芸能界きってのねこ好きとして知られる女優の川上麻衣子(53)が、2019年12月22日、東京都内で開催された、ねこに関するイベント「にゃんぱく~ねこの万博~」に参加し、「ねこは、人生の師匠です」と題したトークショーをおこなった。
会場には60人を超えるねこ好きたちが集まり、愛情あふれるねこ談義に真剣な表情で耳を傾けていた。
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川上がねこと最初に暮らすようになったのは、18歳のころ。以来、ねことの生活歴は35年になる。これまで7匹のねこと生活をともにし、5匹を看取ってきた。
その名前を順番にあげると、ミリオン(♂)、ローサ(♀)、リッカ(♂)、グリ(♀)、そしてアクア(♂)だ。この5匹を看取った経験をもとに、彼女は、ねことのより幸せな暮らし方を世間に広めたいと考えるようになった。
トークショーではまず、それぞれの子たちとの思い出や、現在、一緒に暮らす、いずれも保護ねこのココロ(♀)、タック(♂)との出会いなどが語られた。
「1980年代のはじめ、芸能界で活動を始めたころから、『自立して一人暮らしができるようになったら、ねこを家に迎えたい』とずっと思っていたんです。最初の子は、新宿にあるデパートのペットショップで出会いました。当時、流行していたヒマラヤンでした」
「ミリオン」と名付けたその子が、川上の最初の “師匠” となった。
「ねこと暮らした経験のない私でしたが、この子と暮らすなかで、ねことはどういう生き物なのかを学んでいきました。7年ほどミリオンと “2人” で暮らしていました。
あまりに溺愛しすぎて、7歳を過ぎたころ『いつかミリオンも死んでしまうんだろうか』と考え出したら、それだけで号泣してしまうような状態でした。
自分自身、ちょっと不安になって、周囲もよくないんじゃないかということで、もう1匹、ヒマラヤンをお迎えすることにしました」
そのローサが川上家にやってきたのは生後2~3カ月のころ。気になるのは、先住のミリオンとの相性だ。
「ドキドキの状態でローサを家に連れて帰ったら、1時間もしないうちに、ミリオンがローサを舐めて、毛づくろいを始めたんです。
たぶんミリオンにとっては、ずっと自分が人間だと思って暮らしてきたと思うんです。それがローサを見て『自分がじつはねこだったんだ!』と初めて気づいた瞬間だったのでは(笑)。
同じヒマラヤンだったのもよかったのかな、と。2匹は本当に仲よしで、ずっと一緒に過ごしていました。私よりも、ミリオンがローサの面倒をみてくれました」
ローサは体が弱く、子供を産むことは難しかった。そんな折、2匹の主治医から「飼い主を募集している子ねこがいるがどうか」とすすめられたのが、ロシアンブルーとアメリカンショートヘアのミックスだったリッカだ。
「リッカは独立した感じで、ミリオンとローサは相変わらずべったり……という状態がしばらく続きました。そうこうしているうちに、ミリオンが16歳で突然、体の具合が悪くなり、亡くなって……。
それが、私にとって初めてのねこの看取りでした。それまで経験したことのないことでしたから、不安はたくさんあったんです。でもミリオンは、あまりにも美しく、力強い命の使い方をみせてくれたので、ペットロスというより、亡くなってもまだ自分の身近にいるような気持ちになれました。
いまでも私にとってこの子は特別で、ねこというより “自分の分身” だったような記憶があります」