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アメリカで人気の日本人ダンス講師、その秘密は「チアの精神」

エンタメ・アイドル 投稿日:2019.09.01 11:00FLASH編集部

アメリカで人気の日本人ダンス講師、その秘密は「チアの精神」

佳子さんのクラス

齋藤佳子さん

 

 アメリカで大ブームのダンス「ズンバ」。ある日、1時間ほど声を上げハイテンションになりながら踊ってみたら、412カロリーを楽しく消費することができた。筆者が参加したのは、日本人インストラクター齋藤佳子さんのクラスだ。

 

 佳子さんは難関と言われるNFLサンフランシスコ49ersで唯一の日本人チアリーダーとして活躍した経歴を持ち、日本では「プロフェッショナルチアリーディング協会」代表理事を務めている。

 

 

 テレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)に、「チアリーディングの世界」のナビゲーターとしても出演しており、ひときわ目立つ華やかさを放っている。

 

 2017年、佳子さんが近所のフィットネスジムでズンバを教え始めた。

 

 ズンバはノリのいい曲を中心に構成されるダンスで、選曲や振付などの自由度が高く、参加者たちのレベルや年齢、性別、人種に関わらず楽しめる。特に自由の国アメリカでは、細かい振付は気にせず、それぞれが思い思いのスタイルで汗を流す。

 

 佳子さんのクラスは人気を集め、生徒やマネージャーから他のスポーツクラブでも教えてほしいと熱心な誘いを受け、次々とクラスが増えた。

 

 あるジムでは彼女のクラスを誘致する署名運動が起こり、またあるジムでは整理券が配られるなど、瞬く間に人気者となったのだ。

 

 昨年オープンしたフィットネスクラブでは、多数の応募者のなかから最終3名のインストラクターの座を勝ち取り、今や4つのスタジオで7クラスを掛け持ちするようになった。

 

 佳子さんの人気の秘密はなにか。

 

 ズンバは、インストラクターの選曲センスや振付、声かけなどにも個性や持ち味が出る。インストラクターには腰をグルグル回してセクシーな動きを追求する人や、オールディーズの曲をたくさん使い中年層に人気の人などがいる。

 

 佳子さんの振付には、時おりチアリーダーを彷彿させる動きがあり、若い女性に喜ばれている。実際、彼女の生徒の9割以上が女性である。

 
 長年のダンス歴から来る動きは完璧。時おり張りのある声で生徒を鼓舞し、スタジオ内を縦横無尽に飛び回り、隅々に気を配りながらクラス全体をエネルギッシュに盛り上げていく。アメリカでは決して大柄ではない佳子さんだが、スタジオ内の彼女は堂々としていて、むしろ頼もしい。

 

 ついに、彼女目当ての追っかけ組も登場した。

 

 シリコンバレーでエンジニアをしているジムさんは、いつも最前列をキープ。曲や振付を熟知しているため、頃合いを見計らって陽気な声を上げたり、周りの人を巻き込んで踊ったり、クラス全体の盛り上げ役となっている。「Keikoの笑顔や容姿、選曲、すべてが一番」だと語る。

 

 普段は冷静沈着な薬剤師をしているタントリーさんは、日々のズンバ通いのおかげで、最近めっきり艶やかになったと評判だ。「Keikoが私の人生を明るくハッピーにしてくれた」と話す。

 

 こうした追っかけ組は、お目当てのインストラクターのクラスを受けるため、複数のスポーツジムの会員となる。「佳子さんがもし新しい場所でクラスを始めたら?」と聞くと、「もちろんついて行きます」と笑顔で答えてくれた。

 

 生徒には大手IT企業の創業者やスタンフォード大学教授、ベトナムのボートピープルや中南米から徒歩で移民した人達まで、多種多様なバックグラウンドを持った人々が集まっている。

 

 佳子さんは、いまの思いをこう話す。

 
「私のライフミッションは人々や社会を『Cheer Up(元気づける)』し、笑顔にすることです。アメリカ、そして特にシリコンバレーでズンバを教えることで、出身地、文化、宗教、性別、言葉を越え、ハッピーなエネルギーを共有しあい、クラスが一体となるところに、特別な意義を感じています。

 

 私の信念である『チアの精神(笑顔、前向きな気持ち、他を尊敬する気持ち、一体感など)』が、アメリカ人だけでなく、万国共通に受け入れられることを実感し、私の信念は間違ってなかったと確信しました」

 

 佳子さんの言葉には、アメリカだけでなく、今後、外国人が激増するかもしれない日本でも生き抜くための知恵が込められている。(取材・文/白戸京子)

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