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『同期のサクラ』高畑充希の強すぎる目力が吉と出るか凶と出るか
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.10.16 11:00 最終更新日:2019.10.16 11:00
電車のなか、誰かの視線を感じ振り返ると、そこに高畑充希がいた。連ドラ『同期のサクラ』(日本テレビ系、水曜22:00~)のポスターだ。
高畑演じる北野サクラが、蜘蛛の巣状に割れた眼鏡の奥からまっすぐな鋭い視線を注いでいる。キャッチコピーは『バカがつくほど正直で忖度知らずのサクラと、その同期たちの夢追う10年記。』と『まっすぐすぎて傷だらけ だけどサクラは今日も咲く。』の2バージョン。
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表情は重く暗く、「夢」や「咲く」といった明るい言葉が似つかわしくない。
「あの大きな目で見つめられると、何だか見透かされてるみたいで、思わず目をそらしたくなるんですよね」と、ドラマウオッチャーの晴川日月奈氏も言う。
「今回のドラマは、『過保護のカホコ』と同じスタッフ、脚本家が、高畑さんと再びタッグを組んで制作していますけど、ストーリーのトーンがまるで違うので、カホコのファンは戸惑うかもしれませんね」(晴川氏)
10月9日に放送された第1話、主役のサクラは重い脳挫傷で意識が戻るかどうかわからない状態で登場する。管でつながれたサクラを不安げに見守るのは、月村百合(橋本愛)、木島葵(新田真剣佑)、清水菊夫(竜星涼)、土井蓮太郎(岡山天音)の同期4人だ。
彼らはサクラの影響を受けて、妥協や忖度をせず、夢に向かって、それぞれ2019年の東京で生きている。だが、ドラマはそこから一気に10年前へとタイムスリップ。
2009年4月、サクラは安アパートで暮らしていた。新潟の島出身で、島に橋を架ける夢を実現するため、大手ゼネコン『花村建設』に入社した。
幼くして両親を亡くし、祖父に育てられた。小学校からずっとクラスメートがおらず、ひとりぼっちだったサクラは、空気を読まず、常にマイペースで、思ったことをそのまま口にする。
百合たち同期4人は、新入社員研修でたまたま同じ班になっただけだが、サクラは「同じ夢や理想を抱く仲間と出会えた」と勝手に思い込む。4人は否応なくサクラのペースに巻き込まれ、サクラの思い描く理想の橋の模型作りに付き合わされる。
何度となくダメ出しされ、たまらず妥協案を口にしかけるが、サイボーグのような無表情で正論を語られ、底知れぬ大きな目でじっと見つめられると、みんな口を閉ざしてしまう。
4人はごく普通の若者で、サクラのような明確な目標を持っているわけではない。それでも空気を読み、人に合わせることを知っている。だからサクラに合わせ休日返上で頑張り、ようやく模型が完成したと思った矢先、またもサクラがダメ出しする。
我慢に我慢を重ねてきた百合がついにキレ、「いい加減にしてくンないかなあ。アンタが夢とか理想を必死こいて語るから、こっちは気イつかって、つき合ってやってたけどさあ。そっちに振り回されるために、こっちがどれだけ迷惑してるか、わかってンの?」と、本音をぶちまける。
キツイ言葉を投げかけられても、サクラは一切表情を変えない。さらに、希望の土木部に行けず、人事部預かりになった後も、落胆した様子を見せず、みんなの前で堂々と宣言する。
「私には夢があります。ふるさとの島に橋を架けることです。私には夢があります。一生信じ合える仲間をつくることです。私には夢があります。その仲間と、たくさんの人を幸せにする建物をつくることです。それだけはあきらめられないので、 私は自分にしか出来ないことをやります」
第1話を見た晴川氏がこう語る。
「あまりにも強いですよね。サクラに感化されて、10年の間にみんな成長し、一生信じあえる仲間になっていく、というストーリーラインは素敵だと思います。
サクラがどうして脳挫傷になってしまったのか、隣のご夫婦がどういう役割を担うのかも気になります。
だから見続けるとは思いますが、あの目力が強すぎて、ちょっと疲れるというか……そんな甘っちょろい生き方でいいの? って、視聴者の私たちも問いかけられているみたいで……」
遊川和彦氏の脚本は、『女王の教室』『家政婦のミタ』に代表されるように、奇想天外な発想で面白いが、主人公が強烈な個性を持っていて、周囲の人間を翻弄するパターンが多い。エンターテイメントの形を取った現実への問題提起、現実批判が裏テーマにあり、世論を巻き込んで賛否両論を呼ぶこともある。
『過保護のカホコ』は誰にも好かれるドラマだったが、『同期のサクラ』はすでに賛否両論。「涙腺崩壊」「ヒジョーにいい作品」と肯定的な人もいれば、「こんなやつ同期だったらまじ嫌いだわ」「まばたきしなさすぎて怖い」と否定的な人も。
第1話の視聴率は8.1%と振るわず。1話で1年ずつ、10年の物語を紡ぐという新しい試みは果たして成功するのか。
第2話は就職して2年目、2010年5月のエピソードが語られる。人事部のサクラが、上司から「経費削減のため無駄な残業時間を減らせ」と命じられるが、同期の菊夫がいる営業部は残業時間が増える一方。周りに忖度しないサクラが、どんな騒動を巻き起こすのか。10月16日は高畑充希の強すぎる目力に注目してみよう