おじさん芸人「ビックスモールン」TikTokで再ブレイク

「オリンピック」（左からチロ、ゴン、グリ）

　いま、10代の若者を中心に人気の動画投稿アプリ「TikTok（ティックトック）」を活用し、海外で大ブームを巻き起こしているトリオがいる。ビックスモールン。かつて『爆笑オンエアバトル』『エンタの神様』などで活躍し、メンバーのうち2人は40代というベテラン芸人だ。

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　海外でブレイクといえば、「ピコ太郎」が記憶に新しい。SNSを駆使した中年世代がいかに再ブレイクを果たしたのか、本人たちに聞いた。

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――長らく44歳のゴンさんと42歳のチロさんでのコンビ活動でしたが、2019年5月、28歳のグリさんが加わって、トリオとして再出発しましたね。

チロ「3人になって、ネタがパワーアップしたんです。コンビでの18年間、アイデアや見せ方の工夫をしてきたけど、グリの加入で幅が広がった」

グリ「加わる僕は不安でしたけど、観る人に喜んでもらえてるようなのでひと安心です」

――「なりたいな、なりたいな！」の前フリに続き、アクロバティック芸を披露する「ボディーアート」が、彼らの持ち芸。

ゴン「『オリンピック』というネタがあるんですが、僕のTikTokでは、いちばん拡散されてて。世界で “77万いいね” を記録しています。10年以上構想していて、2人だとどうしても5つの輪ができない。でもグリが入って、すっぽりハマった」

――そもそもTikTokで発信を始めたきっかけは？

ゴン「それまで暇なときはずっと、『ポケモンGO』をやってたんですけど、『どうせならビックスモールンのためになることをしよう』と、半年前に始めました。

　チロちゃんが『ウーバーイーツ』のバイトばかりで手伝ってくれないから、最初はひとりで。グリが加入して1カ月くらいたつと、だんだんバズるようになったんです」

グリ「僕の自己紹介動画を上げたら、サウジアラビアでむっちゃバズって。コメントが全部アラビア文字で、翻訳したら、『アッラーの神を信じますか』とか書いてる。たぶん、僕の衣装（緑と白の縞柄）が国旗の色に似てるから、注目されたんじゃないかと……」

チロ「次の投稿で、『自分も弟子にしてくれ』ってお願いが、世界中から来たんだよね」

「『鳩時計』は静止しないといけないから、腹筋がきつい！」（チロ）

――再生回数では、「鳩時計」ネタが一番人気だとか。

ゴン「710万回再生で、鬼バズリしてますね。いいねの数は『オリンピック』のほうが多いけど、海外の人に真似されるのは断トツで『鳩時計』。

　数値化したデータが見られるんですが、いちばん再生されてる国はアメリカ。アメリカ寄りのネタも考えてます（笑）」

　最近は日本でも、TikTokで彼らを知り、ファンになった中高生が増えている。

チロ「電車内で高校生から、『TikTokの人ですよね』って声かけられます」

ゴン「じつは、いまの僕たちを観て盛り上がってるのは小中高生。30、40代の人たちは、この人気を不思議がってます」

グリ「僕は実社会で『昔、テレビに出てた人でしょ』みたいに思われたままなのは、納得いってないですけどね」

ゴン「ズケズケ分析してんじゃねーよ！（笑）」

　新陳代謝を図り、TikTok戦略は大成功。目下の目標は、もちろんオリンピックだ。

ゴン「出られるなら2秒でいい。開会式で僕らの五輪マークを全世界の人に楽しんでもらいたいですね」

びっくすもーるん
チロ　1977年4月21日生まれ、ゴン　1975年6月21日生まれ、グリ　1991年1月2日生まれ。2001年にコンビでデビュー。2017年、2018年とNY・アポロシアターの舞台に立った

（週刊FLASH　2019年10月8日号）