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小手伸也「満を持して売れた」役者人生20年はラーメンとともにエンタメ・アイドル 投稿日:2019.09.23 06:00

 小手伸也「満を持して売れた」役者人生20年はラーメンとともに 

 

「ここで、初めてトムヤムクンの味を知りました。衝撃的でしたね(笑)。それで、エスニック料理のおもしろさにハマりました。学生のころと違って、店が華やかになって店舗もぐっと増えましたね。でも僕にとっては早稲田通りのこのお店がいちばんです。

 

 いまでは、いろんなお店でトムヤムスープのラーメンを食べられるようになりましたが、僕はここの味がいちばん好き。だから『ティーヌン』を超えるか、超えられないかが、あらゆるラーメンの評価基準みたいになっています」

 

 

 俳優の小手伸也(45)が、かれこれ20年以上足を運ぶのが、辛味と酸味がきいた “トムヤムラーメン” の元祖「ティーヌン西早稲田本店」だ。汗が噴き出すのも気にせず、スプーンはガパオライスに向かう。こちらが思わず笑顔になってしまうような食べっぷりだ。

 

「ライスも頼んで、麺を食べ終わったスープに投入します。学生以来の鉄板コースですが、40歳を超えてからは、汁の最後の一滴まで楽しむのは難しくなりました(笑)」

 

 小手が演劇にハマったのは、ひょんなことからだった。

 

「高校時代は、いろんな部活の助っ人をやっていたんです。『低音パートが足りないから』と、その大会だけコーラス部に参加。山岳部では、槍ヶ岳や谷川岳など、標高2000~3000m級の山を登りました。

 

 演劇部も助っ人だったんですが、いちばんハマったというか、僕自身が楽しくなってしまった」

 

 東京大学では野田秀樹の「夢の遊眠社」、早稲田大学では鴻上尚史の「第三舞台」……。小手の高校時代は、まさに小劇場ブーム。

 

 演劇に目覚めた小手が夢中になったのが、早大の演劇サークル「演劇倶楽部」の八嶋智人らが旗揚げした、「カムカムミニキーナ」だった。

 

「旗揚げ直後の第2回公演を観たんですが、一気にハマりました。演劇を勉強するなら、彼らと一緒にやりたいという気持ちがすごく強くなって。でも、僕が入学するのに2年かかってしまったので、八嶋さんたちはもう4年生になっていた(笑)。

 

 ただ、僕は名前をアンケートとかに書いていたので、覚えていてくださった。それ以来、『カムカムミニキーナ』には、劇団ぐるみで、お世話になっています。八嶋さんとの上下関係もそれ以来です(笑)」

 

「カムカムミニキーナ」に憧れて早大に入学した小手だったが、入団はせず、みずから劇団「innerchild」を旗揚げする。大学卒業直前、1998年のことだ。

 

「好きすぎて入れなかったというか、カムカムに『出たい』より『観たい』思いが強かったのかな。それに、いろんなことに興味が湧いてきて、『自分でも劇団を作って、脚本を書いてみたい』という欲望が勝ったんです」

 

 劇団運営は想像以上に大変だった。生活費の9割を劇団運営に捧げ、30歳を過ぎても実家暮らし。今では有名な話となった「通販番組のコールセンターでのアルバイト」も、最近まで週3、4日で続けてきた。バイトがない日は、劇団の練習と脚本書き。それでも小手に焦りはなかった。

 

「『いつかはテレビに……』といった上昇志向も、『この苦しさがいつか花開く』のような夢想もありませんでした。『本当にいまやりたいことのために頑張る』とか、わりと刹那的でした。だから僕自身 “下積んでた” っていう意識がないんです」

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