
次期朝ドラ『ばけばけ』で主演を務める髙石あかり
9月29日、女優の髙石あかりが主演を務めるNHK連続テレビ小説『ばけばけ』がスタートした。ストーリー展開に期待が高まるが、“画面の暗さ”に困惑する視聴者もいるようだ。
同作は、明治時代に来日し『怪談』などを執筆した、作家のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と、その妻として創作活動を支えた小泉セツをモデルに、怪談を愛する夫婦の日常を描いた物語。ヒロインの松野トキ役を髙石、その夫のレフカダ・ヘブン役をトミー・バストウが演じる。
「トキがヘブンに怪談『耳なし芳一』を語り聞かせる夜のシーンで幕開けし、トキの幼少期のストーリーが展開されました。30日放送の第2話では、ヒロインを教育する親戚役で北川景子さんが出演し、注目度も高まっています」(スポーツ紙記者)
しかし初回の放送後から、Xでは
《第一印象は画面が暗い、かな。夜だけでなく昼間の場面でも陰が強い》
《画面が暗いなあ。最近の映画とかドラマって単に暗くすればいいやぐらいに作ってるのかしら》
《画面が暗いのはテーマがテーマだけに仕方ないがグイグイ引き込まれる感じとは違う》
《こんな暗い画面から始まる朝ドラ新鮮》
など、画面の暗さが次々と指摘された。
初回では、ヒロインの父(岡部たかし)と祖父(小日向文世)が、武士の時代を終わらせたペリーや新政府軍へ恨みを抱いており、小学生のトキを夜中に連れ出し、わら人形に釘を打つ「丑の刻参り」をするという衝撃的なシーンがあった。
「夜の場面では、ろうそくと行灯の光のみで、昼間のシーンもほの暗いものでした。『怪談』がメインテーマであり、幼少期のヒロインは貧しい家庭で育った設定のため、照明も暗くしたのかもしれませんが、画面の暗さに戸惑いの声があがっています」(芸能記者)
『ばけばけ』の前には、国民的キャラクター『アンパンマン』の原作者・やなせたかし氏と妻の暢(のぶ)さんをモデルにした『あんぱん』が放送された。今田美桜がヒロインを務めた同作は、全話の世帯平均視聴率16.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を記録し、人気を博したが……。
「前作の評判がいいと、次の作品はどうしても比較されがちです。『あんぱん』は、戦争や家族との別れなどのシーンはあったものの、基本的には『アンパンマン』を生み出すまでの過程を前向きに描き、好感を持たれていました。一方の『ばけばけ』は、初回からヒロインが、学校で同級生から家庭のことについてからかわれるような描写もあり、やや暗めな世界観で、『あんぱん』とのギャップを抱く人もいるようです」(同前)
ヒット作との“落差”が、最後まで響いた朝ドラといえば、記憶に新しいものも。
「2024年後期の朝ドラ『おむすび』は、この年の前半に放送された『虎に翼』と比べられることが多くありました。日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ女性を描いた『虎に翼』は、多くの賞を受賞するなど反響を集めましたが、平成ギャルがヒロインという、完全オリジナルストーリーの『おむすび』は、異色のテーマが朝ドラの視聴者層に刺さらず、全話平均世帯視聴率は13.1%と歴代ワーストを記録してしまったのです。『ばけばけ』は、『おむすび』と同じNHK大阪放送局の制作ということもあり、『おむすびショック』の二の舞を心配する声もあります」(同前)
半年にわたって放送される『ばけばけ』はまだ始まったばかり。これから、よい方向に“化ける”ことを期待したい。