エンタメ・アイドルエンタメ・アイドル

自分の居場所はひとつだけ…近江谷太朗が振り返る「役者の道」

エンタメ・アイドル 投稿日:2020.02.29 16:00FLASH編集部

自分の居場所はひとつだけ…近江谷太朗が振り返る「役者の道」

調理・ホールなど、なんでも担当したバイト時代

 

 そして2000年、演劇ユニット「プレイメイト」を立ち上げた近江谷は、2002年にキャラメルボックスを退団する。

 

「自分で、自分のやりたい舞台をやりたかったんです。バガボンドを辞めたときもそうですが、『自分の居場所はひとつだけ』という思いがありました。『プレイメイト』が僕の居場所だという意識が強くなり、退団を決めたんです」

 

 同時期、近江谷は、“テレビでの当たり役” にも恵まれる。2002年、テレビドラマで初のレギュラーキャストを務めた『一攫千金夢家族』(南野陽子主演、TBS系)、2003年からは『特命係長只野仁』(テレビ朝日系)シリーズで、いずれもドジだが憎めない中年男を好演。

 

 どちらも高視聴率で、「自分でも潮目が変わったなと感じました」という。

 

 演じる役を、ある程度は選べるようになり、劇団時代に好青年役が多かった反動から、あえてイヤなキャラクターばかりを演じるようになる。

 

「すると、そういったオファーが増えるんですよね。父親役でも、娘の背中に煙草の火を押しつけたり(『シバトラ』2008年、フジテレビ系)、アルコール依存症だったり(『ストロベリーナイト』2012年、フジテレビ系)……。本当に、たくさん演じました(苦笑)」

 

 近年、作品のなかで自身を印象づけることを、“爪痕を残す” という。それを目標にする俳優も多いが、近江谷は、その風潮に背を向ける。

 

「僕は、演技に余計な個性を入れないことが多いんです。たとえば、主人公に家を紹介する不動産屋が、いちいちギャグを挟んできても、鬱陶しいだけですよね(笑)。

 

 もちろん、小さな役にも自分の個性を出し、注目を集める役者さんもいるので、いまだに正解はわからないのですが……」

 

 2006年まで続けたプレイメイトでの活動を発展させ、50歳となった2016年からは、自身のプロデュース公演「yataPro」を手がける。

 

「21歳のころとは違い、有名にならなくてもいいし、お金持ちにならなくてもいい。『いい作品に、それなりの役で関わっていきたい』というのが、いまの正直な気持ちです」

 

 経験を重ねるごとに、新しい “自分の居場所” を見つけてきた近江谷。最初に自分を迎えてくれたバガボンドには、いまも年に1度は顔を出すそうだ。

 


おうみやたろう
1965年12月4日生まれ 北海道出身 東北学院大学英文科卒業後、上京して俳優活動を開始。劇団SET研究所を経て、1989年に「演劇集団キャラメルボックス」に入団。主力メンバーとして13年間所属。2002年に同劇団を退団後も、ドラマ、映画、舞台で活動

 

【SHOP DATA/バガボンド】
・住所/東京都新宿区西新宿1-4-20 1F・2F
・営業時間/17:00〜23:30(金曜のみ、1Fは2:00まで)
・休み/無休

 

※ミュージカル『東京少年少女』(大塚幸太脚本・演出)が2月21日〜23日、東京・渋谷区文化総合センター大和田「さくらホール」にて上演
※舞台『エール!』(きたむらけんじ作・演出)が3月11日〜22日、テアトルBONBON(東京・中野)にて上演

 

(週刊FLASH 2020年2月18日号)

続きを見る
12

エンタメ・アイドル一覧をもっと見る

エンタメ・アイドル 一覧を見る

今、あなたにおすすめの記事