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拉致も銃声も『電波少年』今だから明かせる過激ロケ舞台裏

エンタメ・アイドル 投稿日:2019.06.26 16:00FLASH編集部

拉致も銃声も『電波少年』今だから明かせる過激ロケ舞台裏

 

 1992年にスタートし、平成を代表する伝説的番組『進め!電波少年』(日本テレビ系)は、猿岩石のユーラシア大陸横断ヒッチハイクをはじめ、数多くの人気企画を生み出した。その演出・プロデューサーを務めたのがT部長こと土屋敏男(62)だ。

 

『電波少年』といえばアポなしや過激な海外ロケが有名だった。今だから話せる番組裏話を土屋プロデューサーに聞いた。

 

 

――過激な企画もあったし、黙ってアポなしでやってたら、トラブルもあったんじゃないですか?

 

土屋 山ほどありますよ。8割放送できてないですから。

 

――マジですか! 8割? ほぼお蔵入りじゃないですか!

 

土屋 その代わりアポなしで行くと、スピーディーに撮れてVTRの本数を稼げるんですよ。普通は1日ロケすると現場に行って時間がかかるじゃないですか。

 

――そうですね。向こうの都合もありますから。「この撮影は、この時間しか無理です」とか言われて、その時間まで待つみたいなことがよくあって、確かに時間がかかります。

 

土屋 アポなしだと、(取材対象者が)いなかったらそれで終わりだから10分ですむ。だから1日10本撮るなんて何でもない。

 

――なるほど。撮れなかったり、断られてもいいように、企画の数をあらかじめ多めに用意しておくわけですね。

 

土屋 そうそう。当日ニュースが入れば「こんなこと思いついたから、これをやっとけ!」みたいな感じで行くわけですよ。

 

――そういう手法を取ってたんですか。過激なロケで、出演タレントさんからの苦情はなかったですか?

 

土屋 山崎邦正(月亭方正)がね……。 

 

――それは山崎さんがイタリアに行って、マフィアとロシアンルーレットをやる羽目になった、めちゃくちゃな企画ですか(笑)。

 

土屋 そうそう。山崎邦正がマフィアにさらわれて、ピストルを「カッチン、カッチン」って(笑)。俺は東京で遊んでたのに、ロケ終わりで、俺のところに電話がかかってきて。「土屋さん! こんなことがあったんですけど、いいんですか!」って。「面白いじゃん」って言ったら、「お前ら頭おかしいんか!」って(笑)。

 

――ハハハ。それは山崎さんもキレますよ。

 

土屋 哲ちゃん(出川哲朗)も松村(邦洋)も過激なロケをやってて、現場ではみんな「お前ら、頭おかしいんか!」って切れるんだけど、スタジオに来ると他の出演者に勝ちたいわけですよ。要するに、つらい目にあったヤツがすごいわけだから。出川がゲイバーでやられたシーンで「アァァー!」とか言ってるとさ、スタジオのウケが違うわけですよ。

 

 それで、みんなが自分達のなかで「今回は出川にやられたな」って思うわけじゃない。そうすると、みんな勝ちたいから、だんだん頭がしびれて来て、「もっときついロケをお願いします」って。

 

――ハードなVTRを見すぎて、おかしくなってますやん(笑)。

 

土屋 「強い薬ください」みたいな(笑)。

 

――ドロンズの大島直也さんも、ミネソタの町はずれでヒッチハイクしていたら、4発ぐらい拳銃の音がしたそうで。小屋に逃げ込んで怖かったと言ってましたが。

 

土屋 そうそう。銃は何発かとんだね(笑)。「タイで象に覚醒剤を射つ、悪い人達を注意したい!」というので松村が行ったときにも、ギャングの銃声がありました。

 

――あの企画こそヤバかったですね。ギャングがカメラに向かって撃ってきて、映像に銃の火花が映ってましたから。威嚇とかのレベルじゃなかったですよ。松村さんもギャングに拉致されて、タイの警察が出動して救出しましたから。あれはバラエティではなく、ただの事件ですよ(笑)。あまりにも危険すぎて、このままだとケガ人が出そうだからロケ中止とかはなかったんですか?

 

土屋 ないですね。ケガ人って出ないんだよね。

 

――そんなことないでしょ(笑)。タイのギャングに撃たれたときも、紙一重のように見えましたが。

 

土屋 スピードのついている綱渡りって、落ちないんですよ。

 

――なにか名言めいたものが飛び出しましたが(笑)。どういうことですか?

 

土屋 ビビりながら、こわごわ行く綱渡りって落ちるじゃないですか? 俺らは頭がおかしいから、ダァァーって行って落ちない。

――だからケガをしないという土屋理論(笑)。

 

土屋 そうそう。

 

――そんな土屋さんが、今度、最先端技術を使った新しいイベントを仕掛けるそうですね。

 

土屋 「NO BORDER」という誰でも楽しめるコンテンツです。3Dスキャナーを使って3Dアバターを作成、観客自身がアバターとなって、ステージ上でダンスを踊れます。

 

※土屋氏がプロデュースするライブエンタメ『NO BORDER』は、7月7日から9月16日まで、大阪クールジャパンパークで開催


取材・文/インタビューマン山下

 

 1968年、香川県生まれ。1992年、世界のナベアツ(現・桂三度)とジャリズム結成、2011年に解散。同年、オモロー山下に改名し、ピン活動するも2017年に芸人を引退。現在はインタビュアー・お笑いジャーナリスト

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