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甲本雅裕、いまも兄・ヒロトと語らう「曲げられない生き方」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.01 11:00 最終更新日:2020.04.01 11:00

甲本雅裕、いまも兄・ヒロトと語らう「曲げられない生き方」

 

「“この映画といえば、あのシーン” という作品には、したくなかったんです。観終わったあとで、お客さんが『あの場面、よかったね』『えっ? あそこじゃないの?』なんていう会話が生まれる映画になったんじゃないかな、と思います」

 

 

 甲本雅裕(54)の初主演映画『高津川』(錦織良成監督)は、島根県を流れ、“日本一の清流” ともいわれる「高津川」の流域が舞台。地域の過疎化、跡継ぎ問題、伝統文化の継承などに向き合いながら暮らす人々の、どこにでもあるようでいて、特別な日々を描いた作品だ。

 

「役者は、自分の思いを訴えかけちゃいけないんです。伝えるんじゃなくて、観た人が感じればいい。観てくださったお客さんが自由に感じてくれて、『高津川』は完成するような気がしています」

 

 2019年に役者生活30周年を迎えた甲本だが、小学校1年から大学卒業時までは、剣道中心の毎日だった。

 

「小学校に通いはじめたころ、下校途中で見かけた野球に興味を持ったんです。それで、少年団の申込書を見つけ、野球だと思いこんで母に記入してもらいました。

 

『集合場所が体育館なのは、おかしいな』と思ったら、剣道というものらしくて。野球はバットだけど、こっちも棒、のちに竹刀とわかるんですが(笑)、それを振ってるし、『おもしろそうだな』と思ったんです」

 

 こうして始めた剣道を、大学4年生まで続けた。

 

「負けると、ただ悔しかったのと、いちど始めるとやめられない性格なので。武士道精神なんていう思いは、まったくなかったですね(笑)。

 

 でも、剣道はずーっとついてくるんですよ。とにかく剣道から離れたいという思いで、自分の中で真逆にあった、婦人アパレルの会社に就職しました。

 

 兄貴(ミュージシャンの甲本ヒロト)が音楽の道へ進んで大学を中退してしまったので、『僕までレールから逸れてしまったら、両親は気絶するぐらいじゃすまないな』と(笑)。当時は、『大学を出て就職するのが、最高の親孝行だろう』って考えていました」

 

 それぞれの道で活躍する兄弟は、「ここだけは曲げられない」という生き方について、よく語り合うという。そんなまっすぐな性格で、会社の仕事にも没頭した。

 

 だが、まっとうに生きようと思えば思うほど、「レールから外れたい」という思いが溢れてきた。

 

「あるとき映画を観たら、同じ俳優が、映画によってまったく違う職業を演じていて、『自由にやっているな』って。俳優というものになれば、自分が心に抱えている思いを、少しは軽くしてくれるような気がしたんですね」

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