2019.06.09 11:00
NHK大河『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』は、6月30日放送回から、阿部サダヲ主演の第二部へ突入する。
よくも悪くも異例続きなのが本作である。近現代史を描き、東京オリンピックをテーマに据え、2人の主演キャストがリレー形式で登場する……ところまではよいのだが、肝心の視聴率でも、異例の一桁続き。4月には、NHK大河のワースト視聴率記録を塗り替えることとなった。
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だが、時代劇に詳しいコラムニストのペリー荻野氏は、「後半戦から風向きが変わって来るのでは」と語る。
「私は、今回の大河は大好きです。たしかに、物語のテンポは、例年の大河の1.5倍速くらいの速さなので、『日曜20時は家族でテレビを観たいんだけど、ちょっと速すぎないですか』と感じる視聴者はいるかもしれない。
さらに登場するのが、偉人ではあるけど、あまり馴染みのない人たち。だから一回見逃すと『物語についていけない』という不安感は湧きやすいです。
日曜20時って、家族で出かけたり、親戚が来たりして、意外と見逃してしまうんですよね。豊臣秀吉の話であれば、1週飛んでもまあまあついていけるけど、『いだてん』は1週飛ぶと『もうわからない』と思われてしまう。実際には、そんなことないんだけど。
でも、後半戦からは、東京五輪の名場面が出てくることになり、大河離れしているシニア視聴者こそに、なじみ深い時代になりますから。
NHKにとって、『今年は、オリンピックの前にこういうのやってみました』みたいな、覚悟の大河なんだなと感じますね。だからこそ、観る側も、楽しんだもの勝ちなドラマなんです」
対照的に来年は、「ザ・大河」たる戦国時代が物語の舞台だ。主演は長谷川博己。明智光秀を主人公に描く『麒麟がくる』だ。
「『いだてん』は近現代がテーマで、実験的な部分もあった。たとえば、2つの時代を行き来する展開、あまり大河ではやってこなかった仕掛けでした。
ですが、来年の脚本を担当するのは、大ベテランの池端俊策先生。そして、『負けていく人』の物語というのは、やっぱり意外と日本人が好きなテーマではあるのかなと。
『敵は本能寺にあり』という場面が出てくるわけですから、歴史好きの視聴者も戻ってくると思います。
来年は、いよいよ2020年。オリンピックなどの特番で放送が中断したり、皆の気がそちらに向いたりと、ドラマにとっては大変な年になります。
ワールドカップとかがあると、ドラマ業界、テレビ界隈はかなり揺れますから。そんな年に、大河で1週休んでもついていける戦国ものを描くというのは、NHKは手堅い手を打っていますよね。
もし『いだてん』を2020年に放送したら、本物のオリンピックに夢中になっているときに、ドラマの筋がわかんなくなっちゃいそうですから。歴史上のスタンダード、誰もがそこそこ知っている人物の明智を主人公に持ってきたのは手堅いですよ」
『イッテQ!』『ポツンと一軒家』の隆盛も、三日天下となるか。