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斎藤洋介「やめたらずっと1年生だ」俳優業40年を支える父の言葉エンタメ・アイドル 投稿日:2019.10.16 20:00

斎藤洋介「やめたらずっと1年生だ」俳優業40年を支える父の言葉

 

「僕がいつ実家にふらっと帰ってもいいように、亡くなった父が必ず、これを1本置いておいてくれたんです」

 

 まんまるの氷を揺らして、うまそうにグラスを傾ける。スコッチウイスキーの「バランタイン ファイネスト」は、斎藤洋介(68)がもっとも好んで飲む酒だ。

 

 

「昔は3000円~4000円はしたんだよ。それが、いまは1000円くらいで買えるんだから。こんなにうまいのにねえ」

 

 俳優業を始めて40年以上。この仕事を続けているひとつの理由が、父の言葉だった。

 

「僕が29歳で結婚して、2、3年したころに父が名古屋から上京してきまして、ホテルのバーラウンジで飲んだんです。そのときに『お父さん、僕は芝居でもう3年頑張ってみたい。それで芽が出なければやめる』と言ったんですよ。

 

 父は僕が俳優になるときは猛反対したのに『いまやめたら、何をやってもずっと1年生だぞ。やりだしたら、やりつづけるのが、お前の仕事だろう』と。

 

 生まれて初めて認められたようで、その言葉がずうっと、頭から離れなくてね。それを支えに、続けている部分もあります」

 

 斎藤の息子2人も、俳優を志した。

 

「自分がやっている仕事なんで、反対する理由が見つからないんですよ。『賛成はしないけど、自分で責任を取れよ』と言いまして、次男(斉藤悠)はいまも俳優です。共演したこともありますが、ちゃんと自分でやっていました」

 

 息子たちが子供のころには、よく食事を作った。

 

「冷蔵庫の残り物で、オムライスを作りましたね。フライパンに生卵を割って、菜箸でばーっとまわして、半熟状態のまま、チキンライスの上にぱっとのせる。卵をナイフですっと切ると、ダラーッと広がりますよね。それを息子が嫌がるんですよ。『もっと卵をパリッと焼いて』って(笑)。

 

 でも、肉料理だけは柔らかめが好きみたいで、『おとんが焼いて』って言ってました。家内に『豚肉以外は、たいがいは半生でも食べられるんだ』と何度言っても、『何かあったら大変』と、火を通しすぎるんです(笑)」

 

 もともと、斎藤は建築家志望だった。だが、教師に「数学のセンスがない」と言われ、舞台美術の道へ。大学の演劇部で裏方を務めていたある日、思いがけないことが起こる。

 

「俳優がひとり足りないからと、無理やり出演させられて、そのときに初めて、照明ってものを浴びたんですね。『あっ。気持ちいいもんだな』って。

 

 その気持ちよさを知ってしまってからは、声を出して新聞を読んで、テープレコーダーに録音して、ここがうまくしゃべれていないと、練習するようになりました」

 

 それでも、滑舌の悪さは斎藤を悩ませた。

 

「そんなとき、マーロン・ブランド主演の『地獄の黙示録』(1979年、フランシス・フォード・コッポラ監督)を観ましてね。彼のセリフまわしは、アメリカ人でも、何を言っているかわからないだろうなと思った(笑)。

 

 でも、圧倒されるんですよね、その存在感に。それ以来、『セリフは道具だ、縛られる必要はないんだ、これも個性なんだ』と開き直れるようになりました」

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