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神保悟志、『相棒』の演技は「赤坂の会員制クラブで学んだ」
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.19 11:00 最終更新日:2020.04.19 11:00
「『相棒』は、いまや国民的長寿ドラマだと思うので、その世界の中にいられるのは光栄です。レギュラーと思われがちですが、じつは出演していない回のほうが多いんです(笑)。それだけ役の印象が強いのなら、役者として嬉しいですね」
『相棒』(テレビ朝日系)の大河内首席監察官役などで知られる神保悟志(57)が通う店は、小田急線・千歳船橋駅の商店街を通り抜けた先の、住宅街の中にある。
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「最初にここに来たのは、20年以上前。近くのTMCスタジオで昼ドラを撮るときは、お昼休みに少し時間が空くと、必ずここでうどんを食べていました」
神保が店の常連になったのは、ちょうど昼ドラや2時間ドラマの出演で多忙を極めていたころだ。
「昼ドラの撮影は、映画やゴールデンタイムの連ドラとは、まったく別物なんです。週5本の30分ドラマを、1週間で撮ります。1日で台詞を覚え、2日でリハーサル。残りの4日が撮影です。まったく休みはありませんでした。
当時は完結まで4カ月、65話がふつうで、今のドラマ3作ぶんぐらいの量がありました」
そんな毎日が、神保を鍛えた。
「昼ドラって、視聴者の皆さんが家事をしながら観ている場合もありますよね。だからラジオドラマのように、台詞で多くを説明するんです。
しかも、通常のドラマのようにカットを割らず、マルチ(複数のカメラ)で一気に撮る。台本17P、17分間をワンカットで撮ったこともあります」
スケジュールも予算も制約があるぶん、役者に求められるものは大きかった。
「ひとつのセットの中で、たとえば1話と10話を同じ日に演じることも多かったです。人物の気持ちを繋げたり、盛り上げていくには、役者自身の中で咀嚼していくしかありません。今のドラマの現場ではあり得ない挑戦だらけでした」
神保が出演した作品には、『牡丹と薔薇』(2004年、東海テレビ・フジテレビ系)や、『温泉へ行こう』シリーズ(1999年ほか、TBS系)など、今でも評価の高いものが多い。
そして、2時間ドラマにも、まるでレギュラーのように出演していた。
「刑事を演じた翌週は、犯人だったり(笑)。いちばん多いときでは、僕の出演したドラマの未放送ストックが10本あった時期もあるそうです」
当時の多忙さが、今の神保の財産になっているという。
「香盤(撮影スケジュール表)には、『終了30時』とか、ふつうに書いてありましたからね(笑)。とにかくたくさん演じて、ほぼ毎日ドラマに出させていただけました。
いまの役者には、そんな機会は『朝ドラ』くらいしかないと思います。昼ドラや2時間ドラマでの経験は、今の僕の宝ですね」