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映画制作でタッグ「斎藤工×永野」時代のノリに反抗する同志

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.11.30 06:00 最終更新日:2019.11.30 06:00

映画制作でタッグ「斎藤工×永野」時代のノリに反抗する同志

 

 俳優・斎藤工(38)とお笑い芸人・永野(45)。異色のコンビがタッグを組んだ、映画『MANRIKI』が公開される。ホラー、サスペンス、コメディ……ジャンル分け不可能な本作は、永野の世界観に惚れ込んだ、斎藤のラブコールによって実現した――。

 

「僕は、観客が数人くらいしかいないころから、永野さんのライブを観させていただいていました。以前から、小劇場で観ていた永野さんのコントに、“映画的な何か” を感じていました。

 

 

 テレビでは、『ゴッホより、ピカソより、ラッセンが好き!』の歌ネタで有名ですが、ライブの永野さんは、その独特の世界を映像化したくなるような、完全なアーティストだったんです」(斎藤)

 

 2016年、ライブを観に来ていた斎藤に、永野はあるコントのアイデアを話した。

 

「斎藤くんは、本当に何度も僕のライブに足を運んでくれて、毎回感想を事細かに話してくれました。人が、見たくても目を背けてしまう闇。そこにあるおもしろさや真実に、2人とも興味があり、共鳴していたんです。

 

 僕は、ファッションショーで見た小顔のモデルたちに違和感を覚え、『万力』のコントを思いついた。そのアイデアを斎藤くんに話すと、『それを映画にしたい』と言いだしたんです」(永野)

 

 小顔に憧れる新人モデルを、「万力」で矯正する「美容整顔師」――。そんな異様な世界を描いた映画『MANRIKI』製作のために、斎藤と永野は、映画監督の清水康彦、俳優でミュージシャンの金子ノブアキ(同作では音楽監督を担当)らと、「チーム万力」を結成。

 

 永野のコントをもとに3本の短編映画を製作したあと、ついに同作を完成させ、11月29日の公開にこぎつけた。

 

 企画・プロデュースを2人が務め、永野は原作・脚本も担当。劇中で、斎藤は、永野の分身ともいえる「美容整顔師」を怪演している。斎藤は、永野独特の世界観を映画にするために、奔走した。

 

「なかなか企画が通らず大変だったのですが、永野さんの脳内を映画的に表現できれば、国内外に発信できると確信し、動きつづけていました」(斎藤)

 

 そこまで斎藤が、「永野の世界の映画化」にこだわったわけを聞いた。

 

「いまの時代に、僕は、『人が目を背けたくなるようなもの』をあえて映像化したかったんです。

 

いまの映画は、作品のパターンが決まってきているように感じます。映画の自由、ドラマの自由より、“安堵感” が時代的に求められている。でも僕は、時代には左右されない、誰にも見せない部分や、膿んでいる闇の部分こそが映画的だと思うんです。

 

 単独ライブの永野さんのネタは、エッジの利いた映画の領域です。デヴィッド・リンチ監督やニコラス・ウィンディング・レフン監督のように、独特で難解な題材を描きながらも、広く評価されるような世界観を、永野さんは持っているんです」

 

 一方、永野の思いはシンプルだ。

 

「この映画は、『ヒットさせよう』『何分くらいの長さに収めよう』といった考えはまったくなく、本当に好きに作ったんです。むしろ、映画を作るというよりも、『自分の中の妄想を、ひたすら広げて画にする』という感じでした。

 

 作品を観た人が『あれ、こいつら本気じゃん?』と感じてくれたら、最高ですね」(永野)

 

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