9月24日の放送で11年の歴史に幕を閉じる『AKBINGO!』(日本テレビ系、24時59分~)。メンバーにとって初めて経験したバラエティ番組は、まさに「芸能人生の原点」だった――。
「AKB48の公演を初めて見て、魅力的だと感じたんです。なんとか彼女たちを広めたいと思った」
そう語るのは、同番組プロデューサーを務める毛利忍氏だ。2008年1月には前身番組となる『AKB1じ59ふん!』を立ち上げた。2カ月後には『AKB0じ59ふん!』、さらに半年後には、現在の『AKBINGO!』が誕生した。
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「スタッフも全員AKB48に入れ込んじゃって。スタッフの熱量が高かったのも、この番組の特徴かもしれません」
その熱量ゆえ、最終回の収録には、歴代スタッフが大勢駆けつけたほどだ。
「番組作りの醍醐味は、やっぱり彼女たちの “ちょっとしたきっかけ” を見つけて、次の収録で膨らませてあげること」
メンバーを語るときの毛利氏は本当に嬉しそうで、柏木由紀についてこう語ってくれた。
「彼女がある企画で、ふと『私、このゲーム向いていない』とリアクションして。文字にしてみるとそうでもないですが、なんかおもしろかったんです。そこで、次の企画会議で柏木を推したんです」
するとその企画(ドッキリ)がかなりハマったようで。
「そこから、どんどんリアクション芸が上手になっていったんですよ。1回ごとに成長が見られて楽しかったです」
グループとしての成長を感じた瞬間もあったそうで、「ジョシ・ジョーシキ5」という企画がまさにそうだったという。
一般の女子高生からアンケートを取り、カラオケでよく歌うアーティストを集計。そのランキングをメンバーが当てるというものだ。
「アンケートでは、空気を読んで回答しないように、『AKBINGO!』の名前を絶対に出さないようにしました」
当時はスタッフ、メンバーともに、「AKB48は、一部の男性ファン以外にはまだまだ知名度が低い」という認識だったそうだ。
「1位だけが、なかなか当てられないんです。ことごとく外れるもんだから、大島優子がダメ元で『AKB48』って少しウケ狙いで言ったんですね。『テレビ的においしい』と思って。
すると、それが正解だったんです。その瞬間ボロボロに泣き崩れちゃって。前田敦子も高橋みなみも同じように大号泣しちゃって」
そこから、スタジオにいたメンバーたちも大号泣した。毛利氏は、「バラエティの神が降りた」と感じたという。
「それまで『売れてる』っていう実感がなかったものが、初めて数字として出てきて、嬉しかったんでしょうね」
まさに “AKB時代” の夜明けの瞬間だった――。そんな「AKB48愛」の深い毛利氏が、メンバーにいつも伝えていることは。
「『とにかくバッターボックスに立って、バットを振る。空振りでもいいから全力で振り続けろ』と。すると、本当に使えるコメントが増えてくる」
続けてこうも語った。
「でもね、僕自身がAKB48に人生を教わっているんです。『一度失敗しても、頑張っていたらいつか打席がまわってくる。そこでバットが振れてヒットが打てればいいな』って」
(週刊FLASH 2019年10月8日号)