エンタメ・アイドル
橋本じゅん、人生を変えたのは「古田新太」との夜通し酒
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.03.28 20:00 最終更新日:2020.03.28 20:00
「お肉の色もきれいで、すごい厚さでしょ? ドヤ顔になりますよ、ここのお肉は(笑)」
満面の笑みで、肉を網にのせていく。ここは、焼き肉好きの俳優・橋本じゅん(56)が、自宅近くの店をくまなく食べ歩き、とうとう見つけた “最高の一軒” だ。
「店の前の小さな黒板を見つけて、入ったんです。それ以来、ほかの焼き肉屋さんには、ほとんど行ってないですね。いまは家族や仲間とが多いですが、引っ越す前は自宅から近かったので、ひとりでも食べに来ていました」
橋本が愛してやまない「焼肉 Takeyan」は、東急田園都市線高津駅(神奈川県川崎市)のすぐ近くにある、店主夫婦が切り盛りする店だ。
「まずは特製タンを食べてみて。もういけますよ」
一口食べたタンは驚きの柔らかさ。記者の「美味しい!」を聞き、「でしょ?」とニヤリの橋本。
いまや「劇団☆新感線」の看板役者である橋本が、最初に惹かれたのは、“劇場の匂い” だったという。
「高校のときに、バンドをやってたんですよ。ボーカルでしたが、下手でしたね(笑)。でも、バンドで舞台に立ったときに、『舞台っていいな、劇場っていいな』って、強烈に感じたんです。
地元の神戸文化ホールの休演日に、警備員さんに『劇場を見たい』と頼んで、入れてもらったことがあります。木の匂いのする劇場の、板の上の感覚はなんともいえなくて。
ひとりで、『ワーッ』とか言いながら、『“操作盤さん” や “綱元さん” などの裏方でもいいから、劇場に関わることをしたい』って思ったんです」
その強い思いから、大阪芸術大学芸術学部の舞台芸術学科に進学する。
「入学1~2カ月で、『劇団☆新感線』の舞台を観ました。当時、大阪は小劇場ブーム。爆笑に次ぐ爆笑で、満杯の舞台に、『こんな世界があるのか』と一気に引き込まれました。プロの俳優になりたいというより、『新感線に入りたい』という思いが先でしたね。
大道具を手伝ってから、『入れてください』とお願いしたら、“初対面の人間に、こんなひどい言い方ってある?” というぐらいの断わられ方をしました(笑)」
当時、クラスメイトには、のちに新感線を牽引する俳優となる古田新太(54)もいた。橋本は、古田ともうひとりのクラスメイトと、3人で飲み明かした夜が忘れられない。
「『俺は大学を出たら公務員になる』と言ったら、古田らに、『人生捨ててるのか』と言われてね(笑)。
じつは俺、高校を卒業してから2~3年ブラブラしていて、人生を “拾う” ために大学に入ったんです。将来は安定した生活を得ようと思っていたから、『なんなんだ、この人たちは』って思いました。
でも、酒を酌み交わすうちに、『たしかに、いま目の前にある芝居をやらなかったら、男じゃない』みたいな気持ちになってね」