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【もう一度見たいバカ番組】(5)テリー伊藤「オチに困ったらなんでも爆発と万歳三唱!」  

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2016.06.14 14:00 最終更新日:2016.06.14 14:29

【もう一度見たいバカ番組】(5)テリー伊藤「オチに困ったらなんでも爆発と万歳三唱!」  

 

 バラエティ番組の歴史は、お笑いという戦いの連続だ。ドリフの『全員集合』の天下をビートたけしの『ひょうきん族』が奪い、欽ちゃんの牙城に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』を作ったテリー伊藤が語る。

 

「飽きっぽいんです。昨日面白いと思ったことが、今日はもう変わってる」

 

 放送作家のそーたにさんも、日テレプロデューサーの土屋敏男さんも「テリーさんは24時間、番組のことを考えているから、 何を見ても『これ面白いな』と察知して企画にした」という。

 

「友達の街が寂れてるのを見て、テレビの力で面白く盛り上げられないかと思ってやったのが『元テレ』の熊野前商店街。それが『元気が出るハウス』のヒットにつながった。着想は僕のおふくろが、通販番組で健康器具を買ったこと。当時その手のCMは怪しい印象があったけど、おふくろのような真面目な人でも手を出すんだから、テレビの力って凄いなと思ったんです」

 

 テリー伊藤のアンテナは『浅ヤン』で威力を発揮、濃いキャラを発掘した。

 

「赤坂離宮で飯を食ってたら、周富徳さんがやたら客前に出てきて料理の自慢話をしてるわけ。面白いコックがいるなあと思って。腕は一流なんだから黙って厨房にいればいいのに、有名人が来ると、またすぐ出てきて得意げにしゃべってる。この人を出したら面白いと思って、金萬福さんとか連れてきて対決させたのが中華大戦争でした」

 

 “浅ヤン伝説”のひとつ「整形シンデレラ」は、一般女性に美容整形をして、ビフォー・アフターを見せるという画期的な企画だった。

 

「整形手術をテレビで見せるのも凄いけど、見せられたスタジオの客が笑っていいのか戸惑って着地点が見えない。そこでテリーさんが『昔の顔の写真を爆破しろ! で、万歳三唱だ!』って、見事なオチをつけた」(水道橋博士)

 

 キレイになって、いい音楽を流して感動的に終わらせたくなかった。

 

「苦し紛れで爆発と万歳。もう勢いだけ。その後、どんなコーナーでも最後は万歳三唱で乗り切った」

 

 同じく爆破が名物の『お笑いウルトラクイズ』は短期間で特番を撮らなければならず、スケジュールが空いているタレントしか起用できなかった。

 

「それが逆によかった。売れてる人を呼んだら、あんなことはできない。ダチョウ倶楽部や出川(哲朗)さんの『ここでのし上がってやろう』という気迫が『聞いてないよ~』などを生んだ」

 

 そーたにさんが解説する。

 

「テリーさんは過激なことをやろうとしてるんじゃなくて、自分が面白いと信じたことをやってるだけだと思う。土屋さんの『電波』も同じ。『俺は過激だ』という人に限ってたいして過激じゃない。『俺は不良だった』と言う人のスケールが小さいのと同じ」(そーたにさん)

 

 テリー伊藤の企画の原点とは?

 

「僕はたんにバカバカしいことが好き。オチも何も関係ない。チャップリン全盛期の作品は、人をぶん殴って笑いにしている。ドタバタを超えて、もう暴力映画みたい。それがまた最高に 面白いんですけどね」

 

てりーいとう 演出家 1949年生まれ 東京都出身 制作会社IVSを経て自らの制作会社ロコモーション設立。『元気が出るテレビ』『ねるとん紅鯨団』『浅草橋ヤング洋品店』など多数のヒット番組を手がける

 

(週刊FLASH 2016年5月24日号)

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