伝説的セクシービデオの監督・村西とおるが『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~』(テレビ東京系)の9月26日放送回に出演。山田孝之が主演して大きな話題を呼んでいる、ドラマ『全裸監督』(Netflix)のモデルである自身の半生について、金銭事情を明かした。
1984年にデビューした村西監督は、数々の有名女優を発掘し、1980年代後半から一世を風靡。その稼ぎは、すさまじいものがあった。
「私は、『3000万円の男』と言われていました。1つの作品を撮ると、当時は約1億円くらいの売り上げがあがると。たとえば松坂(季実子)さんの作品は、1万本以上売れるんですよ。1本1万5000円~1万6000円の金額で、それだけで1億数千万円の売り上げなんです。
年商では、100億円ぐらいありました。私は会社のオーナーですから、使い放題みたいなところはありますね。と言ったって、月に1億円とか2億円程度ですけど」
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そんな大金を、いったい何に使っていたのだろうか。
「仕方がないんですよ。たとえば松坂さんは、ギャラが200万~300万円で仕事をしているんだけど、彼女は私が1億円儲かっているのがわかるわけ。
で、一緒にお食事に行ったり、洋服を買いに行くでしょ? するとちょっとした洋服も1点もので、2000万~3000万円のを買ってあげるわけ。ギャラであげると、彼女の所得になっちゃうから。『私はあなたに対して、こういう形で貢献してますよ』という、“エールの交換” ですよ。やっぱり性根を見られているから、ケチなことをやっちゃダメ。
ちょっと3~4人連れて買い物に行きますと、もう5000万~6000万円使っちゃうというケースもありましたね。それぞれが5000万~1億円も儲けさせてくれる子たちだから、『今日はこれだけ使おう』と思って、お金をアタッシュケースに入れて行くわけですよ。予算を超えたら、小切手を切ってね」
しかしバブル崩壊や、衛星放送事業の失敗により、50億円もの借金を負うことに。
「月に8000万円ずつ返して、2年間で1500本くらい作品を撮りました。女優たちをスタンバイさせておいて、だいたい1日に6本くらい、ひとり2時間ぐらいずつ撮るわけ。
で、スタンバイさせていても、女優の気持ちが盛り上がらなきゃいけない。気持ちづくりをイチからやるわけにいかないから、大きなスタジオでベッド1つ置いて撮るんだけど、すぐそこにスタンバイさせて、前の撮影の音だけを聞こえるようにしておく。
それで終わって、『ご苦労さま! 次の方どうぞ!』と言うと、もう準備ができているという(笑)。最盛期には、2日間で50人を撮ったことあります」
さしあたり闇金から借りていた20億円を、本業に集中して2年で返済。過酷な日々を乗り越えられたのは、ひとえに「だれも撮ったことがない作品を」という創作魂から。ところが、そのせいで、米国で逮捕されることに……。
「零戦が真珠湾に特攻していったでしょ? 同じコースをセスナを2機飛ばして、同時に機内で撮影したんですよ。これが、FBIにわかって捕まっちゃって。裁判で求刑が懲役370年。
私とスタッフ15人が一緒に捕まりましたが、スタッフは全員無罪。私は、5000万円で雇った弁護士が司法取引に持ち込み、2800万円の罰金を払って釈放されました。勾留中の費用などもふくめて、約1億円ぐらいかかりましたね」
まだ現役かとMC陣に問われると「はい、仕事でございますから」と笑顔で答えた村西監督。彼のタフな魂こそが、ドラマ『全裸監督』の魅力なのだ。