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甲本雅裕、いまも兄・ヒロトと語らう「曲げられない生き方」

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.01 11:00 最終更新日:2020.04.01 11:00

甲本雅裕、いまも兄・ヒロトと語らう「曲げられない生き方」

1989年上演の『サンシャインの世界は廻る』にて。三谷(左)・梶原(右上)と

 

 同じころ、同郷で兄の友人でもある俳優の梶原善(54)から、荷物運びを手伝ってほしいという依頼があった。それが、三谷幸喜(58)率いる劇団「東京サンシャインボーイズ」との出会いだった。

 

「その日、稽古場の前に郵便受けを作ることになったんです。一緒に作っていた人が、『もっと高くしよう』と言い出して、3階建てのポストになった。

 

『おもしろい人だな』って思っていたら、その “ポストの人” が三谷さんでした。研究生として入団したのに、すぐに劇団員に格上げ。理由は、研究生だと劇団費が取れないから(笑)。翌月から、8000円の劇団費を払いました」

 

 入ってすぐ、三谷は今後の方向性を決めるため、劇団員との個人面談の場を設けた。

 

「『キミには、まだ役者としての方向性すらないから、とりあえず1年は残す』と。ならば、結果はわからないけど、『1年間自由に好きにやってみよう』と決めました。

 

 1年後、稽古場に張り出された役者の名前の中に、自分の名前があった。『おおーっ、残れた!』って。本当に嬉しくって、今でもそのときの感激を思い出します」

 

 1995年、劇団は “充電期間” に突入。甲本は、活躍の場を映像の世界へと広げ、『踊る大捜査線』シリーズでは、武闘派の刑事・緒方薫役で人気を確立した。それでも、「いまだに舞台の初日は、舞台袖で吐きそうになる」という。

 

「『無理だ~』って思いますもん。でも不思議と、舞台に立つと温泉に入ってるような気持ちになって。長いあいだ、仲間と一緒に稽古を積んできたから、安心感があるんでしょうね」

 

 同じ安心感を抱けるのが、東京・中目黒にあるバー「サンダーボルト」だ。

 

「僕ね、じつはアルコールが飲めないんです。大学の剣道部の先輩と飲んでいるときにぶっ倒れて、病院で診てもらって、初めて気づいた(笑)。そんな僕でも、この店に来ると本当に楽しいし、安心感があるんです」

 

 知り合いの役者に連れてきてもらったのがきっかけで、もう10年ぐらいのつき合いになる。

 

「ここでルパンさん(オーナー)、マーボー(店長)と他愛のない話をしているだけで、居心地がよくて、何時間でもいられます。

 

 ほかのお客さんと盛り上がって、乾杯になったときは、ルパンさんが、僕にはこっそり “特注” を作ってくれる(笑)。頼りになる男なんです」

 

 甲本の定番・シークワーサージュースを片手に、今夜もカウンター越しの話は尽きない。


こうもとまさひろ
1965年6月26日生まれ 岡山県出身 京都産業大学卒業。剣道は四段で、高校では中国大会3位、大学ではインカレ3位に。1989年、「東京サンシャインボーイズ」に入団。在籍中は三谷幸喜の全作品に出演。『踊る大捜査線』(フジテレビ系)でも、ほぼ全シリーズに出演。主演映画『高津川』が全国公開予定

 

【SHOP DATA/Bar Thunder Bolt】
・住所/東京都目黒区上目黒1-3-19 上目黒SSビル2F右
・営業時間/21:00~翌10:00
・休み/なし

 

(週刊FLASH 2020年3月31日・4月7日号)

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