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吉本新喜劇の名物ギャグ「乳首ドリル」はアドリブから始まった

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.06.09 16:00 最終更新日:2019.06.09 16:00

吉本新喜劇の名物ギャグ「乳首ドリル」はアドリブから始まった

 

 60周年を迎えた吉本新喜劇には、たくさんの「名物ギャグ」がある。そのなかのひとつが、「乳首ドリル」だ。「ドリルすな!」「ドリルせんのかい!」とひたすら繰り返す、意味はないがキレのあるギャグの誕生秘話を、すっちーと吉田裕のコンビが明かした。

 

 

−−まず、「乳首ドリル」誕生の経緯を教えてください。

すっちー「2010年ごろかな。料理店の店主役の内場(勝則)さんが、『嫁さんが浮気してるんちゃうか』と疑う場面があって。何人か男が出入りしてるんで、『アルバイトの僕と隠れて見張っておこう』となるんですね」

 

吉田「そのなかのひとりが、僕やって」

 

すっちー「最初は棒で叩くだけやったんですけど、だんだん服を脱がしていって、棒で乳首をさわったら、吉田君が『乳首、ドリルすな』って返すから、『何それ?』ってなって。最初は、それで終わってたと思うんですよ」

 

−−まったくのアドリブだったんですね。

吉田「台本では、棒で叩かれるだけの場面やったので、ホンマに突発的に『乳首、ドリルすな』って出たんです」

 

すっちー「『ドリル』ってなんやねんって(笑)。で、やっていくうち、『絶対これオモロイよな、毎回やろな』と。吉田君のリアクションが、おもしろかったんでしょうね。

 ただ、当時は若手でギャグもなかったので、『流行らそう』というより、『覚えてもらえたらなぁ』と」

 

−−それが大ヒットギャグとなり、広く知られるようになりました。

すっちー「CMに出してもらったり、いろんなタレントさんとコラボさせてもらったり、こんな感じで広がっていくとは思ってなかったですね。ただのおふざけやったのに、ありがたいなぁって」

 

吉田「街を歩いてて、『乳首』って呼ばれるようになったときに、知ってる人が増えたと実感しましたね。

 

 あと、たまに服を脱がせて、ドリルしに来る人もおって。こっちが何もしなかったら、『ドリルせんのかい!』って帰っていくっていう……これ、なんやろなと(笑)」

 

−−初期と比べて、進化はしているのでしょうか? 

すっちー「当初は、ゆっくりドリルするだけだったんですよ。でも、吉田君が全部実況していくから、『何かオモロイとこないかな』と、急に顎をしばいたりしていったんです」

 

吉田「脇だけ回数が多かったんで、何か返さなアカンと思い『毛細血管いっぱい詰まってるとこ!』って言ったり」

 

−−「乳首ドリル」をやるうえで、お互いにすごいと思うところは?

すっちー「吉田君は、なにかを作るタイプではない。だから、『ドリル』がなかったら終わってます(笑)。

 ただ、リアクションはピカイチ。声もよう通りますしね。顔はオモロイし声はオモロイし、敵わないですね。叩かれたときの『お~い!』なんて、もう漫画なんですよ。僕はそれがおもしろくて」

 

吉田「これは、すっちーさんの『遊び心』でできたものやと思うんですが、僕らが飽きたら絶対ダメ。お客さんも一緒に飽きてきますからね。だから、いまも毎回『変えよう』って言うてくれはる。そこはすごいですね」

 

−−「乳首ドリル」は、今後どこへ向かっていくのでしょう。

すっちー「お客さんにゆったり見られたら、いちばんアカンギャグなんですよ。『あれ、今回違う?』みたいな、裏切りを作っていかないと。だから10年後は全然別物になってるかもしれない。『いまは “ドゥリル” 言うてるで』とかね」

 

吉田「ちょっと残ってる(笑)」

 

すっちー「吉田君がほかの人とやってもいいし、僕がほかの人にしてもいいし。『いろんな人で、広がっていけばいいのかな』と思いますね」

 

 次のページでは、「乳首ドリル」人気ぶりがわかる記録的な数字をピックアップしてお届け!

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